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ハイボールとの相性は悪魔的! ポテトチップスのハギス味

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今回はウイスキーではなく、そのツマミにオススメしたいお菓子の紹介。
都光酒販さんが輸入している、スコットランドのポテトチップス。
マッキーズ・オブ・スコットランド 
ハギス&ブラックペッパー味です。


ハギスと言えば、ウイスキー好きなら一度は耳にしたことがあるであろう、 スコットランドの伝統料理ですね。
スタンダードなレシピは、羊の内臓のミンチと大麦、刻んだタマネギを、ハーブや胡椒で香味付けして羊の胃袋に詰め込み、加熱したもの。付け合わせは大概じゃがいも系の何か。所謂不毛の大地の地産物代表が詰まったような料理でもあるわけです。

しかし"胃袋"という見た目の悪さに加え、味も内臓系独特のクセが強いため、イギリス料理を警戒する際のジョークに使われてしまう不名誉な実績もあるほど。。。
そのため、日本のPUBなどで提供されるハギスは、内臓だけでなくひき肉が多少使われていたりするなど、安心して楽しめる味に調整されていることも少なくありません。

(盛り付け前のハギスと、盛り付け後の一般的な構図。。。引用:ロイヤルスコッツマン

そんな好みの分かれる料理のフレーバーを、ポテトチップスに使ったなんてマジかよと。以前イギリスで食べたクセの強いブツの記憶が蘇り、一瞬身構えてしまいます。(鮒寿司味とか作った国の人間が言う話じゃないかもですがw)。

チップスそのものは、日本で一般的に流通しているものより厚めにスライスされた、やや硬揚げタイプ。パリッというよりパキッという食感は、原料の馬鈴薯の特徴でもあるようです。
味は・・・ハギス感は正直あまりなく、ああなんか牛肉・豚肉のエキスが使われてるんかな?くらい。
むしろ強いのは黒胡椒、そしてオニオン系のフレーバー。いわば日本向けハギスを付け合わせのマッシュポテトに混ぜて、挽きたて黒胡椒をぶっかけた、スパイシーな濃い味といった感じ。単品で食べていると、大味な海外のお菓子という意外の何物でもありません。

しかしこれがピーティーなアイラモルトのハイボールと合わせると・・・独特のスモーキーさ、炭酸のさっぱり感と合わさってもう止まらない。
この日はラフロイグを使いましたが、アードベッグ10年、カリラ12年、キルホーマンあたりのスタンダードなアイラモルトとは、間違いなくマッチすると思います。
明らかに体に悪い味!しかし悪魔的・・・本能に一直線で訴えかけるようなダイレクトな旨さに抗えないw。
なんちゅうもんを・・・、なんちゅうもんを食わせてくれたんや・・・。
(くっ、こんなもん食いながら夜飲んでたら、間違いなく太ってしまう!)


元々ハギスにはアイラモルトを少量かける楽しみ方があるくらいで、ピーティーな香味との相性は悪くありません。その関連する要素がポテトチップスにプラスαされた結果でしょうか。普通のポテトチップスでここまであとを引く旨さは未体験。
マッキーズ・オブ・スコットランド・ポテトチップスは、都光さんと取引のある、コストコ、信濃屋、リカーマウンテンさんあたりで取り扱いがあるようです。
味の濃さ故これを食べながらウイスキーをテイスティングとはいきませんが、ハイボールに合わせるおつまみとしては是非オススメしたいですね。

シングルカスクウイスキーをアイドル化するのは止めるべきという意見

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FBタイムラインで、ウイスキー仲間がシェアしていた以下の記事。本件についてはこれまで自分も多かれ少なかれ考えていた内容でもあったので、ここで紹介すると共に自論をまとめたいと思います。 


STOP IDOLISING SINGLE CASK WHISKIES
Scotch Whisky .com(2018/7/10)

https://scotchwhisky.com/magazine/opinion-debate/the-way-i-see-it/19800/stop-idolising-single-cask-whiskies/

