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ドラムラッド合同会社 ボトラーズ事業を開始

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6月上旬、日本において新しいボトラーズメーカー(ブランド)、DRAMLADが産声を上げました。近日8月5日には1st リリースも予定されています。
ブランドを立ち上げたのは、ウイスキー愛好家にしてスピリッツバイヤーとなる伊志嶺 尚 氏。同氏に関しては、10年程前からウイスキーを飲まれている方は、ウスケバで執筆されていたブログを見たことがある方もいらっしゃるでしょうし、ここ最近ではイベントのメーカーブースで直接会っている方も少なくないと思います。

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DRAMLAD 
ドラムラッド 合同会社

URL: DRAMLAD & Co.
※Facebook:https://www.facebook.com/DramLad.Whisky
※Instagram:https://www.instagram.com/dramlad.whisky

ボトラーズメーカーとは何か。
ざっくり言えば、自社や傘下の蒸留所で製造した原酒をリリースするのがオフィシャル。
そうした製造元から原酒を買い付け、独自のブランドとしてリリースしているメーカーがボトラーズと整理できます。

スコッチウイスキーはオフィシャルリリースに対して、ブレンドメーカーやボトラーズメーカーがブランドを相互補完しながら、それぞれの国で市場が造られてきました。
それはイギリスのみならず、ヨーロッパについても同様で、フランス、イタリア、ドイツなど各国にボトラーズメーカーがあり、多様なリリースを生み出すに至っています。
(例:フランス→ミシェル・クーブレ。イタリア→サマローリ。ドイツ→ウイスキーエージェンシー)

では日本はどうか。シングルモルトという区分で言えば、一部のインポーターや酒販店が原酒を調達してオリジナルリリースを行っており、広義の意味ではボトラーズメーカーと言えるのかもしれませんが、独自のブランドを展開しているメーカーはごく一部です。
ポイントとなるのは、この「独自のブランド」です。独自のブランドを立ち上げるには、現地とのコネクションで良質な原酒を買い付けることだけでなく、何をもって独自のリリースとするのか、ブランド付加価値の創出が課題になってきます。

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今回記事を書くにあたり、伊志嶺さんとドラムラッドの今後のプランについて、オンラインでやり取りをさせてもらいました。
かつて自分もウスケバでブログを書いていましたし、伊志嶺さんとは繋がりが無かったわけではありませんでしたが、コロナ禍にあって直接会う機会がなく、久しぶりの情報交換となります。

伊志嶺さんは、過去のウイスキーメーカー勤務等で培った経験からスコットランド現地とのコネクションを持ち、その繋がりを活かしてより良いウイスキーをダイレクトに市場に届けるべく、「能動的な(攻めの)原酒調達を行っていきたい」と。また、信頼できるテイスターによる評価で、選定者の顔が見えることや、完成度だけでなく原酒の個性にもフォーカスすることが、ドラムラッドの付加価値であると、意気込みを語られていました。
本記事では、こうして聞いた内容を対談形式で一部紹介していきます。


■攻めの原酒調達とは?
(前略)
伊志嶺「世界的なウイスキーブームの中で、良質な原酒は待っていても手に入りません。インポーターに頼んで受け身で原酒を待つスタイルでは、選んでいる間に樽が他社の手に渡る等、ますます良質なリリースが減っていくことになります。」

くりりん「つまり、こういう原酒が欲しいという明確な働きかけ。意思決定のスピードや現地との調整が重要であると?」

「コロナ禍にあって難しい部分もありますが、現地での原酒買い付けは勿論、市場がどのようなウイスキーを求めているのか見極めていくことが重要です。ドラムラッドは私自身が立ち上げた会社であり、これまでの経験から現地との調整、折衝、販売までの手続きを全て自分で行うことが出来ます。これはチャンスだという原酒があったら、そこで躊躇なく抑えに行くことができるわけです。」

「スコットランドと日本では、ビジネスシーンで時間の流れ方が違いますよね(笑)。よく言えばおおらかと言いますか。。。一方で原酒の見極めについてはどうでしょうか。」

「私自身何千種類とウイスキーを経験して、販売にも関わっていたことから自分の中に基準を作ることが出来ています。ですがドラムラッドがビジョンに掲げる「伝統を重んじ、新しいものを提案、創造する」を満たすには十分ではありません。高いテイスティング能力を持つプロフェッショナルや、ユーザーに近い場所でウイスキーを提供する酒販・バーマンらで構成するテイスティングチームの、多角的な視点を用いることがドラムラッドの付加価値の一つとなります。」

