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厚岸蒸溜所 処暑

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AKKESHI 
SHOSHO 
Blended Whisky 
A Fusion of the World Whiskies 
Bottled 2021 
700ml 48% 

評価:★★★★★(5-6)

香り:フレッシュな主張のあるピーティーさ、香ばしいモルト由来のアロマの中に、シェリー樽を思わせる黒糖系の甘みとウッディネスがアクセントとなって感じられる。微かに酸や赤系の要素があり、使われた樽の個性を香りから推察できる。若さの中に複数の樽感、複雑さのあるアロマ。

味: 香りと異なり、味わいは麦芽由来の厚みのある甘みがスモーキーフレーバーを伴って広がる。合わせてオーク由来のバニラやシェリー樽のキャラメルが、塩気と若い原酒の酸味を伴う。
麦芽風味とピートフレーバーを軸に、いくつかの樽の要素を感じられる。余韻は軽くスパイシーでほろ苦く、ほのかに椎茸っぽさを伴うウッディネスが、じんわりと口内に刺激を伴って長く続く。

原酒の熟成年数は3~4年。スモーキーフレーバーはミディアムで20PPM程度。ブレンド比率はモルト6:グレーン4あたりのモルティーな構成と思われる。モルトはバーボン樽熟成のピーテッド原酒とノンピート原酒を軸に、シェリー樽、ワイン樽原酒を繋ぎとして加えたレシピと予想。前作までのブレンドに比べてバランスがとれているだけでなく、ピーティーなフレーバーの中にハウススタイルと言えるコクのある甘みや香ばしさが楽しめる。

オススメの飲み方としてはハイボール。ロックのように温度が変化していくレシピよりは、冷やすなら冷やす、炭酸も強めをきっちり加えて仕上げたほうが伸びる印象。ウイスキーとしてだけでなく、蒸留所全体の成長を感じる1本である。

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8月下旬にリリースされた、厚岸蒸留所ウイスキー・厚岸24節気シリーズの第4弾。まさに「処暑の候」と北国からの便り(ボトル)を運んできたのか、東京も急に涼しくなって、あー夏が終わるなぁとセンチな気持ちになりながらテイスティングしています。

厚岸蒸留所は、シングルモルトとブレンドを交互にリリースするスタイルで、ブレンドとしては第2弾、3月にリリースされた「雨水」の次と言うことになります。
双方に共通する厚岸蒸留所のこだわりは、可能な限り自家製の原酒を用いるということ。連続式蒸留器を持たない厚岸蒸留所はグレーン原酒を作れませんが(ポットスチルでもやれますが、現実的ではない)、スピリッツで海外からグレーンを輸入し、それを厚岸蒸留所で3年以上熟成させたグレーンを使っています。

その為、ラベルの「A Fusion of the World Whiskies」表記は厚岸熟成グレーンに由来しているもので、4月に施行されたジャパニーズウイスキーの基準を鑑み、本リリースから追記されたものと考えられます。
ちなみに一般的にクラフト蒸留所でブレンデッドウイスキーを作る場合は、熟成したグレーンをバルクとして輸入して活用しています。さながらプロ野球で言うところの「助っ人」。ですが厚岸蒸留所の通常リリースは、あえてそれをせず、自前で原酒を育てるところにこだわりがあります。

これまでの記事でも度々触れていますが、こうした取り組みの先には、同蒸留所の目指すウイスキー、厚岸オールスターがあるものと思われます。モルトウイスキーは麦芽、ピート、どちらも厚岸で調達してモルティングし、蒸留は勿論、厚岸で採れた木材を使った樽で熟成させる。
既にモルティング設備については建設中で、ピートも試験的な採掘が行われている訳ですが、
その次はグレーンも北海道産のトウモロコシや小麦を用いて自社で製造し、まさにオール北海道産、オール厚岸産のブレンドウイスキーを目指しているのではないかと。そしてそのマイルストーンとして、可能な限り厚岸産をそろえてブレンドを作っているのではないかと予想してしまうのです。

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さて、この厚岸「処暑」ですが、厚岸ウイスキーの前作・芒種ではっきりと感じられた特徴である麦芽のコクのある甘み、風味の柔らかさが、今回のブレンドでも感じられます。
このフレーバーは、元々厚岸蒸留所の個性として紹介されており、私自身もいくつかのサンプルで共通するニュアンスを感じたことはありました。ですが、過去リリースされた商品からは、まだ原酒が若すぎたことや樽感の強さで、感じにくくなっていた部分もあったと言えます。

今作では、まず上述の厚岸熟成グレーンの熟成年数が約1年程度伸びたことで、全体のバランスが向上したというのが一つ。
レシピとしては、前作「芒種」がバーボン樽熟成の原酒の個性を前面に出したものであったところ。同様にバーボン樽熟成のキャラクターを中心に、アクセントとしてシェリー樽、ワイン樽熟成原酒を用いていることから、バランスの向上と共に、酒質由来の風味が隠されることなく感じられるという点が最大の特徴だと感じられました。