書かれている内容は、端的に言えば「シングルカスクウイスキーを過剰に評価してませんか?」という話。
シングルカスクウイスキーは樽や蒸留所などの情報は明確だし、原酒一つ一つを限りなくそのままの香味で楽しむことは出来るが、それらは決して味の良さや原酒の品質を保障するものではないということ。高品質なウイスキーの条件はシングルカスク縛りではなく、あくまで1つのジャンルであって、ブレンドウイスキーなどと平等に評価されるべきというのが記事を通しての著者の意見です。 

この記事については自分もほぼ同意見で、考察のポイント含めてよくまとめられた内容だと思います。確かにそういう傾向あるよねと。ただ、少々ワンサイド気味な主張にも感じてしまうのが、時系列と経験に伴う消費者サイドの趣向の変化を考慮していない点にあると思うのです。


自分もそうだったのですが、ウイスキーに興味を持つきっかけは個人個々としても、ある一時から
・飲む前から40%や43%の加水リリースのウイスキーを残念に感じる。(特にGMの蒸留所ラベルとか)
・ハイグレードのブレンデッドウイスキーは、なぜこの原酒を混ぜてしまったのかと感じる。
・同じ価格ならブレンドやシングルモルトよりもシングルカスクのほうを購入してしまう。 
などなど、ある種のシングルカスク・カスクストレングス至上主義的な感覚を持つ場合が多いのではないでしょうか。

前置きすると、あくまで自分の主観的な分析であって、全ての愛好家が必ずそうとは思いません。また仮にそうであっても、それを否定するものでもありません。
ただ、そうした趣向を持った上で様々なリリースを経験した結果、最終的にその道を貫く方も居れば、「加水には加水のよさがある」「ブレンドの面白さに気が付く」という趣向の変化を経験する人も居るという点が、シングルカスクの位置付けを考える意味で重要なポイントだと思います。


ブレンド全盛だった1980年代に比べ、近年のウイスキー市場は多様さを増し、バッテッド、シングルモルト、シングルカスクなど様々なリリースが増えて勢力図が変わりつつあります。
では、シングルカスクウイスキーを一つのジャンルとして捉えた場合、シングルカスクウイスキーは、混ざっていない単一の原酒であるが故に蒸留所や樽の個性を認識しやすく、ウイスキーを学ぶ上で重要な経験がわかりやすく得られることが強みであると考えます。

例えば、オーケストラやコーラスを普段聴かない人に、CDを聞かせてあの楽器が良かったとか、あの人の声が良かったとか、ある特定の要素を切り出して感想を求めても答えづらいのではないかと思います。これは不慣れ故に音の聞き分けが追いつかないためで、指揮者の役割についても同様です。

しかしソロパートについてならどうかというと、これなら明確に認識できます。
そして様々な楽器について学んだ上でオーケストラを聞くとどうか・・・。当然それぞれの音にピントが合いやすくなり、全体の中で指揮者の意図にも気が付きやすくなると期待出来ます。
この話をウイスキーにそのまま当てはめると、シングルカスクはまさに上記のソロであり、ウイスキーを学ぶ上では最初のステップに位置づけられると思うのです。
(実際、ブラインドテイスティングでも、シングルカスクを中心に飲んでる方は予想が的確な印象がありますね。)


なお、認識のし易さは逆にごまかしが効きづらく、荒さも目だってしまうというデメリットと言えるかもしれません。
総合的な完成度と言う点では、ブレンド、バッティング、加水と手を加えるほうが上がりやすくなるのも事実。 その為、シングルカスクリリースは必ずしも美味しさが保障されるものではないのですが、稀に単独で完成度の高い突き抜けたリリースもあります。
ブレンドとは異なる香味の広がり方は快活にして明瞭であり、そしてその存在を知ってしまうと、熟成の神秘という大きな謎に触れるが如く次の邂逅を求めて沼にハマってしまうわけです。
そういう突き抜け系のウイスキーを飲んだことがある身としては、シングルカスクをアイドル化してしまう心も非常によくわかります。

