グレンエルギン 32年 1971-2003 リミテッドエディション 42.3%
GLEN ELGIN
32 YEARS OLD
POT STILL MALT WHISKY
Distilled 1971
Bottled 2003
700ml 42.3%
グラス:国際規格テイスティング
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)
香り:華やかでフルーティー、熟成を感じさせる角の取れたオーク。蜂蜜レモン、あるいは林檎のコンポートのしなやかな甘みと酸。ナッツ、乾いた麦芽、徐々に淡いスモーキーさも伴う。
味:香り同様のフルーティーさで、林檎の蜜や熟した洋梨、しっとりとしたオーク由来の甘味と適度なウッディさが広がる。口当たりは柔らかいが、ボディ感は程よく備わっていて、奥には麦芽風味とピートフレーバー。
余韻は軽やかにドライ、華やかさと淡いスモーキーさが染み込むように残る。
リフィルのオーク樽系統のフレーバー主体で、エステリーさも伴うフルーティーなモルト。ただの度数落ちという感じではなく、香味とも柔らかくボディもそれなりで、枯れた感じは強くない。むしろ穏やかな麦芽風味と微かなピートフレーバーが長い熟成期間を経て混じりあい、オールドスペイサイドらしさを形成している。手入れは不要、ストレートで。
ディアジオがモルトウイスキーのブランド価値向上を狙って、2000年代前半に所有する銘柄の中からリリースした、現在のスペシャルリリースのはしりと言えるリミテッドエディション。1970年代という黄金時代の余力を残す蒸留時期と適度な熟成年数、そしてディアジオらしい酒質を活かす樽使いとバッティングで、この時期のものは出来の良いボトルが多いです。
このボトルをスペックだけで見ると、度数落ちでドライな刺激と線の細い枯れた味わいを予感させますが、実際は甘味と口のなかで膨らむ酒質のボディを適度に残しており、長期熟成で低度数ながらバランスのいい仕上がりです。
樽はサードフィルくらいのアメリカンオークのシェリーバットや、リフィルのホグスヘッド等のバッティングと推察。ファーストフィルのように過度な主張がないだけでなく、一方で加水で仕上げたような中盤以降のフレーバーが潰れたような構成ではないので、度数は自然に下がったが元の酒質が厚いことが、削りしろとして作用した結果ではないかと推察します。
かつてのグレンエルギンはワームタブによる古典的な作りもあって、麦芽風味に厚みのある味わいが特徴でした。手に入りやすいところでは、1990年代に流通していたホワイトホース表記のグレンエルギンを飲むと、それがわかりやすいと思います。
なお、現代のグレンエルギンは酒質が軽くなっただけでなく、ノンピート仕様にも切り替わっていて、1980年代以前時の仕込みのものとはキャラクターが異なります。
いつから切り替わったかは不明。ただ1992年に蒸留所の改装工事が行われており、その辺りからなら時系列的には違和感ありません。
いずれにせよこのボトルに感じられる古典的なフレーバーを構成しているのは当時のピート、そして適度に厚みを残した酒質。突き抜けないが、いぶし銀な存在感があるエルギンらしい1本です。
メーカー表記は中濃とあるが、飲んだ印象はしっかり濃いめで、ブラックチェリーやプルーンのような甘味とほのかに梅干、じわじわタンニン、湿った落ち葉と若干鰹節っぽさに通じる熟成香。経年を経て果実味を残しつつも、まとまった味わい。
新しいヴィンテージだと、酸味にもう少し勢いがあり、タンニンもしっかり主張する感じではないだろうか。何れにせよ、イタリアらしく気軽に楽しめるワイン。
イタリア、アブルッツォのデイリークラスワイン。コスパの良さが魅力と評判で、国内でも広く販売されています。
そして個人的にこれは"やってしまったワイン"。何がというと、通常品は750mlで販売されているところ、このボトルがダブルマグナムサイズ(3000ml)だったため。
シャンパンならわかりますが、よもや赤ワインでこのサイズがあるとは。。。購入はヤフオクで3本セット2000円弱。通常サイズのボトルを買ったと思っていたので、届いたボトルを見て驚愕。。。まさかの3リットル3本。
酒3本にしては過剰な大きさのダンボールとその中身は、なかなか衝撃的な光景でした。
ただし味は問題なかったので、会社の飲み会等でありがたく使わせて貰った次第です。