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■ウイスキーに精通したプロが選ぶ、ドラムラッドのウイスキー
「自身でPBを出されたり、あるいはテイスターとしての経験も持つ実力派(かつ個性派なw)メンバーですね。個人ではどうしても好みに寄りがちですから、有識者による視点は重要だと思います。また、こうして選定者の顔が見えるというのも魅力的です。」
※メンバーの詳細については、こちらを参照。

「仰る通りです。調達したカスクサンプルは多岐にわたります。そこで、テイスティングチームの出番となるわけです。官能評価は勿論、市場の傾向、発売時期、価格帯、さらには地域別の嗜好の違いに至るまで、ディスカッションを行ってリリースを選定します。単に市場の傾向をなぞるだけではなく、新しいトレンドも生み出していきたいですね。」

「一昔前のように100点満点で80点以上のウイスキーを安定してリリースできる状態ではなくなったのが現代のボトラーズ市場だと思います。特に価格の高騰は顕著であり、いくらコネクションがあっても、テイスターがいても、価格を下げるマジックはないと思います。こうした状況下で、どのようなリリースを行っていくつもりなのでしょうか。」

「いきなり踏み込みましたね(笑)。確かに総合的に優れた長期熟成のウイスキーを低価格でリリースすることは難しくなりました。しかしウイスキーブームから市場が育ち、各メーカーがシングルモルトでのリリースを意識したことで、若くても面白い個性を持った原酒、一定の完成度を持った原酒は増えてきていると感じています。これが今のウイスキーなんです。ドラムラッドでは味わいや個性、ヴィンテージや熟成年数、カスクタイプ、そして価格帯など、全てのスペックを考慮し、ブランドを3つのレンジに分けてリリースしていきます。」

「なるほど、ここでドラムラッドの理念に繋がるわけですか。ブランドが整理され、リリースの方向性が統一されていることは、ユーザーから見てもわかりやすいと思います。」(中略)

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ドラムラッドがリリースするブランドラインナップ
・エイジオブイノセンス:価格帯(低~中)
 若いウイスキーが持つ楽しさを味わう。熟成を経ていないからこそ楽しめる純粋さ、新鮮さ、驚きを基準とする。
・ワンドラムセレクション:価格帯(中~高)
 ドラムラッドにおけるメインブランド。テイスティングメンバーがプライドを持って選ぶカスク。蒸溜所のハウススタイル、地域の特性等を体現したカスクであり、テイスティングする喜びを感じることが出来るもの。
・アフェリオン:価格帯(高)
 ドラムラッドがリリース出来るカスクの最高峰。長い熟成を経て円熟と言われる領域へと至った至高のカスク。

※ここまではっきりとリリースが整理されているのは、GMやシグナトリー等、スコットランドの古参ボトラーズでは一般的だが、日本のこれまでのボトラーズ、プライベーターにはあまり見られなかった取り組みである。なお別途OEMとしてPBの外注も受け付けている。


■ファーストリリースと今後の方向性
「後日予定されるファーストリリースについて教えてください。今回どんなコンセプトでカスクを調達し、チョイスしたのでしょうか。」

「ファーストリリースということで、あまり尖ったチョイスにはしていません。季節やシーンを問わず、誰でも楽しめる、親しめるようなリリースだと思います。スコットランドでは伝統的にシェリー樽熟成の原酒が特別なものと位置付けられることが多く、様々なアニバーサリーシーンを彩ってきました。そうした古典的な味わいと、熟成した原酒の織り成すフルーティーさ。切り良く20年熟成と行きたいところでしたが、この原酒が来年まで残っているとは思えません。中身重視で選ばせてもらいました。」

「シークレット系やブレンデッドモルトのリリースは最近増えていますが、これは”今のウイスキー”という視点が見えますね。ティースプーンということでしょうか。」

「いえ、スペイサイドの複数の蒸溜所の原酒をバッティングし、1つのシェリー樽で熟成せたブレンデッドモルトです。スペイサイド地域らしい華やかさがあり、熟成感のある味わいはまさにテイスティングの喜びを感じることが出来る、バランスの取れた1本だと思います。メンバーの評価も高く、それを裏付けています。」

1st Release

DRAMLAD ”1st Release”
THE ONE DRAM SELECTION 
Aged 19 years old 
Distilled 2001 
Bottled 2021 
Cask type Sherry
700ml 44.0%
発売:8月5日(木)18:00 ~
販売サイト:https://www.dramlad.co.jp/?pid=160964809