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(今年リリースされた雨水と処暑を飲み比べ。右が雨水、左が処暑。)

その違いは雨水と飲み比べることで顕著に感じられます。どちらのブレンドも、バーボン樽、シェリー樽、ワイン樽で熟成された原酒を主に使っており、グレーンも同じものが使われています。ピートフレーバーもまた、やはり同じくらいの強さだと感じます。
大きな違いは、先に触れた通りグレーンの熟成と、雨水はシェリー樽やワイン樽が主な香味の一つとして前面に出ているのに対し、処暑は香味の繋ぎ、抑えめにしているという点。色合いを見ても、樽の比率の違いが一目瞭然です。

雨水の樽構成を予想すると、おそらく3種ともほぼ同じくらいの量が使われていると思われます。他方で、処暑についてはグレーン、シェリー、ワインで6:2:2、あるいは7:2:1くらいの比率ではないかと予想。樽由来のフレーバーが強い雨水はロックで、処暑はハイボールが合うという傾向もあります。
どちらも若いなりに、蒸溜所の個性、目指すところ、そしてブレンダーの工夫を感じられる仕上がりですが、あえて優劣をつけるなら、処暑のほうがレベルが上がっているようにも感じられるのです

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厚岸蒸溜所のウイスキーは日本のみならず世界的に注目されており、リリースされるたびに入手困難となる状況です。ただし中身については原酒の制限から蒸溜所同様にまだ発展途上であり、そのため24節気シリーズもリリース毎に完成度が上がり、美味しくなってきています。

禾乃登(こくものすなわちみのる)。
9月2日~9月6日ごろ、まさに今。24節気の処暑の後半に該当する季節です。
裏ラベルに書かれている通り、北海道の大麦が収穫のときを迎えており、すなわちそれは厚岸蒸留所で現在仕込みが行われている、北海道産麦芽によるウイスキーへと繋がります。
閉鎖蒸留所とは異なり、次がある。そしてそれは蒸留所の目指す未来の形から、香味は粗削りでも、ワクワクさせてくれるものです。購入できなかった方も、まずはBARや小分けで販売しているショップを活用しつつ、その次を楽しみに待っていくのが良いのではないかと思います。

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※2021年の厚岸産大麦の収穫風景(左)と、採掘中の厚岸町内のピート(右)。将来の厚岸ウイスキーがどうなるのか、様々な取り組みの結びつく先に期待したい。写真引用:県展実業株式会社 厚岸蒸溜所 Facebook https://www.facebook.com/akkeshi.distillery

厚岸 シングルモルトウイスキー 芒種 55% 2021年リリース

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THE AKKESHI 
"BOSHU" 
Single Malt Japanese Whisky 
9th. season in the 24"sekki" 
Bottled 2021 
700ml 55% 

評価:★★★★★★(6)(!!)

香り:トップノートはシリアルや乾煎りした麦芽の香ばしさと、焦げた木材、燻製を思わせるスモーキーさ。レモンピール、和柑橘、乳酸系のニューポッティーな要素も多少あるが、嫌な若さは少ない。オーク樽由来の甘いアロマと混ざって、穏やかに香る。

味:クリーミーで粘性があり、度数を感じさせない柔らかい口当たり。フレーバーの厚み、原料由来の要素の濃さが特徴として感じられる。ピーティーで柑橘の皮やグレープフルーツを思わせるほろ苦さと酸味、麦芽の甘みや香ばしさ、鼻孔に抜けるピートスモーク。オークフレーバーはそこまで目立たず、バランスよく仕上がっている。
余韻は塩味を伴うピーティーさ。軽い刺激を舌の奥に残し、若い原酒にありがちなくどさ、未熟感を感じさせず、麦芽由来の甘みと共にすっきりと消えていく。

これぞ厚岸モルトと言う個性を堪能できる1本。若い原酒の嫌味な要素が極めて少なく、それでいて原料由来の好ましい要素は厚く、濃く残している。コクと甘みのある麦芽風味と、そこに溶け込むスモーキーフレーバー。丁寧な仕事を思わせる作りであり、樽感もバーボン樽由来のオークフレーバーが主張しすぎない自然な仕上がり。磨けば光る”原石”というよりは、若くして光り輝く”神童”と例えるべきだろう。
4年程度と短熟でありながら、ストレートでも抵抗なく飲み続けられるが、少量加水すると若さがさらに目立たなくなり、原料由来の甘み、香ばしさ、フルーティーさが、ピートフレーバーと混ざりあっていく。ハイボールも良好。アイラ要素が無いので厳密には違うが、かつてのヤング・アードベッグを彷彿とさせる仕上がりで、漠然とした期待が確信に変わる1本。現時点で★7をつけようか真剣に悩んだ。

