ミルウォーキーズ クラブ 35周年記念 アメリカンスタイルウイスキー 53%

MILWAUKEE’S CLUB
AMERICAN STYLE WHISKY
35th anniversary edition
PREMIUM SELECTION
THE 60s DISTILLATION
MATURED FOR OVER HALF A CENTURY
FINAL BARREL
500ml 53%
川口の老舗BARミルウォーキーズクラブが、2025年に同店の35周年を記念して詰めたボトルの一つ。
ラベルには60年代の蒸留、熟成は半世紀以上という記載。 蒸留所名は不明ながら、長期熟成のアメリカンスタイルウイスキー(500ml 53%)です。
素晴らしい熟成香。長熟由来の陶酔感ある艶やかなウッディネス。カラメルソース、チェリーやレーズン、微かにブラッドオレンジ、紅茶とカカオのヒント。
まさにオールドバーボン。グラスで香りを存分にひらかせ楽しむのが正解。
一方で味はというと、香りの複雑さや広がりに反して中間が軽く、余韻の苦味、タンニンが際立つようにも感じました。
香りの素晴らしさだけで特筆ものですが、この熟成感の違い、香りと味わいのズレは何処からくるのか。
ボトルを飲んだだけで、ミルウォーキーズクラブ等で素性を聞いたわけではないのですが。味わいと自分の記憶からこの原酒の素性を紐解くと、ポイントは製造者、笹の川酒造でしょう。

バーボンタイプの長期熟成で笹の川酒造というと、タンク保管原酒が思い浮かびます。 かつて1970〜1980年代の地ウイスキー時代、笹の川酒造が5〜10年熟成のバーボンを大量に買い付け、それをベースにTHIS isという地ウイスキーをリリースしていました。
その後余った原酒は樽に詰められ、5〜10年さらに貯蔵。その後はタンクに詰められ10年、20年…。
その原酒の一部は、2000年代に入って当時倉庫と製造拠点を間借りしていたベンチャーウイスキーが、クエッションという銘柄をシリーズでリリースしたり。 笹の川がチェリー・プレミアム等でリリースしたり、少しずつ日の目を見ていきす。
そして記憶している限り、最後にこの原酒がリリースされたのは2016年、確かこの時は樽熟とタンク貯蔵の合計が40年オーバー。山桜ブランドでリリースされました。
そこから約10年後の2025年。今回のラベル表記は“OVER HALF A CENTURY“ですから、計算は合います。 まだあったんですね、この原酒。
(笹の川酒造の250周年を記念し、2016年にリリースされた山桜レアオールドウイスキー。当時の説明は保管期間40年以上のうち樽貯蔵期間は15年➕α、残りはタンク保管)樽熟成のみで50年オーバでないならば、香りにある15年から20年程度のバーボンのオールドにあるような艶やかなアロマ。 一方で瓶熟ならぬタンク熟でゆっくりと変化して整った形であれば、香りに反して味のボディが少し軽めなのも納得できる気がします。
ただ余韻の樽感がちょっと立ってる気もするので、あるいは最後に数年タンクから出して樽貯蔵してたかな?とも予想します。
かつての日本のウイスキーブームと終焉、当時のアメリカ側の原酒の余剰、様々な偶然が重なった結果日本に残っていた貴重なバーボンウイスキー。(日本での熟成を経ているのでアメリカンスタイルウイスキー)
ちなみに原酒そのもののでもとは、笹の川酒造に記録が残っておらず不明。ただし味わいからヘブンヒルではないか?という考察をしていたのは、ウイスキーガロアの前身、ウイスキーワールド誌でクエッションシリーズを特集した際、ミルウォーキーズクラブのオーナー、白井さんその人でした。
この考察が正しければ、なんとも縁を感じる、35周年の素晴らしい記念かつ貴重なリリースですね。
※後日談
SNSの方に投稿していたところ、とある方から↑の考察は9割5分くらい正しいとお墨付きも頂きました。ボトル所有者から飲ませてもらっただけでしたが、頓珍漢な発信じゃなくて安心しました。