「ブレンデッドモルトは安定して美味しいモノが多いですし、色合いからも期待値が上がりますね。1年1000円、現在の市場から見て価格に納得感があるのも消費者側の視点で嬉しいです。まさに伝統を重んじつつ、新しいものを発信するというリリースですが、今後については他にどのような予定がありますか?」

「今回リリースしたボトルを選んだ時点で、既に複数のサンプルを選定しており、今後はTHE ONE DRAM SELECTIONだけでなく、THE AGE OF INNOCENCEも年内いくつかリリースしていく予定です。前者についてはドラムラッドのブランドを確立しつつ、後者のほうでは、市場に新しい風を吹き込めるような、新鮮かつ意欲的なリリースにもトライしていきます。」

「ジャパニーズのリリース、クラフトとのタイアップは如何でしょうか。自分はグレンマッスルという取り組みに関わってますが、大手以外にクラフトも可能性を秘めたジャンルだと思っています。」

「我々は原酒を調達してからが始まりですから、クラフトメーカーはまだ早いかもしれません。しかし保有する原酒に光るものがあれば、それこそ我々のリリースの方向性に見合うものです。国内からの調達も進めていきたいですね。」(後略)

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■ドラムラッドのリリースに期待したいこと
という感じでやりとりをさせて頂きました。この他にも色々情報交換をさせていただきましたが、これまで培ったノウハウを活かしてやっていくぞ!という気概と意気込みを感じる、此方も前向きになるような時間でした。

かつて今ほどウイスキー市場が大きくなかった頃、PBはごく一部の、特別な組織や著名人でないと実施できない高いハードルがありました。
一方現在は、多くの酒販、BARでボトラーズ経由のPBが当たり前となり、PBが市場に溢れた結果、ただオリジナルリリースを出すだけでは注目されない時代になっています。

ラベル、人、ウイスキー以外の部分に付加価値を見出す方法も見られる中、T&TやWhisky hoopなど、王道の戦略を取り続けるプライベーターも少なからず居ます。
その中でドラムラッドの取り組みは、王道にしてある種の原点回帰とも言えるブランド戦略です。これは今後もリリースを続けていくんだ、これでやっていくんだという覚悟がなければとれない戦略でもあります。

何が正しいという話ではありませんが、日本にこうしたボトラーズメーカーが誕生したことが、非常に嬉しく思います。
これから先のウイスキー市場でも、原点回帰にして王道の戦略で、きらりと光る個性や、完成度のあるウイスキーのリリースが3種のブランドから続いていくことを願って、本記事の結びとします。
伊志嶺さん、ドラムラッドの立ち上げ、そしてファーストリリースおめでとうございます!

Dramrad

※補足:DRAMLADの意味とロゴについて
DRAMLADとは、1杯のウイスキー(A Dram of Whisky)の「Dram」と、スコットランドで男性が「古い親友、気の置けない親友」に対して使う「LAD」を組み合わせたもので、「ウイスキーを楽しむ人」を表している。また、そこから派生して「ウイスキーを共に楽しむ仲間」という意味も込められている。
ロゴは、日本の水引「梅結び」とウイスキーの聖地スコットランドのケルティック文様の融合です。「梅結び」は、その結び目から「絆」や「固く結ばれた」という意味を持ち、また、梅の花が春に先駆けて咲くことから「運気向上」の意味も持っており、縁起の良い結び目として古くから親しまれてきた。そして、ケルティック文様との融合は、DRAMLADがウイスキーのプライベートブランド・カンパニーであることを表現している。

【ショップ紹介】リカーマウンテン 銀座777 に行って来た

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今、赤坂〜東京駅間のリカーショップがアツい! 
大小様々なショップがあり、品揃えのよさもさることながら、独自の並行輸入やオリジナルボトル、チョイ古い掘り出し物、各種試飲サービス、そして知見豊富なスタッフと、ネット通販は手軽で良いけどたまには足で探してみるのも悪くない。そう思わせてくれる様々なショップが一定距離の間で営業しているのです。

実は当ブログ、"ウイスキーショップ"カテゴリーがメニューにあるのですが、板橋のM'sさんを記事にして以来特段使っておらず。。。ちょうど良いのでこのエリアのリカーショップをまとめて記事にしていこうと思います。 
その一発目は、先月1月11日、銀座7丁目7番地7号にオープンしたリカーマウンテン銀座777。リカマンさんについては今更なので割愛しますが、ここはもうハードリカー愛好家のためにあるようなショップです。