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「これだよ、こういうのだよ!」
一口飲んで、思わず口に出してしまうくらいにテンションが上がった1本が、5月28日に発売となった厚岸蒸溜所 24節気シリーズの第3弾、芒種(ぼうしゅ)です。
これまで厚岸蒸溜所からリリースされてきた3年以上熟成品は、バーボン樽だけでなくシェリー樽、ワイン樽、ミズナラ樽と様々な樽で熟成された原酒をバッティングすることで構成された、複雑な味わいが特徴。若さを気にせず飲める反面、厚岸蒸溜所の作り出す酒質そのもののポテンシャル、特に今回のリリースで感じられる”コクと甘みのある麦芽風味”は、感じ取りにくくもなっていました。

今回のリリースは一転して、バーボン樽(リフィルやホグスヘッド含む)が主体と思われる単一樽タイプの構成。ミズナラ等多少異なる樽も使われているかもしれませんが、9割がたアメリカンオークでしょう。原酒は3~4年熟成のノンピートとピーテッドのバッティングで、ピート系のほうが多めという印象で、香味ともしっかりピーティーですが主張は強すぎず、一部国産麦芽”りょうふう”で仕込んだ原酒も使っていると思われる、柔らかい甘みと柑橘系を思わせるフレーバーが全体の厚みに寄与しています。。
現時点で厚岸蒸溜所からシングルカスクのリリースは出ておらず、酒質の味わい、特徴を楽しみたいなら、「芒種」はまさにうってつけと言うわけです。

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近いリリースとしては、ニューボーンのNo,1やNo,2がありましたが、当時の原酒は今以上に若く、創業初期の原酒でもあったため、ハウススタイルは確立途中でした。
自分はニューメイクや3年前後熟成のカスクサンプルを飲む機会があったため、厚岸の酒質についてある程度理解し、この蒸溜所は凄いと確信を持っています。一方で、多くの愛好家はその点が未知数なまま、作り手のこだわり、立地条件、周囲の評価等、総合的な視点から、漠然とした期待を抱いていた部分もあるのではないかと思います。(これが悪いという話ではありません。)

今回のリリースは、先に触れたように、最も重要なファクターである酒質について焦点を当てて飲むことが出来るわけですが、それでいて若いから仕方ないだろと、開き直るような造りでもありません。これまでのリリースに見られる、少しでも良いものを、美味しいものをと言う作り手のこだわりが感じられつつ、酒質について漠然としていた部分が明確になる。厚岸蒸溜所の成長と凄さを、改めて感じて頂けるのではないかと思います。


とはいえ、一口に凄さといっても伝わりにくいかもしれませんので、一例を示すと、
厚岸蒸溜所ではウイスキー造りの仕込みで
・粉砕比率を常に均一化するため、徹底した管理を行う。(普通にやっていると、若干ぶれます)
・発酵の際に、麦芽の量に対して自分たちが目指す酒質に最適なお湯の量と温度を調べ、管理する。
蒸溜以外の行程にも重きを置き、毎年見直しながらウイスキー造りを行っているそうです。今後はここに、自社で精麦した北海道産の麦芽とピートが加わるなど、その拘りは原料にも及んでいくわけですが、丁寧な仕事の積み重ねが、原料由来の風味を引き出しているのだと感じています。

このように全ての香味には理由があり、ゼロから勝手に生まれるものではありません。ですが、理由があるといってもそれがわからないモノもあります。今回のリリースで言えば、味の中にある塩気、しょっぱさです。厚岸蒸溜所のリリースの中で、これだけ塩気を感じるのは初めてではないでしょうか。
厚岸蒸溜所は太平洋を望む高台にあり、潮風が強く届く場所にあります。海辺にある蒸溜所は、熟成途中に樽の呼吸で空気中の塩分が吸収され、味わいに塩気が混ざるという説はありますが、本当にそうなのかという点については疑問があり、実は明確な答えが出ていません。

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※蒸溜所から見下ろす冬の厚岸湾。蒸溜所まで届く潮風が、今回のウイスキーのフレーバーに繋がったのだろうか。画像引用:厚岸蒸溜所Facebookより。

外気には塩気を含む成分があるでしょう、ですがそれが普段空気の入れ替えをしないウェアハウスの中で、ほぼ密閉状態にある樽の中にまで香味に影響するほど入り込むのかということです。
例えば、スコットランドではグレンモーレンジ蒸溜所は海辺にありますが、香味に塩気が混じるとは聞いたことがありません。逆にフレーバーに塩気があると言われるタリスカーは、蒸溜所こそスカイ島の海辺にありますが、熟成場所は本土の集中熟成庫であり、おおよそ香味に影響を及ぼすほど樽の中に塩分が入り込む環境とは言い難いのです。