何だかとりとめなくなってしまいましたが、時代が変わった今、シングルカスクにはシングルカスクで活かすべき要素があり、シングルカスクもシングルモルトもブレンドも、全部飲んで今の市場を楽しむような飲み方を推奨したいのが自論であります。
また、そのためにはリリース側のみならず販売側も、そのボトルの個性をわかりやすくPRしてほしい。なんか結論はあまり変わってない気もしますが、シングルカスクを無条件で迎合する必要はないとしても、それがどんな特徴を持っているかを正しく発信出来る。製造元を含めた売り手側のスキルが求められているようにも思うのです。

ハイボールシーズン到来! 強炭酸ナンバー1決定戦!

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4月下旬頃から急に暑くなりましたね。関東は夏日という日もめずらしくなく、ハイボールが進んで進んで仕方ありません(笑)。

一方、ここ最近"強炭酸"を謳う市販炭酸水が増えており、「一体どれが一番強炭酸なんだろう」と素朴な疑問・・・。そこで今回は、広く入手が可能と考えられるコンビニ取り扱いの大手ブランドを中心に、自分の周囲で購入できるものを集めて炭酸の強さを比較をしてみました。

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単に炭酸水といっても市場には相当な種類があり、その流通も地域によって様々。ネット販売中心のものや、酒販店のオリジナル、さらにご当地的なブランドまであり、今回購入した比較的メジャーなものだけでも10種類以上あるのです。最初はその辺の酒販店とコンビに回れば網羅できるとか思ってたんですが、調べてみると出てくる出てくる・・・。

これらの比較の方法ですが、炭酸の強度である充填量(ガスボリューム:GV)を測定する科学的方法はあるものの、一般家庭で行えるものではなく。また、メーカーによっては充填量を公開しているところがありますが、炭酸の質の問題か、ボトリング前後で抜けてしまうのか、数値ほど強く感じないモノもあります。これはもう飲んで比較するしかありません。

ただし、飲むにしても開封して注いで時間が経つと抜けてしまうので、一度に比較するのは不可能。。。というか、すぐハイボールにして飲んでしまう炭酸水で時間をかけた評価はあまり意味がなく。
まずはこれらの炭酸水を2本以上調達、そのまま飲むだけでなく日々のハイボールで使ってみて、明らかに炭酸の弱いものは除外し、残ったものを同時に比較することにしました。


この過程で、ペリエやサンペレグリノら天然炭酸水、あるいは山崎の天然水ソーダなどは、強炭酸区分では惜しくも予選落ちということになってしまいます。
炭酸水には大きく3分類「天然炭酸水」「天然水炭酸水」「人工水炭酸水」があり、ガス圧を後から追加出来ない天然炭酸水はどうしても発泡が弱くなりがちです。

誤解のないよう補足をすると、ハイボールは炭酸が強いから美味いのではなく、水あるいは炭酸の質、炭酸ガス以外の添加物(塩化Ca,硫酸Mg,クエン酸Na・・・)、それ以外の要素としてグラスや氷の存在も重要。後はステアの技術もありますね。さながらカクテルのように、トータルで味が決まるものといっても過言ではありません。

先のペリエなどは鉱水で、普通の炭酸水とは味や舌当たりが異なります。これはオールドブレンデッドのハイボールに使うといい仕事をしますし、仕込み水などに硬水を使う蒸留所のシングルモルトのハイボールに用いてみるのも面白そうです。また、価格に目を瞑れば山崎のプレミアムソーダはまろやかさと上質な泡立ちで、ワンランク上のハイボールが出来上がると、ウイスキー仲間の間でも評判です。

一方これからの暑い日は、バチッと喉に刺激が残る爽快なハイボールが飲みたい時もあります。強炭酸で、クリアで、ウイスキーの味を邪魔しない・・・ここからの比較は、そういう視点でみてもらえればと思います。
予選を終えて残った銘柄は、全6種と参考品の1本(以下、あいうえお順)。"強炭酸"をラベルに謳っているのは、そのうち4銘柄ですが、どれもほぼ一定以上の強さがある炭酸水といえます。

