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GLEN FLAGLER
Aged 8 Years 
100% Pot Still 
Rare All Malt Scotch
1980'S
40% 750ml (70 Proof)

グラス:SK2
量:30ml程度
場所:自宅(持ち寄り会@Nさん)
時期:直近開封
暫定評価:★★★★★(5)

香り:ライトで華やかな香り立ち、ほのかにハーブ、芯のある麦芽香。若干の埃っぽさも感じる。
加水すると儚く消えていきそうなアロマに・・・

味:スムーズな口当たり、若干の粘性、全体的に味わいが軽く、少しピリピリとしたスパイシーさから、ライトでこなれた麦芽風味と紙っぽさ。
余韻は麦芽風味、淡いスモーキーさを伴う染み込むようなフィニッシュ。
加水すると一気にフレーバーが崩れてしまう、ストレートで飲みたい。


インバーハウス社がかつて所有していた、今は無き大規模複合蒸留所グレンフラグラー。
キンクレイス、ベンウィヴィス、レディバーンらと共にテイスティング困難な蒸留所に挙げられることもありますが、グレンフラグラーは1965年から1985年までの20年間稼動し、オフィシャルボトルもリリースされていたため、ただテイスティングするだけなら機会は残されている閉鎖蒸留所であるといえます。

ウイスキー大全によるとポットスチルの数だけなら6基と大規模と言えるものではないものの、ウェアハウス37棟、グレーンウイスキー工場に当時ヨーロッパ最大級の製麦工場、クーパレッジにブレンド工場、ボトリング工場と、シングルモルトだけでなくブレンデッドウイスキー製造に必要な全ての設備が揃っていたという話。
スコッチウイスキー業界ではブレンデッドウイスキー製造に必要なグレーン蒸留所をグループの中心に据え、キーモルトとなる蒸留所を囲う形が一般的であった中で、まさにインバーハウス社が同社の中核を成すべくして建設した複合蒸留所であったことが伺えます。

同社はここで、ピートをまったく焚かないローランドタイプのモルトであるキリーロッホ、ピートを焚いたグレンフラグラー、そしてヘビーピートのアイルブレイを製造していました。中でもアイルブレイは自分もまだ飲んだことも現物を見たことも無く、半ばあきらめてすらいます。
グレンフラグラーは、リミテッドリリースを除けば5年と8年が販売されており、今回テイスティングしたレッドラベルの8年はローランド的な柔らかい麦芽風味に淡いピートフレーバーという、らしいキャラクターを感じる事が出来ました。
まさにブレンドのベースに使われるような使い勝手の良い味わいで、5年のほうがおしろい系の麦芽風味が強かったように思います。

ウイスキー入門者などには強く勧めるボトルではないですが、テイスティングの経験を詰む中で、沼の中に足を踏み入れる覚悟を決めたら探し出しても良いのかもしれません。