この疑問については、ピートに含まれるフレーバーが塩気に繋がっているのではないかという説を自分は支持しています。特にアイラ島のピートですね。一方で、厚岸蒸溜所のモルトに使われたピートは、スコットランド本土内陸産だと聞いているため、それだけ塩分を含んだものかはわかりません。やはり気候が影響しているのか…厚岸蒸溜所の将来は間違いないと思えるリリースでしたが、同時に新たな謎も抱いてしましました。
ですが、こうした要素があるからこそウイスキーは面白いし、ワクワクさせてくれるんですよね。

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※厚岸でのウイスキー用麦芽りょうふう栽培風景。画像引用:ウイスキー大麦 豊作願い種まき 厚岸の試験栽培 6ヘクタールに拡大:北海道新聞 どうしん電子版 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/543015

24節気において芒種は、”米や麦芽の種蒔き”に最適な時期という位置づけが裏ラベルにて触れられています。ピートフレーバーに含まれた土の香りと、酒質由来の麦芽の甘みは、まさにそうした景色をイメージさせるものであり。スモーキーさと爽やかな樽香は、夏が近づく今の時期にマッチしたリリースだと思います。それこそ月並みな表現ですが、愛好家という顔を赤くした蛍も寄ってくることでしょう。

前作「雨水」では、蒸溜所が目指す厚岸オールスターへのマイルストーンとして楽しみが増えたところですが、「芒種」では原酒や樽使いが限定されたことで見えてくる、ウイスキーそのもの将来の姿があります。3〜4年熟成の原酒でありながら、これだけのものに仕上がる酒質の良さ。後5年もしたらどれだけのものがリリースされるのか。。。今までのリリースで感じた以上に、厚岸蒸溜所の今後に期待せざるを得ないのです。

厚岸蒸留所 雨水

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THE AKKESHI 
”USUI” 
2nd. Season in the 24 Sekki 
Blended Whisky 
Bottled 2021 
700ml 48% 

評価:★★★★★(5)

香:甘くウッディな香り立ち。カカオ多めのチョコレートのようなビターなアロマに、若い原酒のクリアな酸も伴うフレッシュさ。梅ジャム、和柑橘の皮、シリアルの香ばしさと、焦げ感を伴うスモーキーフレーバーが穏やかに香る。もう少し熟成を経ると丸みを帯びて一体感も増していくのだろう。

味:粘性のある口当たりから、熟していない果実を思わせる酸味と、ワインやシェリー樽由来と思しきウッディなフレーバー。若さは多少あるが、グレーンと加水が全体のバランスを整えて、コクのある味わい。後半に樽のエキス由来の要素から若干の椎茸っぽさ、フィニッシュはビターで土っぽいピート。青さの残るウッディさと共に、原酒由来の酸味が染み込むように残る。

バランス仕様のブレンデッド。香味とも序盤はシェリー樽やワイン樽由来と思しきフレーバーから、奥にバーボンオーク由来のバニラの甘さ、グレーンのコク、ピートフレーバーと言う流れ。約4年熟成ということもあってストレートでは樽感や酒質に若さ、粗さも残る点は否めないが、少量追加加水することで軽減され、酒質の伸びも良い。ハイボール等の割った飲み方で食中酒にも向くなど、ブレンデッドらしい特性もしっかり備わっている。個人的にはロックがオススメ。
なおこのウイスキーは作り手の想い、こだわりと言う点で、情報量は他のクラフト銘柄以上のものがある。現実と将来の可能性、どちらに重きを置くかでこのウイスキーの見え方は変わるかもしれない。

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北海道・厚岸蒸留所から2021年2月28日リリースされた、24節気シリーズ第2弾、雨水(うすい)。同蒸留所としては、2019年にリリースされたニューボーンシリーズ第4弾に次ぐ、ブレンデッドウイスキーです。

構成原酒は厚岸蒸留所で蒸留・熟成したピーテッド、ノンピートモルト原酒に加え、グレーンは海外からニューメイクとして輸入したものを、厚岸蒸留所内で3年以上熟成して使用。ニューボーンと比較して、味に厚みが出ている一方、クラフトとして現時点で可能な限り”厚岸産のウイスキー”を作ったという1本でもあり、今後さらに理想へと近づいていく、そのマイルストーンであると言えます。
今回のレビューでは、このウイスキーの味と情報それぞれの側面から、ブレンドレシピの考察と、蒸溜所の目指す理想のウイスキーについてをまとめていきます。


■雨水ブレンドレシピ考察
第一印象は、シェリー樽とワイン樽。レビューの通り「ど」が付くほどではないのですが、比較的しっかりと双方の樽感が主張してきます。
ただ、それだけではなく、2つの主張を繋ぐ樽感の存在として、バーボン樽原酒が2つの樽感を慣らし、グレーンウイスキーの働きも口当たりの質感まで感じられます。ブレンド比率としてはモルトとグレーンで半々か、モルトがちょっと多い6:4くらいのクラシックな比率※に近い構成のようです。(※補足:現在、スコッチにおいてスタンダードなブレンド比率はモルト3:グレーン7であるとされているが、古くはモルトが60~70%使われていた。一部銘柄ではこれをクラシックブレンドと呼んでいる)