リカーマウンテン 銀座777
〒104-0061 中央区銀座7丁目7番7号
営業時間:平日 午前11時~翌午前4時※
土曜 午前11時~午後10時※
日・祝 午前11時~午後 8時
※有料試飲受付は開店から午後9時まで
https://likaman.co.jp/special/ginza777/

開店当日は仕事でいけなかったのですが、翌日、仕事終わりに顔を出してみたところそのラインナップは圧巻の一言。
日本国内に流通するスコッチモルト、ブレンデッドウイスキーのオフィシャルボトルを中心に、現地ボトルの並行品、ボトラーズや自社ブランドに加え、バーボン、各種リキュールなどが一面にズラリ。
店舗に入る前、外観からは「案外こぢんまりとしてるな」なんて思ったのですが、中は別世界。単純な物量はエリアトップと言って間違いありません。 

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ただまあいうても品揃えだけなら、別にWEBショップでもかまわないわけですが、銀座777のすごいところはそれらウイスキー全体の8~9割は試飲可能というサービスにあります。 
対象となっているボトルは、ネック部分にタグが貼られていますので、ボトルを持ってレジに行き、その価格を支払えば10mlの試飲が可能というもの。開封されてないボトルでも、対象ならその場で開封して注いでくれます。
気になる銘柄を試飲しながら、次に購入するボトルを選ぶことが出来る。また、我々のようなコアな愛好家はついついスタンダードクラスを後回しにしてしまいがちですが、買い物ついでに比較テイスティングなども。。。
まさに実店舗だからこそ、という取り組みと言えます。

ここまでの環境の中に居て、据え膳食わぬはなんとやら、この日は午後9時の受付終了時間いっぱいまで1時間弱、気になるボトルを試飲させてもらいました。

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リカーマウンテンのオリジナルボトルであるY's CASK。グレンファークラス2005は度数の高さと酒質からくるハイトーンな味わいながら、とろりとしたシェリー樽由来の甘みが余韻にかけて感じられる。KAVALANは樽由来の濃厚な甘みとフルーティーさでらしい味わい。


メーカーズマーク・プライベートセレクト。後熟用の樽の中に複数種類の木材の束(インナーステイヴ)を入れて味に違いを出す。このメーカーズマークはリカマンオリジナルのレシピで、濃厚でリッチな甘みからウッディでスパイシーな余韻へと繋がる。


試飲の合間に食べられるおつまみまで準備されている。お値段は100円、試飲の注文と合わせてレジで伝えると左の小皿に取り分けて貰える。

ウイスキー以外では、ジンの品揃えと試飲が豊富なのも特徴。自分はあまりジンは詳しくないのですが、その他酒販専門店で見かける銘柄以上の品揃え。イベント以外でこれだけの規模というのは、ちょっと経験ないですね。
また、銀座の"夜の街"真っ只中にあることもあって、ワイン、ビール、日本酒、各種リキュールなども需要に合わせたラインナップとなっています。
こちらは通常試飲対応していませんが、ついでにと、酔って財布の紐が緩まないように注意が必要です(笑)。


スタッフの対応は開店直後とあって、まだぎこちなさを多少感じたものの、そこは慣れでどうとでもなる話。それ以上に、明るく、そしてよく勉強もされているようです。
「このボトル、在庫ないんですか?」というリクエストに、「近所の別店舗にあるんで5分待って頂ければすぐ取って来ます!」と走っていかれた姿は印象的でした。
また当たり前の話、お酒は飲ないと味がわからないわけで、専門店のスタッフともなるとBARやイベントなどに通いながら勉強するという姿も珍しくありません。
銀座777では上記の通り膨大な試飲環境があり、日頃の勉強に加え、販売品を実際に飲んで、自分で感じた感想をベースに販売できるのは大きなアドバンテージだと思います。(試飲代は自腹らしいですがw)

この他、一部ボトルは50mlの量り売りが行われたり、毎月7のつく日はイベントデーとして、「ウイスキーくじ」の発売や、注目銘柄の試飲等が行われるなど、定期的に店舗に来る楽しみがあるのも魅力。
量り売りは関西の方では比較的メジャーなようですが、こちらはあまり実施店舗がなく嬉しい試みです。


以上、リカマン銀座777は、特にウイスキー好きには堪らない"体験型"のお店で、純粋に買い物にも、近隣BAR等に飲みに行く前のちょっとした予習としても、是非オススメしたい店舗です。

