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ベンリアック 16年 1997-2014 バーボンバレル #85105 ブラインド

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BENRIACH
Aged 16 Years
Distilled 1997
Bottled 2014
Cask type Bourabon Barrel #85105
53.3% 700ml

【ブラインドテイスティング(TWDルール)】
蒸留地域:スペイサイド
熟成年数:20年程度
度数:55%程度
樽:バーボンホグスヘッド

グラス:創吉テイスティング
量:30ml程度
場所:BAR飲み(TWD)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:オーキーでツンとした香り立ちにバニラやおしろいの甘さ、麦芽香。ドライアップルや蜂蜜のような甘い香りも出てくる。加水するとドライパイナップルや洋梨を思わせるフルーティーさ。グラスの残り香はライチを思わせる品の良い甘さでもある。

味:香り同様にオーキーで蜂蜜を思わせる甘さ、少し粉っぽい口当たりでもある。中間はドライアップル、麦芽、、余韻は桃缶のシロップのような甘み、ほのかにミント、ハイトーンでスパイシーな余韻。
加水するとクリーミーな口当たりにビスケットのような甘さが強く感じられる。


素直な熟成感のバーボン樽熟成ウイスキー。というのがこのモルトのファーストインプレッション。
まず酒質に変な癖が無くライト。バーボン樽由来の華やかなオーキーさに素直に溶け込んでいる感じで、度数と合わさってツンとした香り立ちでもあります。あまり女性に例えることはしないのですが、あえて言うなら少しきつめな顔立ちの美人さん。
なんか近寄りがたいなーと思いながら飲んでみると、思いのほか味わいは柔らかく、麦芽由来の素朴さもあり、少量加水するとさらに距離を縮めることが出来るのです。
これは突き抜けてはいませんが、良いバランスのモルトだと思います。

今回はブラインドですので、樽以外にも地域や熟成年数も探っていかねばなりません。
この際いやらしいのが、スペイサイドやハイランドで癖の少ない蒸留所は、どこでもこういうタイプのウイスキーを作れそうだという事。特段強い個性がないため、自分クラスの能力では、消去法での絞り込みしかできないのが歯がゆいところです。
蒸留所を絞るとなると、この手のボディが軽く、華やかな酒質は近年のベンリアックが筆頭候補。ボトラーズも含めると相当数ヒットします。

樽感だけなら20年くらいのホグスで、ツンとした印象から度数は少し高めかなと思ってしまったのですが、ボトルを見た後ではバーボンバレルで熟成期間少し短めという可能性もあったなと。結局予想はそこまで外れてなかったのですが、樽と熟成年数の読み違えは今後の課題として、組み合わせと特徴を捉えるいい勉強になりました。
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ベンリアックのこの手のリリースは比較的多く出ている事もあってか、このボトルもまだ信濃屋等で購入することが出来るようです。(ビンテージ違いで1996もあるみたいですね。)
その他のボトルでは、ちょうどベンリアックからノンエイジのカスクストレングス バッチ1がリリースされたところですし、比較してみるのも良いかなと思います。カスクストレングスのほうは複数タイプの原酒のバッティングですから、作り手が仕上げた香味や、バーボン樽以外の要素をどこに見つけるかという飲み比べも面白そう。。
どちらも近い値段で、そこまで高額ではないですし、BAR等で薦めやすいボトルだと思います。
 飲み方はストレートから、途中で加水して変化を楽しんでみてください。

ベンリアック 36年 1975-2012 東京バーショー限定ボトル

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BENRIACH
Tokyo International Bar Show
Aged 36 Years
Distilled 1975
Bottled 2012
Cask type Hogshead #7228
55.5% 700ml

グラス:シュピゲラウ グランドテイスティング
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:淡いオーク香主体の香り立ち。最初は草っぽさとケミカルなニュアンス、徐々に桃缶シロップを思わせる甘み、さらに時間経過で所謂トロピカルフレーバーが開いてくる。

味:口当たりは高度数らしくハイトーンでオーキーな華やかさと甘み。りんごのコンポート、白桃を思わせるフルーティーさが開いてきて、ハーブ、樽材由来の苦味が後に続く。
余韻はスパイシー、香り同様若干のケミカルさ、乾燥した麦芽と華やかなフルーティーさが長く残る。

お久しぶりな東京バーショー向けベンリアック1975。
ウイスキー仲間主催のホームパーティーでのテイスティング。S兄さんの持ち込み。2012年のリリースではナンバーワン候補という声もあるボトルです。
当時の自分は「ベンリアックらしいフルーティーさのあるボトルだけど、浮ついた印象もある」という評価。改めて今飲んでみると、当時浮ついた要因として感じられた、ケミカル系のフレーバーが思いのほか強く感じられるものの、やはりらしいフルーティーさが主体的で、ベンリアック好きが好む白っぽい桃系のフルーツ感が印象的でした。