また、上述3つの樽以外に和的な柑橘感、甘酸っぱさを後押ししているような樽感の存在も微かにあることから、ミズナラ樽も隠し味として使われているのでしょう。モルトの樽構成比率はシェリー4:ワイン2:バーボン3:ミズナラ1とか、そんな感じでしょうか。
一方で、厚岸モルトとして愛好家に期待されるピートフレーバーは控えめで、昨年24節気シリーズ第一弾としてリリースされた「寒露」よりも穏やかにまとめられています。

ピートは百難隠す。ピートを強くすれば若さや未熟感も隠せてそれらしくまとまる一方で、その蒸溜所のベースとなる味わいも隠されてしまいます。どこに線を引いてどのような狙いを込めるのか、特にバランス型のブレンドを造る難しさでありますが、今回のブレンドではピートを穏やかに仕上げたことで、加水やハイボール等、ブレンデッドとして普段楽しまれる飲み方をした時の酒質の伸び、変化がわかりやすかったのはポイントです。

レシピでグレーンが半分くらいと書くと、ボディが薄いのではと感じる方が居るかもしれませんが、このブレンドはそんなことはなく。ハーフロックでも水に負けず、食事とも合わせやすくてよかったですね。食中酒としては和食、意外なところで焼き魚系のアテとも合うんじゃないかと思います。

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■厚岸蒸留所が目指すウイスキー造り

一方で、このウイスキーからは、香味以外に注目すべき情報があります。
それが冒頭述べた”理想へのマイルストーン”。良く知られているに目標に、厚岸蒸留所のウイスキーが目指すのは「アイラモルト」という話がありますが、これは実は少し違っていて、実際はアイラモルトの伝統や精神を受け継いだ、「原材料のすべてを厚岸から調達して造るウイスキー(厚岸オールスター)」を目指しています。

今回のブレンドに使われているモルトは、自社で仕込み、蒸溜を行ったものですが、グレーンは未熟成の状態で輸入したグレーンスピリッツを、厚岸蒸留所で輸入して使用しています。
先日、日本洋酒酒造組合から公開された、ジャパニーズウイスキーの基準に関する記事で、「国産グレーン原酒の問題」について当ブログでも触れさせてもらいましたが、一口にグレーン原酒の設備導入といっても、容易なことではありません。

雨水の原酒構成は基準を意識したものではなく、あくまで厚岸オールスターという理想に近づけるため。まず現段階ではグレーンの熟成から自前で行おうと。ただ、厚岸3年熟成のグレーンではなく、例えば10~20年熟成の輸入バルクグレーン原酒を使えば、手間も少なく、味の点ではさらにまとまりが良くなるような、違うキャラクターになった可能性もあります。あえてそれをしなかった点に、蒸溜所としてのこだわりの強さを感じるのです。

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※北海道・厚岸で栽培したウイスキー用麦芽の収穫風景(厚岸蒸留所 Facebookから引用)

あくまでも個人的な予想と前置きしますが、厚岸蒸留所なら、近い将来グレーンウイスキーの蒸溜も自前で始めてしまうのではないかと思います。それこそ小麦やトウモロコシ等の北海道産の穀物を使ってです。
実際、モルトウイスキーでは、厚岸オールスターの実現に向けた動きとして、北海道の地ビール用大麦麦芽品種「りょうふう」を厚岸で栽培し、一部仕込みもおこなっているだけでなく。湿原で取れる地場のピートを使った仕込みのために、蒸溜所内にドラム式モルティング設備を導入する計画も進められており、それは今年2021年にも完成するとされています。

目指すのは今一時の産物か、あるいは10年、100年先を見据えた理想へのステップか。”厚岸ウイスキー”を作り手がどのように考えているのか。そうした視点で見ると、美味しさだけでは測れない、嗜好品ならではの情報を飲む楽しみが、本ウイスキーには備わっていると言えます。
そうした作り手の想い、今できるベストを尽くしたと言えるチャレンジングスピリット、そしてニューボーン第4弾からの原酒の成長と、ブレンドに関するノウハウの蓄積。雨水の節気が表すように、冬から春へ。厚岸蒸留所が目指すウイスキーの芽吹きは、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。

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厚岸 シングルモルトウイスキー 寒露 55% 2020年リリース

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THE AKKESHI 
Single Malt Whisky 
"KANRO" 
17th. Season in the 24"Sekki" 
Bottled 2020 
700ml 55% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1週間以内
評価:★★★★★(5-6)