①伊藤園 磨かれて澄みきった 日本の炭酸水 500ml
②ウィルキンソン タンサン 500ml
③カナダドライ 強炭酸水 ストロング・ザ・タンサン 490ml
④サントリーソーダ 強炭酸 490ml
⑤セブンプレミアム 強炭酸 490ml
⑥南アルプスの天然水 スパークリング 500ml
※ケープライス おいしい炭酸水 強炭酸 500ml (参考品)

同時比較にあたっては、可能な限り入荷が新しいものを、同じ形状のグラス(SK2)で比較しました。ただグラスは同じ形状で6脚以上持っていたのがSK2だけだった、という話でグラスにこだわったわけではありません(笑)※写真を撮っている間のロスを防ぐため、同時にグラスに注いだ写真はありません。

そして散々引っ張ってきて、あっさり結果に落としてしまうことを申し訳なく思うのですが、第一回強炭酸選手権、ナンバーワンは⑥南アルプスの天然水 スパークリングです!
1日以上冷蔵庫で安置し、同じように取り出して開封。グラスに入れた時の立ち上がる泡の強さ、水のまろやかさの後から喉にくる刺激。サントリーというより共同開発したスノーピークがすごいのか、予選の段階から「こいつ強くね?」と思っていたものが、やはり比較でも一歩リード。
ハイボールに使ってもベースがクリアでウイスキーの味を邪魔しませんし、強炭酸だからこその爽快感が喉越しに楽しめます。

他方、残りの炭酸水は、正直似たり寄ったりな部分もあって、順位付けするほど明確な差が感じられないものもありました。なので今回はAランクからCランクで3段階にわけると、以下の通りです。

【Aランク】
・南アルプスの天然水 スパークリング 500ml 

【Bランク】
・ウィルキンソン タンサン 500ml
・伊藤園 磨かれて澄みきった 日本の炭酸水 500ml
・セブンプレミアム 強炭酸 490ml

【Cランク】
・カナダドライ 強炭酸水 ストロング・ザ・タンサン 490ml
・サントリーソーダ 強炭酸490ml

比較して改めて感じるのが、ウィルキンソン タンサンの安定感。淀みないクリアな味わいと強い発泡で、割る対象を選ばない万能ソーダ。我が家でレビューに使ってきたのも、ウィルキンソンとカクヤスのプライベートブランドK-priceソーダです。今回はカクヤスブランドが全国区ではないので、参考品区分としていますが、こちらも安価で雑味が少なく発泡も強い、使いやすい炭酸水だと思います。

そして意外にも健闘したのが、伊藤園の日本の炭酸水。特に強炭酸とは明記してないものの、なかなか刺激が強い。BかCかで悩みましたが、暫定Bということで。実は会社に置いてある自販機で扱っているので、日常的に飲んでいた銘柄だったりします。
ただ、そのまま飲むのは良いのですが、ハイボールに使うと若干泡立ちが荒いというか、銘柄によっては苦味が出るような気がするので、銘柄を選ぶようにも感じます。

CMの煽りから期待していて残念だったのが、カナダドライの新商品。。。強炭酸水 ストロング・ザ・タンサン。同ブランド史上最強のガス圧という前振りでしたが、なんというか普通のレベル、しいて言えば、ちょっと泡が口の中で重いかな?というくらい。ただ味のキレは良いと思います。
保管状態の関係で抜けてしまったのかもしれないと、店頭以外に自販機でも購入して5本くらい試したのですが、他の6本と比較して際立った強さはありませんでした。

あとサントリークラブソーダ。リニューアルしたパッケージで5.0GVとスペック的には文句なしの強炭酸で優勝候補筆頭。。。ですが、数値ほどに感じない不思議。実は同じサントリー関連企業が作っているのがセブンプレミアムの強炭酸。これは同じく5.0GVの充填量ですが、ベースの水の硬度が異なっていて、感じ方の違いは水質との関係かもしれません。これくらいの強さがあればハイボールには充分だけど。。。うーん。