2012年を思い返せば76トマーティンが最後の輝きとばかりにいくつかリリースされ、それ以外にもベンリアック、グレンドロナックなど、今や遠く彼方に旅立ってしまった銘柄はまだ手の届く範囲にありました。
GMもロングモーンやストラスアイラの30年をリリースしてましたし、某所にはケルティックのロングモーンが在庫として残っていた。長期熟成モルトが比較的手軽に手に入る最後の時期だったようにも思います。
2016年の今、このボトルが2012年のナンバーワンであるか、それを比較する理由もないので断定はしませんが、昔懐かしいベンリアックの姿であることは間違いありません。

1970年代のベンリアックに共通する傾向として、グラスに置いてから香りが開くまで時間がかかるように思います。それこそ1時間とか置いておくとすごいことになる。
もしこのボトルをBARで飲むときは、開栓時期も確認された上で、直近の場合はグラスの中で別な1杯を飲む間くらい待たせておいても良いかもしれません。

ベンリアック 24年 1984-2009 リミテッドリリース #1048

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BENRIACH
Aged 24 Years
Distilled 1984
Bottled 2009
Cask type Pedro Ximinez Sherry #1048
700ml 49.2%

グラス:SK2
量:所有ボトル(頂き物)
場所:自宅
時期:不明
評価:★★★★★★ (6)

香り:穏やかな甘さとピーティーで焦げたようなスモーキーさのある香り立ち。柑橘系のニュアンスも感じられるピーティーさで、スワリングしているとチョコレートの甘さとカカオの苦味、薬草、レーズンの果実味も感じられる。

味:ねっとりとした甘い口当たり。強いピーティーさ、微炭酸を思わせるスパイス。鼻に抜けるスモーキーさと油絵の具のようなニュアンス。
余韻はピーティーでアーシー。グレープフルーツ、粘性がありほろ苦く長い。
香味全体を通してピートはアンバランスなほど強く、個性的だがもう一つ全体を整える要素が欲しい。


ベンリアックから数多くリリースされているオフィシャルリミテッドエディション。今回はバースデービンテージでもある1984年蒸留、ペドロヒメネスシェリー樽熟成です。
ペドロヒメネスらしく甘口で濃厚なシェリー感ですが、生木っぽいえぐみなど変に嫌味な部分は無く、中々良い濃厚シェリー。そしてそのシェリーを突き破るほどの強いピーティーさが特徴。評価は★5か6で悩みましたが。。。ここはポジティブにいきます。
これだけリッチなシェリー感とピートスモークですから、葉巻とも相性は良さそうです。

ベンリアックのピートフレーバーは、先日記事にしたオーセンティクス21年同様に、ライチやグレープフルーツ系の爽やかな果実の香気を伴うように感じます。
1970年代後半、特に1980年代に入るとベンリアックは積極的にこうしたピーテッドモルトを仕込んでおり、今でこそピートフレーバーのブームがあってヘビーピートモルトの需要は増えていますが、当時は冬の時代真っ只中。なぜあえてピーテッドだったのか、仕込んだ理由が気になります。

今回のボトルは先日のイベントで残ったボトル、Kさんからの頂き物。 
本当に頂いてよかったのだろうか。。。とりあえず有難くテイスティングさせていただきます。

ベンリアック 36年 1976年蒸留 2013年ボトリング ウイスキーフェア #731

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BENRIACH 
Aged 36 Years 
Distilled 1976 
Bottled 2013 
Bottle No, 1 of 195 
Cask type Sherry Hogshead #731 
Selected for The Whisky Fair 
700ml 49.3% 
 
グラス:グレンケアン
量:30ml程度+小瓶
場所:BAR(個人イベント)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:しっかりと濃さがあるが、嫌味の少ないシェリーとオーク香。甘栗、ドライアプリコット、桃缶。乾燥させた麦芽、ママレードジャムのような上品な苦味。多層的なフルーティーさがシェリーとマッチして高貴な印象。

味:スパイシーでウッディー、強めのオーク感とともに口の中に広がるフルーティーさ。黄桃の缶詰、レモンピールの砂糖漬け、徐々に濃い目の紅茶を思わせるタンニンとフルーツの皮のほろ苦さ。ほのかに土っぽさとケミカルなニュアンスもある。
余韻は樽由来の苦味とスパイスの名残り、トロピカルなフレーバーを感じた後であっさりと消えていく。

 
ドイツウイスキーフェア向けのベンリアック。日本への流通もあったウイスキーエージェンシーの1976が同じスペックですが、エージェンシーの方がシェリー感が濃く、今回のボトルの方がバランスが良い印象です。
1976年蒸留あたりまでのベンリアックは、バーボン樽だろうがシェリー樽だろうが、樽の風味の裏側から広がる華やかでフルーティーな香味が特徴的。桃やトロピカルフレーバーとも例えられるそのフルーツ感は、昨今樽感主体のモルトが多い中で、「あぁこういうのってホント少なくなったな」と懐かしい気持ちになります。
 