香り:焦げたようなスモーキーさに、原酒の若さに由来する酸は、熟していない果実を連想する。スワリングしていると焚き木の香りの奥にエステリーな要素、ニッキ、バタービスケットのような甘いアロマ、微かに酵母っぽい要素もあり、複雑。

味:口当たりはねっとりとした甘みとウッディな含み香、徐々に香り同様若い原酒由来の酸味、焦げたようにほろ苦いピートフレーバーが適度に広がる。後半は籾殻や乾いたウッディネス、微かにタイムのようなハーブ香。余韻は軽くスパイシーでスモーキーだが、序盤に感じられた甘みが口内に張り付くように長く残っている。

若さや粗さは多少あるが、度数ほどの口当たりの強さは感じない。樽由来の要素とバッティングで上手くまとめられている。豊富な樽由来の要素の中に酒質由来の要素もしっかり残っており、各要素ははつらつと、あるいは混然としてリッチで複雑な味わいが広がる。
加水すると樽由来のフレーバーが落ち着き、ややクリアでエステリー寄りの香味構成、酸味が前に出てニューポッティーな面も感じられる。3年間の熟成と考えると、その成長曲線は実に興味深く、更なる熟成を経て馴染んだ先にある可能性に、想いを馳せることが出来る仕上がり。

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2016年10月に創業した厚岸蒸留所からリリースされた、シングルモルトの700mlフルボトルの第一弾。過去、ニューボーンとして4種リリースされたファウンデーションリザーブや、3年熟成のサロルンカムイでの経験を活かし、バーボン、シェリー、ワイン、ミズナラの各樽で熟成されていたノンピート原酒、ピーテッド原酒をバッティングしたものです。

銘柄の由来は、1年間を24節気に分類すると、リリースの準備が完了した10月上中旬は17節気で”寒露”に当たることから。この24節気で有名なのは立春、夏至、大寒がありますね。今後同様の整理で1年間に3~4銘柄、シングルモルトとブレンデッドウイスキーをリリースしていく予定とのことで、それぞれの節気にどのような方向性のウイスキーが造られるのか、作り手の狙い含めて楽しみです。

さて今回のシングルモルト、熟成年数は3年以上となりますから、逆算すると仕込みの時期は2016年の創業初期から、翌年2017年の初夏あたりまでの原酒でしょうか。
厚岸蒸留所のピーテッドモルトは1年間の仕込みのプロセスの中で後半、蒸留所のオーバーホール前に仕込んでいるので、ノンピート原酒は2016年、2017年のものが、ピーテッド原酒は2016年のものが使われていると推察。ウイスキー造りの経験のなかった蒸留所オーナーの堅展実業にあって、蒸留器メーカーから技術者を呼ぶなどして、どのように原酒に厚みを出すのか、求める酒質を作るのか、苦労していた時期だったと記憶しています。

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(ウイスキーガロア誌10月号に掲載されていた、厚岸蒸留所の特集、および樋田氏のインタビュー記事。リリースの経緯やウイスキー造りの苦労等、充実した構成で、本リリースを飲みながら読むと、さらに味わいに深みが増すような気がする。)

今回のリリースは、上記ウイスキーガロア誌の記事では「厚岸の酒質はこれと明確に感じられるもの」と、樋田社長から語られています。
自分の理解で”厚岸のキャラクター”を整理すると、まずは香味のレイヤーの豊富さが特徴だと思います。複数種類の樽をバッティングしていることから、勿論香味の幅は増えますが、そうであっても3年熟成ながらしっかりとした樽香と、樽に負けないコクと甘みのある味わい、そして果実を思わせる酸味のクリアな広がりが、素性の良さとして分類できます。

それぞれの特徴について考察していくと、過去にカスクサンプルを頂いた際の記憶では、2016年蒸留に比べて2017年蒸留のほうが酒質が向上しており、ボディに厚みが出ていました。例えば2017年仕込みの原酒の比率が増えた結果、今回のリリースに感じられるコクのある味わいに繋がったのではないかと。
素性の良さについては、蒸留所の特徴として度々語られる見学も制限するこだわりの仕込み、衛生面の管理や発酵のノウハウが良い方向に作用しているのではないか。

また今回のリリースは、2月にリリースされたサロルンカムイに比べてシェリーやワイン樽等に由来する甘み、ミズナラ樽由来の焦げ感やニッキ等のスパイスといった、樽由来の香味も濃くなっており、その分ピート香も穏やかに感じられます。特にワイン系の樽の影響が強いでしょうか。レシピの違いもあると思いますが、熟成期間として夏を超えた(あるいは夏にかかった)ことによる影響が、厚岸という土地が持つ特徴として香味の中に表れているように感じます。

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(厚岸蒸留所が2018年からリリースしてきた、200mlシリーズ。それぞれ異なる原酒で構成され、厚岸蒸留所の目指す姿のピースを一つずつ知ることが出来た。当ブログでのレビューはこちら。)