というわけで、今回の企画。比較的日本全国に広く出荷されているであろう、ラベルチェンジした新商品「南アルプスの天然水 スパークリング」が、現時点でくりりん的強炭酸ナンバー1の座に輝きました。
ただし調べてみると、ローカルブランドながら他の地域やネットショップには、まだまだ炭酸の強そうな商品があり、今回は「地区大会」という位置づけが適切でしょうか。例えば、一般的な炭酸水の1.5倍以上となる5.5GVを充填しているという強炭酸水KUOSは無視できない存在。これらを後日取り寄せて、「全国大会」を開催しても面白そうです。

先にも述べたように、炭酸水といっても成分や炭酸の強さなどから全てが同じというわけではなく、ウイスキーとの相性があり、様々な組合わせが考えられます。そういう意味で、今回の炭酸水比較は、単にナンバーワンを決めただけではなく、炭酸水そのものへの理解が深まる良い経験になったなと感じています。

なお、ハイボールのベースとなるウイスキーでは、ちょうどタリスカー10年がスパイシーハイボールキャンペーンを実施中。燻製黒胡椒が必ずついてくるタリスカー10年が、お店によっては税抜き3000円を切る価格で販売されているので、まさにこれからのシーズンにうってつけ。勿論当ブログ推奨のシビハイにも・・・。
そしてそこに使う炭酸水は、キリッと冷やした南アルプスのスパークリングを試してみてください。

※(5/21追記)本記事について多くの反響をいただきありがとうございます。
記事公開後、比較方法についての疑問をメッセージいただきました。私自身も同様に感じるところあり、改めて上記6本の比較をすることとしました。確認後、変更がある場合は改定または訂正として記事を更新させていただきます。ご意見いただき、ありがとうございました。

1000レビュー達成と今後の方針について

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先日、当ブログは大きな節目となる1000件のウイスキーレビューを更新しました。皆様、いつも当ブログを閲覧いただきありがとうございます!

ブログ活動を再開して2年11ヶ月、来月には、まる3年となります。
テイスティングカテゴリーに登録している記事に限ってのカウントなので、実際はもっと前から1000件以上のレビューがあったわけですが。この約3年間でこれだけレビュー記事を書いて思うことは「テイスティングって、難しいなぁ」ということに尽きます。 


3年前にブログ活動を再開する時、今まで5年くらいがっつり飲んできたし、これは強くてニューゲーム状態、評価もテイスティングもそうそうブレないぜ!(キリッ
なーんて内心思っていたわけですが、残念ながらブレるわけです(笑)。

また、これまでの5年間以上に、この約3年間の方が学ぶことが多かったようにも感じます。
製法のこと、樽のこと、熟成環境のこと、作り手のこと・・・。学びというより気付きでしょうか。それらを踏まえて 頭の中の整理が進んだのか、ブラインドテイスティング正答率は かなり上がった一方、安定性しかり、そこに評価や表現が絡む と別問題
最近は1つ判ると1つ失うような感覚。良くて3歩進んで2.5歩戻っている ような状況。。。まだまだやるべきことは多そうです。

また、こういう活動をしている中で並行して整理されてきたのが自分の好み。
以前はシングルカスクの突き抜けるようなフレーバーでないと物足りなかったところ。最近は加水も含めた総合的な完成度、奥行きやバランスを求めるようになってきたり。
この他、金属臭などのキャップ系のオフ要素や、ニューポット系の未熟感、硫黄、パフューム系統の好みを分けるフレーバーには敏感。ただし近年増えている紙系のフレーバーや、オフ要素でもオールドのヒネ感は、それとわかっても結構許容出来るといった傾向もはっきりしてきました。

この好みについては個人個々でもありますし、賛否両論あろうかと思いますが、「自分の鼻と舌に自信をもち、主体性を持ってよいものと、わるいものを見分けるよう心掛けてほしい。そのことは人生を楽しむことに通じていると思う。」(竹鶴政孝 "ウイスキーと私"より)という言葉にあるように、まずは自分の感覚を信じることを大事にしたいと考えています。
そしてブログの規模が大きくなるにつれて、逆に「くりりんならどう感じるか」と意見を求められるきっかけにもなってきたと感じています。