今回のボトルはトップでシェリー香を感じ、そこからフルーティー、ほろ苦い香味へと繋がっていく、旨いモルトに仕上がっています。特に味の中間では、黄桃の缶詰を思わせる甘さと品の良い香味が開いたと思うと、葡萄の皮のような苦味がそれを引き締めていきます。

味とは関係ないものの、こと今回のボトルで注目すべきはそのボトリングナンバー。
「これ、開けて良かったんですか」と思わず2度見した1番ボトル。今まで数多くのウイスキーを飲んできましたが、1番を飲んだのははじめてです。
通常この手のボトリングナンバー1はボトリング関係者が持つもので、なぜここに流れてきたのか、中身以上に気になってしまいました。
 
本ボトルはウイスキー仲間のS兄さんのイベントにて頂きました。奥さんと一緒にどうぞと頂いた小瓶分を先日テイスティングしたので、コメントを残させていただきます!


ベンリアック21年 オーセンティクス ピーテッドモルト

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様々な飲み手のご好意に甘えっぱなし、サンプルテイスティングのコーナー(笑)。
貴重な手持ちボトルを分けていただく代わりに、くりりんがブラインドテイスティングで真剣に悩む。
時に珍回答でネタ(まれに伝説)を提供する。
ブラインドテイスティングって、解答する側も楽しいんですが、出す側もまた楽しいんですよね。

今回は引き続きHP氏から頂いたサンプル、残すところ後2種類です。
ここまでのブラインドはそこそこ当てているため、「くりりんなかなかやるやないけ」と思った人が居たら、それは宝くじに当たったようなモノで、たまたまです。今回はなかなかやらかしました(笑)

BENRIACH
Aged 21 years
AUTHENTICUS
Peated malt
46% 700ml
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【ブラインドテイスティング回答】
蒸留時期:1980年代(おそらくは後期)
熟成年数:15年
度数:43~46%
樽:バーボンホグスヘッドかあるいはバッティング
地域:アイラ
蒸留所:ラフロイグ

評価:★★★★★★(6)

香り:焦げた木や土の香りを思わせる強いピートフレーバー。奥から麦芽、アーモンド、バニラの甘さや柑橘系のアロマ。アルコール感由来か、メンソールのスーッとする香りもある。

味:口当たりは少々粘性があり、ナッツを思わせる香ばしさ、噛み応えのある麦芽風味、徐々にスパイス。
口の中で転がすと、強いピーティーさの裏に熟成されたモルトの旨み、ライチや果実感が見え隠れし、ピート一辺倒なモルトにならない良い意味での複雑さを与えている。
フィニッシュはクラッカーの香ばしさと強いピーティーさ、煙が長くとどまるビターな余韻。バニラの甘い香りと焦げた木のスモーキーさが鼻に抜ける。

ベンリアックがリリースするピーテッドモルト。
現行品では25年がリリースされていますが、その旧ボトルにあたる21年です。
リリース時期から逆算すると、原酒は1980年代。オーセンティックの由来のとおり、古き時代、100年前のピートが大量に炊かれていた時代のウイスキーを再現したモノなのだとか。
熟成されたベンリアックらしいスムーズな酒質に強力なピーティーさが乗っかって、個人的には結構好みですが飲み手を選びそうな印象もあります。
調べてみると値段も手ごろだし1本ほしいなと思ったのですが、ネットショップ上には既に在庫はなく。
そりゃそうですよね~25年高すぎですし(汗)。これならハイボールで飲んでも美味しそうです。


さて、それでは今回のブラインドの回答を上から見ていきましょう。
蒸留時期。良いですね、バッチリです。
熟成年数。ちょっと外しましたが、致命的というほどではないですね。
度数。これはOKでしょう。
樽。明記はありませんが、蒸留時期的にもこんな感じじゃないでしょうか。
地域及び蒸留所。なんだこれはwwww

女々しくもいい訳させていただくと、バニラ系の風味にピートフレーバーと、結構ラフっぽい香味です。
しかし、そこにひっぱられてヨード等のアイラ要素の無さを無視してアイラに着地。改めて飲みなおしてみると、アイラモルトとしてはどこかパーツの足りない印象を受けます。
ラフロイグっぽい味わいのモルトはアンノックやエドラダワーのピーテッドにあるのですが、ここにもあったとは。。。完全にノーマークでした。

テイスティングは舌と鼻が撮影した写真を、脳が認識する作業だと思うのですが、撮影された写真のどこにピントが合っているかによって、脳の認識が変わってくる。結果今回のようにヘビーピートのスペイサイドをアイラを認識することもある。
今回はまさにその典型的な例。やらかしはしましたが、良い勉強になりました!


※お知らせ※
気が付けば更新待ちのサンプルが長蛇の列を作っております。中には1ヶ月待ちのボトルも・・・。
HP氏のサンプルも、連休に入ったり帰省と被ったりで、だいぶお時間頂いてしまいました。
皆様ありがとうございます。漫画家のファンレターじゃありませんが、1本1本ちゃんと飲んでおりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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