他方1点懸念事項が、それはお客である我々のマナーです。
こちらの店舗で提供しているのはあくまで試飲、立ち飲み屋ではありません。
聞くところ、そのように使われるお客さんはいらっしゃっていないということですが、使われ方次第ではシステムの制限や変更に繋がりかねない懸念があること。酔って大声で騒ぐ、酔いつぶれる、そういう立ち振る舞いも同様です。
立地上、様々な方が来られる場所だけに、節度を持って、ショッピングを楽しみたいですね。

(補足:本記事の写真は許可を頂いて撮影、掲載しております。)

M’s Tasting Room に行ってみた

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7月15日、ウイスキーアドバイザーの吉村宗之さんが、板橋にリカーショップM’s Tasting Room(エムズ テイスティングルーム)をオープンされました。
スコッチモルト販売(Saketry)とのタイアップショップとのことですが、通常販売だけでなく試飲や原酒の量り売りもあるなど中々面白そう。何より吉村さんが直接接客されているとのことで、こりゃ挨拶の一つもせにゃいかんと、早速顔を出してみました。

吉村さんについては、もはやこのブログを読まれている方には説明不要とは思います。Whisky World誌でメインテイスターを務め、Saketry(サケトライ)やバーチャルテイスティング、酒育の会等各種イベントでも活躍中の所謂プロのウイスキーテイスター。
愛好家の方々がBARを開かれることは普通にある話ですが、プロと言える立場の方が酒屋のオープンに関わるのは初めてではないでしょうか。


お店の場所はJR板橋駅から徒歩5分ほど。
外観はちょっとしたカフェのようで、思わずコーヒーでも頼みたくなるような小洒落た店構え。(実際間違えて入店される方もいらっしゃるのだとか。)
入ってみると、小さいながら中々濃い品ぞろえで、ウイスキーはオフィシャルからボトラーズまで幅広く揃っており、他にはビールやラム等も扱いがあります。
基本的にはSaketryの現地ショップなのですが、WEBサイトと商品ラインナップは分けている(実店舗でなければ購入できないモノもある)のと、先にも記載したように実際に試飲しながら選べるのが大きなメリットです。
 

 

試飲の価格は無料〜300円ほどとリーズナブル。時折スペシャルなボトルも試飲が出るようです。
せっかくなので何か試そうかなと物色していると、そういえばコレ飲んだ?と出てきたのは、城アラキの漫画「カクテル」とのコラボボトル。レダイグ7年とリンクウッド18年。
あ、これ試飲あるんですね、もちろん頂きます。

レダイグはバーボンバレルによる熟成のためか、ねっとりとした口当たりからクレゾールなどの消毒臭と土っぽいピートフレーバーが広がる、らしさのある個性的な味わい。中々よくまとまっているボトルだと思います。
対してリンクウッドは中性的で柔らかく、あまり個性が主張しないまったりとした味わい。いかにも最近のリンクウッドという感じです。
 
 
試飲の中では、ウイスキーに疑似的なフィニッシュが可能な、ウイスキーエレメントの実演販売があったのも面白かったです。
中身はラガヴーリンとも言われる若いアイラモルト"燻酒"に、ウイスキーエレメントを漬け込み、その違いを体験できるというもの。
厳密に言うとウイスキーエレメントは熟成ではないのですが、ベースのウイスキーが強い酒質であるため、ウッディーなフレーバーに負けずいい感じにまとまっていました。こういう売り方って、大手ショップとは違う工夫でいいですよね。

 
冒頭紹介したウイスキーの量り売りについては、オープン直後のため原酒が届いておらず準備中でした。
今後は原酒が入荷次第、販売を開始するとのこと。量り売り用の小瓶は準備されており、後は原酒だけという感じですが、入荷状況や熟成状況は事前に確認された方が良さそうです。

M's Tasting Roomは平日14時~19時と営業時間が短いため、どちらかと言うとBAR等飲食店を経営されている方向けの店舗と言えるかもしれませんが、伺ってみるとウイスキーフェスのブースがそこにあるような、そんな感覚で愛好家が楽しめるショップでした。
今後はセミナーを開催したり、店舗を拡張する考えもある模様。時間が合うウイスキーラバーの方々は、是非訪問してみてください。


LIQUOR SHOP 「M's Tasting Room」
東京都板橋区板橋1-8-4-1F
Phone / 03-5944-1033
Open / 月~金 14:00-19:00
Close / 土・日・祝
ご参考:http://www.saketry.com/?sl=ja(スコッチモルト販売 SAKETRY)

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