比較
(アクセス解析サービス「Similar web」の評価では、日本の業界最大手とも言えるウイスキーマガジンジャパンや、海外の有名サイトとほぼ同等のアクセス規模となっている。サービス提供元:

ただ、ある時から注目度が重荷になって、自分はどう評価すべきか、活動すべきかを悩んだことも少なからずありました。
そこで悩んで悩んで1周回ったと言いますか、ある時ふっと、この環境に慣れたと言いますか。これだけ見ていただける媒体というのは、書き手にとっては財産ですし、むしろどうやったらこのアクセス規模を活かすことが出来るかを考えるようになりました。 

最近は新規店舗やクラウドファンディングの紹介をさせていただきましたが、自分が応援したいと思ったことを自由に後押しできるのは、営利に縛られず情報発信できる媒体があるからこそ。
引き続き新しい情報の発信だけでなく、その発信方法で例えばテイスティングを共同でレビューしたり、プラスαとなるような情報を付加できたりすれば良いなと考えています。
後は昔書いたレビューを見直して、その後感じた事などを追記するような、情報のアップデートもしていきたいですね。



さて、話を戻しますと、当ブログ1000件のテイスティングレビューの中には、ウイスキー繋がりの友人、そしてこのブログの読者の皆様から持ち寄り会などを通じて提供いただいたテイスティング機会が含まれています。
またボトルだけでなく、記事に添える現地関連の写真もそうです。

これだけでもありがたい話なのですが、先日も当ブログ読者の方から、自身のプライベートカスクの感想を聞かせて欲しいという話がありました。
どこの誰ともわからないヤツに、自分の貴重なウイスキーを提供する。普通はありえないことです。
しかしブログを始めてから度々そうした機会があり、そう思っていただけることが光栄で、ボトルを前にして感動してしまいました。
1000件から先のレビューに向けて、弾みになった出来事でした。

長々と書いてしまいましたが、当方のウイスキー探求の旅はまだまだ続きます。
今後ともよろしくお願い致します。

【ショップ紹介】リカーマウンテン 銀座777 に行って来た

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今、赤坂〜東京駅間のリカーショップがアツい! 
大小様々なショップがあり、品揃えのよさもさることながら、独自の並行輸入やオリジナルボトル、チョイ古い掘り出し物、各種試飲サービス、そして知見豊富なスタッフと、ネット通販は手軽で良いけどたまには足で探してみるのも悪くない。そう思わせてくれる様々なショップが一定距離の間で営業しているのです。

実は当ブログ、"ウイスキーショップ"カテゴリーがメニューにあるのですが、板橋のM'sさんを記事にして以来特段使っておらず。。。ちょうど良いのでこのエリアのリカーショップをまとめて記事にしていこうと思います。 
その一発目は、先月1月11日、銀座7丁目7番地7号にオープンしたリカーマウンテン銀座777。リカマンさんについては今更なので割愛しますが、ここはもうハードリカー愛好家のためにあるようなショップです。


リカーマウンテン 銀座777
〒104-0061 中央区銀座7丁目7番7号
営業時間:平日 午前11時~翌午前4時※
土曜 午前11時~午後10時※
日・祝 午前11時~午後 8時
※有料試飲受付は開店から午後9時まで
https://likaman.co.jp/special/ginza777/

開店当日は仕事でいけなかったのですが、翌日、仕事終わりに顔を出してみたところそのラインナップは圧巻の一言。
日本国内に流通するスコッチモルト、ブレンデッドウイスキーのオフィシャルボトルを中心に、現地ボトルの並行品、ボトラーズや自社ブランドに加え、バーボン、各種リキュールなどが一面にズラリ。
店舗に入る前、外観からは「案外こぢんまりとしてるな」なんて思ったのですが、中は別世界。単純な物量はエリアトップと言って間違いありません。 

