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オールドプルトニー 18年 1997-2015 ロイヤルマイル 55.7% ブラインドテイスティング

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OLD PULTENEY
Aged 18 Years
Distilled 1997
Bottled 2015
Cask type Bourbon barrel #774
For Royal Mile Whiskies
700ml 55.7%

【ブラインドテイスティング】
分類:シングルカスク、スコッチモルト
地域:ハイランド
熟成年数:20-25年
蒸留時期:1980年代
度数:55%程度
樽:リフィルホグスヘッド
蒸留所:クライヌリッシュ

グラス:創吉テイスティング
量:50ml
場所:自宅
時期:比較的直近に開封
暫定評価:★★★★★★★(6-7)

香り:バニラを思わせる甘くフルーティーなオーク香。洋梨、りんごのコンポート、奥には粘土のような土っぽいアロマもある。くどさのない樽感に加えて時間経過で麦芽香、かすかな植物感もある。

味:なめらかでオイリーな口当たりからフルーティーなオーク香、リンゴ、ドライパイナップル。ボディはしっかりしており、ほのかに乾いた木のえぐみとねっとりとした粥やバニラを思わせる麦芽の芯の部分の甘みが開いていく。余韻はオーキーで華やか、ほのかな塩気を伴って長く続く。


ウイスキーショップ、ロイヤルマイル向けに展開されたオフィシャルのオールドプルトニー。日本には当然未入荷で、ロイヤルマイルから直接購入するしかなかったボトル。先日、ウイスキー仲間のマッスルKさんから余市ピーティー&ソルティを頂いた際、併せて頂いたブラインドサンプルがこのボトルでした。
頂いたときも感動しましたが、正解発表を聞いて改めて感謝の涙が止まりません。三連休は実家の仙台に帰っていたので落ち着いてテイスティングできず、結局次の週末になってしまいましたが、じっくり堪能させていただきました。

最初はSK2で飲んだところ、体調もあったのかあまり香りが立たず、奥のほうから品の良いフルーティーさが上がってくる程度で、なんじゃこりゃ、ハイプルーフのローランドかなんかか?と感じてしまったのですが、後日グラスを変えて創吉テイスティンググラスで飲んだところ、オイリーな口当たりで非常にしっかりとしたフルーティーさ、嫌味の無い樽感、そして味の中間から広がるバニラを思わせる麦芽風味と土っぽいフレーバーが広がって、いやいやこりゃ旨いボトルだぞと。

予想の経緯ですが、この手のフレーバーはハイランドの王道的なスタイルの一つという印象で、全体的にウッディーな刺激が少ない綺麗な熟成感から、使われた樽は小さい樽ではなく一回り大きなリフィルバーボンホグスヘッドあたりかなと。
蒸留時期は1980年代か1990年代か悩みましたが、バリバリに硬いボトルが多い1990年代とは思えず1980年代の蒸留。フルーティーさにオイリーな麦芽風味、そしてそれに混じって感じる微かな塩気から、どこかしらのボトラーリリースのクライヌリッシュを予想していました。

ロイヤルマイルのWEBページを見ると、今回のボトルはバーボンバレル熟成の18年モノという記載があり、系統は間違ってなかったのですが、蒸留所と蒸留時期は残念ながらボッシュート。地域は同じ北ハイランドなのでギリギリセーフか。
ボトラーズというよりはオフィシャルの21年等を構成する樽の系統で、蒸留所限定のバリンチでもこういうボトルがあって「プルトニーうめぇ!」となった記憶も思い出したところ。
1980年代蒸留としたあたりで、プルトニーは完全に頭から消えていますが、冷静に考えると候補に入ってしかるべきという構成でした。
ロイヤルマイルのスタッフが「スタッフのクリスマスリストのトップ」としたのも頷ける味わいです。

オールドプルトニー 1997年蒸留 2015年ボトリング モダンモルトウイスキー向け

カテゴリ:

OLD PULTENEY 
Modan Malt Whisky Market 
Distilled 1997 
Bottled 2015 
Cask No, 1641 (1st fill Bourbon barrel)
700ml 54.8% 
評価:★★★★★★(6) 

香り:パワフルでドライな香り立ち。ツンとしたセメダインなど溶剤を思わせる鋭いエッジの刺激、乾いた麦芽香、レモンピール、岩塩、ほのかにピートフレーバー。刺激的だが若くてボディの薄い香りではなく、厚みのあるフルボディなアロマ。

味:口当たりは厚みがあって香り同様にパワフル。ややオイリーだが後半はスパイシーな刺激も感じる。ほろ苦い麦芽風味からバニラ、スポンジケーキ、少量のドライパイナップル等のドライフルーツ、徐々に塩気。乾いた木のえぐみ、溶剤、スパイシーでほろ苦い余韻。


三陽物産主催のウイスキーイベント、モダンモルトウイスキーマーケット向けにボトリングされたシングルカスクのカスクストレングスです。日本では珍しいリリースですが、三陽物産がオールドプルトニーの正規輸入元であることもあり、イベント開催に向けてボトリングできたようです。
個人的にプルトニーの個性はハイプルーフでこそ輝くと思っているので、このボトルのリリースにはテンションあがりましたね。以前からドイツ等海外向けとしてはシングルカスクが定期的に販売されており、日本としては"ようやく"といった感じが強いです。
それまでオフィシャルボトルでハイプルーフのプルトニーを飲もうと思ったら、海外から購入するか、現地で車を走らせて蒸留所で限定品のバリンチボトルを購入するかしかなかったのですから。

オールドプルトニーはハイランド最北地域に位置する蒸留所。蒸留周辺にはこれといったウイスキースポットが無く、今でこそウルフバーン蒸留所ができたものの、その他は70km離れたクライヌリッシュか海を渡った先のオークニー。アイラ方面とも離れているため、限られた時間の中で多くの蒸留所を回りたい日本からの旅行の場合、蒸留所が密集しているハイランド、スペイサイドとは異なりコースに組み込みにくいことでも知られています。

飲んでみるとハイプルーフなプルトニーらしいセメダインや溶剤を連想させるようなツンとしたアロマと麦芽風味、エッジ鋭く塩っぽい刺激も強く、あまりオーク由来のフルーティーさは感じないタイプです。
少量加水すると刺激的な部分が整地されてオイリーで滑らかな口当たりから、ほろ苦くドライな余韻へ繋がります。ファーストフィルバーボンとのことですが、セカンドフィルやバーボンホグスヘッドあたりに思えるほどです。
個人的にはそうした蒸留所の個性は評価できるものの、もう少しフルーティーだと好みなんですけどね。三陽物産さんには今回に限らず、こうしたリミテッドエディションの日本への引きを強くしてほしいです。

余談ですが、プルトニーのオフィシャルラインナップ、12年、17年、21年について値上げの話が出ているとのこと。店舗によりけりですが、12年4400円(3500円前後)、17年11000円(8500円前後)、21年15900円(12500円前後)あたりとなるようです。※()はこれまでの価格。
お好きな方は早めの購入をご検討ください、ですね。

このボトルはTWDでYさんからいただきました。いつもありがとうございます!

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