最近、創業開始から3年が経過し、他のクラフトディスティラリーからのシングルモルトリリースも増えてきています。
これらのリリースは、総じて仕上がりの粗さを内包しており、必ずしも完成度の高いものばかりではありません。ただ、ウイスキーにおいて3年熟成は旅の始まりのようなものです。例えば、子供の音楽の演奏会に行って、その技術にダメ出しする人は少ないでしょう。むしろ奏でる旋律の中にこれまでの努力を、その姿に将来への可能性を見ているのではないでしょうか。

20年、30年操業している蒸留所がリリースする3年モノと、操業期間5年未満の蒸留所がリリースする3年では位置づけが違います。では、この”寒露”を飲んで将来への可能性が見えたかと言えば、それはテイスティングの通りです。
蒸留所としては、オール厚岸産を目指して麦芽の生産、ピートの採掘、製麦プロセスの新設・・・様々な取り組みを行っています。原酒についても今はまだ各要素が強く主張し合っている部分はありますが、熟成を経て馴染んでいくことで、混然ではなく渾然一体となった味わいに仕上がっていくことでしょう。その蒸留所と原酒の成長過程を、今後のリリースを通じて楽しんでいければと思います。

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(厚岸シングルモルト、寒露(左)とサロルンカムイ(右)。色合いにほとんど違いは無いが、寒露のほうが濃く複雑な味わいに仕上がっている。)


以下、雑談。
皆様、ご無沙汰しております。
4か月間もブログを更新していませんでした。ブログを5年以上やってきて、1週間ほど更新がないときは何度かあったと思いますが、これほどの長期間は初めてです。
長い夏休みになりましたが、そろそろ再開します。

休止の理由はいくつかあるのですが、生活スタイルを見直すために一度ブログを完全に切り離してみたというところですね。
今このコロナ禍という状況において、自分にとって優先するべきは何だろうかと。また子供が小学校に上がり、行動範囲や遊びの内容も広がって、子供との時間を最も楽しめるだろう時期に入ったことも、時間の使い方を見直すきっかけになりました。
自分は不器用な人間で、やるなら徹底してやらないとスイッチが切り替わらないので、一度完全にブログ活動をOFFにしてみたわけです。

ウイスキー繋がりの知人のところには、コロナに感染したんじゃ、何か問題を抱えたんじゃ、あるいはウイスキーに愛想を尽かしてワインに行ったんじゃないかとか、色々と噂や安否確認の質問もあったようですが、自分は至って健康ですし、仕事もまあ残業が尽きない程度には順調ですし、可能な範囲でウイスキーも楽しんでいます。
ただ、今後これまでと同様の頻度で活動を再開するかと言うとそうではなく。更新は不定期で、記事も短くなると思います。

この5年間は、自分なりに全力で、かつ真摯にウイスキーを探求したつもりです。
得るものは多く、様々な繋がりも出来ました。蒸留所の方と直接やり取りをしたり、オリジナルウイスキーリリースにも関われたり、何の後ろ盾もない愛好家でもこういう風に世界が広がるんだなと。
一方で周囲には、自分以外にもウイスキーの発信をする愛好家が増えてきました。是非他の方の発信もご覧いただき、そのうえでたまに自分のブログやLiqulの記事も見て頂けたら嬉しいですね。
今後とも、くりりんのウイスキー置場をよろしくお願いします。

シングルモルト 厚岸 サロルンカムイ 2020年リリース 55%

カテゴリ:
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THE AKKESHI 
Single Malt Whisky 
"Sarorunkamuy" 
Lightly-Peated 
Bottled January 2020 
200ml 55% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:自宅
評価:★★★★★(5)

香り:干し草や木材が焦げたようなスモーキーな香りに、若い原酒の乳酸やレモングラスのような柑橘香から、バニラや蒸した穀物のような甘さ、ほのかに黒砂糖。ニッキを思わせるスパイス香がピートと合わせて感じられる。

味: やや酸を感じる若いモルティーさから、クリーミーでピーティーな口当たり。ホワイトペッパーを思わせるスパイスとオークのバニラ、ローストした麦芽のほろ苦さにレモンバウムのような駄菓子的な柑橘感が続く。 
余韻で鼻腔に抜けていくミズナラのスパイシーかつウッディさをアクセント、土っぽさと焦げたようなピーティーなフレーバーが長く続く。

強くはないが主体的に感じられるピート香と、ミズナラ樽のスパイシーさを軸に複数の樽感とが若さを中和し、バランスよく仕上げてある。ピートはヨード等のアイラタイプではなく、スモーキーで木材が焦げたようなほろ苦さ。ボディにあるコクのある甘味、余韻にかけて鼻腔に抜けるミズナラ香が良いアクセントになっている。加水すると燻した麦芽のスモーキーさと、若い原酒の酸が目立つ。これまでリリースされてきた厚岸ウイスキーの集大成。ヒンナ。