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ただまあいうても品揃えだけなら、別にWEBショップでもかまわないわけですが、銀座777のすごいところはそれらウイスキー全体の8~9割は試飲可能というサービスにあります。 
対象となっているボトルは、ネック部分にタグが貼られていますので、ボトルを持ってレジに行き、その価格を支払えば10mlの試飲が可能というもの。開封されてないボトルでも、対象ならその場で開封して注いでくれます。
気になる銘柄を試飲しながら、次に購入するボトルを選ぶことが出来る。また、我々のようなコアな愛好家はついついスタンダードクラスを後回しにしてしまいがちですが、買い物ついでに比較テイスティングなども。。。
まさに実店舗だからこそ、という取り組みと言えます。

ここまでの環境の中に居て、据え膳食わぬはなんとやら、この日は午後9時の受付終了時間いっぱいまで1時間弱、気になるボトルを試飲させてもらいました。

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リカーマウンテンのオリジナルボトルであるY's CASK。グレンファークラス2005は度数の高さと酒質からくるハイトーンな味わいながら、とろりとしたシェリー樽由来の甘みが余韻にかけて感じられる。KAVALANは樽由来の濃厚な甘みとフルーティーさでらしい味わい。


メーカーズマーク・プライベートセレクト。後熟用の樽の中に複数種類の木材の束(インナーステイヴ)を入れて味に違いを出す。このメーカーズマークはリカマンオリジナルのレシピで、濃厚でリッチな甘みからウッディでスパイシーな余韻へと繋がる。


試飲の合間に食べられるおつまみまで準備されている。お値段は100円、試飲の注文と合わせてレジで伝えると左の小皿に取り分けて貰える。

ウイスキー以外では、ジンの品揃えと試飲が豊富なのも特徴。自分はあまりジンは詳しくないのですが、その他酒販専門店で見かける銘柄以上の品揃え。イベント以外でこれだけの規模というのは、ちょっと経験ないですね。
また、銀座の"夜の街"真っ只中にあることもあって、ワイン、ビール、日本酒、各種リキュールなども需要に合わせたラインナップとなっています。
こちらは通常試飲対応していませんが、ついでにと、酔って財布の紐が緩まないように注意が必要です(笑)。


スタッフの対応は開店直後とあって、まだぎこちなさを多少感じたものの、そこは慣れでどうとでもなる話。それ以上に、明るく、そしてよく勉強もされているようです。
「このボトル、在庫ないんですか?」というリクエストに、「近所の別店舗にあるんで5分待って頂ければすぐ取って来ます!」と走っていかれた姿は印象的でした。
また当たり前の話、お酒は飲ないと味がわからないわけで、専門店のスタッフともなるとBARやイベントなどに通いながら勉強するという姿も珍しくありません。
銀座777では上記の通り膨大な試飲環境があり、日頃の勉強に加え、販売品を実際に飲んで、自分で感じた感想をベースに販売できるのは大きなアドバンテージだと思います。(試飲代は自腹らしいですがw)

この他、一部ボトルは50mlの量り売りが行われたり、毎月7のつく日はイベントデーとして、「ウイスキーくじ」の発売や、注目銘柄の試飲等が行われるなど、定期的に店舗に来る楽しみがあるのも魅力。
量り売りは関西の方では比較的メジャーなようですが、こちらはあまり実施店舗がなく嬉しい試みです。


以上、リカマン銀座777は、特にウイスキー好きには堪らない"体験型"のお店で、純粋に買い物にも、近隣BAR等に飲みに行く前のちょっとした予習としても、是非オススメしたい店舗です。

他方1点懸念事項が、それはお客である我々のマナーです。
こちらの店舗で提供しているのはあくまで試飲、立ち飲み屋ではありません。
聞くところ、そのように使われるお客さんはいらっしゃっていないということですが、使われ方次第ではシステムの制限や変更に繋がりかねない懸念があること。酔って大声で騒ぐ、酔いつぶれる、そういう立ち振る舞いも同様です。
立地上、様々な方が来られる場所だけに、節度を持って、ショッピングを楽しみたいですね。

(補足:本記事の写真は許可を頂いて撮影、掲載しております。)

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