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ダンヒル オールドマスター 1980年代流通

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DUNHILL
OLD MASTER
Finest Scotch Whisky
1980's
43% 750ml

グラス:創吉テイスティング
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度前
評価:★★★★★★(6)

言わずとしれた高級ブランド、ダンヒルが、当時のIDV社にブレンドを外注して1982年にリリースしたブレンデッドウイスキー。
「常に最高のものを」という同社のモットーからか、1980年代というブレンデッドウイスキーがやや力を落とし始めた時期にありながら、その中身は実に上等。濃厚で甘くしっかりした口当たり、カラメルソースや甘い樽香、余韻にかけては土っぽくほろ苦いピートフレーバーが存在感を出してくる。いかにも古き良き時代のスコッチらしい構成で、初めて飲んだ時はびっくりしたのを覚えています。

構成原酒はタムデューが使われているともっぱらの噂。しかし前回「ダンヒル・ジェントルマン・スペイサイド」の記事にも記載したように、同ボトルの外注先はタムデュー蒸留所を保有しておらず、原酒構成には疑問が残るところ。
しかし内陸系のピートフレーバーや、粘性のある口当たりと甘みの奥に感じる乾いた麦芽風味はそれを感じさせる個性とも思えます。真相は不明ながら、まあ旨けりゃ良いじゃないとそういう結論に至るわけです。

ダンヒルオールドマスターの見分け方は簡単で、今回のラベルデザインが発売初期からのデザイン。その後1980年代後期からはおなじみdとhとlが縦長なダンヒルのロゴに変わります。
おなじみと言えば、ガラスの精度が低かった時代のボトルを再現したため、ダンピーでネック部分が曲がっている作りがこのブランドの共通点です。

このボトルのいいところは、箱入りのものはさておき、ボトル単体だとほぼ間違いなく横置きされないこと。個人的な経験では、バリバリのコルク臭なボトルは出会ったことがなく、あっても軽度くらいなので、比較的トライしやすいオールドボトルだと思います。
ダンヒル繋がりでパイプ片手に1杯なんてやったらカッコいいですね。

ダンヒル ジェントルマンズ スペイサイドブレンド

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ウイスキーとして以上に、別方面で有名であるためついつい色眼鏡で見てしまう銘柄がいくつかあります。
それはホテルなどのオリジナルウイスキーであったり、今回のようにビッグブランドの中の1つとして販売されているもの。所謂異業種からの参入です。
しかし飲まず嫌いはいけないわけで、飲んでみるとヘタなブレンドメーカーやシングルモルトより良くできている。良いウイスキーである一定水準を満たしているように思います。特にダンヒル・オールドマスターのオールドボトルはシェリーの効いたブレンドでなかなか美味。オールドボトルファンの間で何気に評価の高いボトルです。
今回のボトルは、その後2000年代に入ってリリースされたオールドマスターの姉妹品で、オークションでセット品の中に含まれていたので飲んでみました。

DUNHILL
GENTLEMAN'S
SPEYSIDE
43% 700ml

評価:★★★★★(5) 

香り:柑橘系を思わせうる爽やかな香りにツンとしたアルコール感。麦芽香もある。徐々に麦芽風味とわた飴のような甘い香りが強くなる。微かに植物のえぐみも感じる。加水するとえぐみが消え、スペイサイドモルトらしい甘さと苦味、華やかさが開いてバランスが良くなる。

味:スムーズな口当たり。カラメル、黒砂糖を思わせる甘さから麦芽風味が強く開いてくる。
中間からはピリピリとした刺激、グレーンだろうか乾燥した穀類の香味とえぐみがある。
フィニッシュはほろ苦くあっさりとしており、スパイスを残してすっと消える。
加水するとスパイスは弱まりよりスムーズな飲み口になるが、香りほどの開きは見られない。


飲み口にあまり厚みはなく、モルティーでありながらグレーンの主張も強いという面白いブレンドです。
おそらくモルトは15~20年クラスで熟成したものを、グレーンは若いものを使ったのではないでしょうか。最近発売されたバランタインのマスターズと似たような印象を受けました。
ストレートで飲むと少々ちぐはぐな印象も受けましたが、加水して飲むと「おっ」と思わせてくれる変化があります。 

ダンヒル社がスコッチ業界に参入したのは1982年のこと。
この年同社がリリースしたのがダンヒルオールドマスター。原酒を持たない同社はインターナショナル・ディスティラリーズ・ヴィントナー社(IDV社)に生産を委託しての販売だったそうです。
流石ダンヒルらしくボトルデザインやアフターサービスにこだわっており、デザインではネックの部分が少し曲がっていて、継ぎ目も見えます。これは1800年代のボトルを再現した結果なのだとか。
またラベルには1本1本シリアルナンバーが打たれており、これをボトル付属の申請書で同社に登録すると証明書が発行され、愛飲者名簿に記載されたのだとか。ホンモノを求める人のためのブランドであるダンヒルの、なんとも凝った演出です。
委託での製造といえば、先日のもしもしウイスキーみたいなもんですね。まぁ販売手法はとても一緒に出来るレベルじゃないですが(汗)



IDV社の所有蒸留所はグレンスペイ、ノッカンドゥ、シングルトン、ストラスミルです。なるほどダンヒルオールドマスターはこの4蒸留所がキーモルトかと思ったら、ネットを見るとタムデューが使われているという記述が。
当時タムデューを保有していたのはフェイマスグラウスでおなじみ、ハイランドディスティラリー社なのですが・・・はて。
IDV社は1997年にかの有名なUD社と合併(UD社に吸収合併)し、UDV社が誕生します。
今回のダンヒル・ジェントルマンズ・スペイサイドはIDV社合併後の販売、同じように委託していたとすれば原酒は同様なところでしょうが、既にUDV社となっているわけで・・・実際はどうでしょうか。
飲んでみた感じはスペイサイドらしさは確かにあり、タムデューや上述4蒸留所(特にノッカンドゥやシングルトン)といわれると納得の味わいです。

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