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ファン待望、厚岸蒸留所初のシングルモルトリリース。3年以上熟成した2016年蒸留のノンピート、ピーテッド原酒をブレンドしたもので、樽はバーボン、シェリー、ワイン、そしてバッティングの軸になる原酒は、北海道産のミズナラ樽で熟成させたピーテッド原酒を使用した、こだわりの1本です。

厚岸蒸留所は目標のひとつにオール北海道産のウイスキーを掲げており、このファーストリリースはゴールではなく始まりとして、軸になる原酒を北海道産ミズナラ樽のものにしたのではないかと推察します。
その中身は3年熟成のシングルモルトであるため、多少なり若さは見られます。
ただ、他のクラフト同様に現時点ではこれ以上の熟成年数のものはない訳ですから、若さをもってNGとする評価は、無い物ねだりというか違うモノ飲んでくださいとしか言えません。その上でこのリリースの見所はというと、複数の原酒の織り成すバランス、そしてこれまでリリースされてきた、ニューボーン4作との"繋がり"にあると感じました。

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(厚岸蒸留所リリースの系譜。過去4作のニューボーンは、それぞれに意味や位置付けがあるが、サロルンカムイはこれらの集大成であるように感じられた。また3年未満でSpirit表記だったものが、いよいよ今作でSingle Malt表記となったのも感慨深い。過去4作のレビューはこちら

これまでリリースされたニューボーンは、上の写真の通り
・1st:ノンピート原酒(バーボン樽)
・2nd:ピーテッド原酒(バーボン樽)
・3rd:ノンピート原酒(ミズナラ樽)
・4th:ブレンデッドウイスキー(バーボン、ワイン、シェリー樽)※ほぼノンピート
以上の構成でリリースされてきました。
1stはまずベースとなるプレーンな厚岸蒸留所の酒質を、2ndと3rdは将来のシングルモルトとしてのリリースを見据えた同蒸留所のスタイルを、そして4thはブレンデッドウイスキーとして同蒸留所の方向性、ワインやシェリー樽等の過去使ってこなかった様々な樽を用いるスタイルとして。
いずれもそれぞれが、将来の厚岸ウイスキーを見据えたマイルストーン的な意味を持っていました。

一方、サロルンカムイのフレーバーを紐解いていくと、その先はこれらすべてのニューボーンにたどり着くように感じます。
軸となっているミズナラ樽の原酒は言わずもがな、熟成を経たピーテッドモルトや、ノンピートのバーボン樽原酒のキャラクターが随所にあり、特にピートフレーバーはノンピート原酒とのバッティングでライトに整えられて全体のなかでアクセントになっている。

また、比率としては少ないものの、ミズナラとピートという厚岸蒸留所がシングルモルトの主要要素に考えるフレーバーを潰さず、ブレンデッドウイスキーで言うグレーン、蕎麦で言う小麦粉的な繋ぎの役割を果たして全体の一体感を産み出している、シェリー樽やワイン樽由来のコクのある甘味の存在。
これは何の裏付けもない考察ですが、まるでニューボーンで表現された個性をパズルのピースに、足りない部分を補ってひとつの形に仕上げた集大成であるように思えました。

集大成というと、これをもって厚岸蒸留所の旅が完結するかのような表現にもなってしまいますが、むしろここからが本当の始まり。北海道産の原料を使った仕込みはまだまだこれからですし、熟成していく原酒のピークの見極め、厚岸産牡蠣とのペアリング。。。何より創業時に掲げられた、アイラモルトを目指すという理想も残されています。厚岸蒸留所の独自色は、まさにこれから育とうという段階にあります。
ですが、まずこの段階で3年モノとしてリリースできるベストなシングルモルトを作ってきたのかなと。その意味で、集大成であると感じたのです。


記念すべきファーストリリースに銘打たれた"サロルンカムイ"は、アイヌ語でタンチョウヅルを体現する神、湿地にいる神を意味する言葉であり、ボトルもそのイメージに合わせて白と赤のカラーリングとしてあります。
厚岸蒸留所は別寒辺牛湿原に隣接する土地に建てられているだけでなく、今後国産ピートの採掘も行われる予定であることから、湿原の神様との関わりは切ってもきれないものです。
お酒を神様に捧げるのは八百万の神が住まう日本的な発想ですが、ウイスキーが神秘を内包するものである以上、厚岸蒸留所の今後に一層の加護があればと思えてなりません。

月並みですが、樋田社長並びに厚岸蒸留所の皆様、3年熟成となるシングルモルトのリリース本当におめでとうございます。
この約2年間のニューボーンのリリースやイベントでの原酒のテイスティング等を通じ、ファーストリリースに向けた濃密な準備期間を経験できました。
今後のリリースも楽しみにしております。

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