カテゴリ:


HEDGES & BUTLER
Royal scotch whisky
21 Years old
Imperial deluxe blend 
1980's
750ml 43%
構成原酒:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:華やかで甘酸っぱい、ドライアプリコットや林檎、少量のレーズンを思わせる熟成したモルトのフルーティーさ。バニラウェハース、ウッディーな渋み、微かにホコリっぽいオールド系の古酒感。
フルーティーさが中心となるアロマだが、しっとりと落ち着いた香り立ちで勢いよく開く印象はない、その奥にはグレーンのカスタードのような甘みもある。

味:スムーズで穏やか、香り同様にフルーティーな口当たりで、ボディはミドルよりはライト寄り。
麦芽風味に林檎、白葡萄の華やかなフルーティーさ、薄めた蜂蜜。そこからすぐに後半の果実の皮を思わせるビターなウッディネスへと変化。
フィニッシュはドライでウッディー、口の中に染みこむようなタンニンと、鼻に抜ける華やかな熟成香を伴う長く続く余韻。

オールドにしては珍しくピートはほとんど感じない中で、樽材由来の苦味を強く感じるブレンド。 ボディが軽いためか少しちぐはぐな印象もありますが、流通時期から逆算すると原酒は1960年代蒸留確定で、全盛期の片鱗を感じる味わいでもあります。

味は一見すると華やかでスペイサイドを連想しますが、当時のスペイサイドより軽やかなボディ等から、ローランドモルトも使われているかなという印象です。
ストレート以外の飲み方はロックはそれ程でもなく、ハイボールは爽やかなゴクゴク系。 このボトルに関してはオフフレーバーが香りに混じる部分もありましたが、スワリングしながらじっくり飲んでいくと軽減されていくため、今後の変化が楽しみです。


ヘッジス&バトラーはスコッチウイスキーの中でも特に長い歴史を持つ銘柄ですが、他の老舗ブレンド銘柄とは異なり自社蒸留所を持っていないためか、原酒構成には諸説あり、これという軸がないのも特徴です。

操業時からカウントするとキングジョージ2世に「おう、ちょっとウイスキー造れや」と言われた1667年から実に約350年間もの間、ヘッジス&バトラーという社名並びに銘柄が存在している。これは最古の蒸留所を名乗るグレンタレット(1775〜)よりも古く、英国王室献上はもとより、1905年には明治天皇にまで献上された歴史も由緒もある銘柄です。
だからこそ「ヘッジス&バトラー」の銘柄に魅力があり、時代時代で姿を変えながら現代まで残ってきたのでしょう。

使用原酒はリトルミル説から、一時期ヘッジス&バトラーを銘打ってリリースのあったクライヌリッシュやグレンダランという説、そして最近はグレンゴイン。ころころと変化があります。
この21年は上述の通りフレーバーに軽さがあって華やかでピートも軽めでほとんど感じない、あまりローランド系のクセはありませんが、リトルミルと言われると納得の味わいでもあります。