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2020年04月

ニッカウイスキー 竹鶴 ピュアモルト 2020年リニューアル 43%

カテゴリ:
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NIKKA WHISKY 
TAKETSURU 
PURE MALT
Release to 2020 
700ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1~2週間程度
評価:★★★★★(5-6)

香り:軽やかな華やかさを伴う、乾いたモルティーさ。シトラス、ドライオレンジピールの柑橘香の爽やかな酸と、微かに乳酸、ラムネようなニュアンス。奥には湿った土のようなピート香。また、時間経過で生焼けホットケーキのような麦芽香も混じる。

味:厚みのあるしっかりした口当たり。若干のバニラ系の甘い含み香から、主体となるのはモルティーで香ばしい風味。香り同様の酸味が若さを連想させ、若い原酒故の粗さも一部ある。微かにオークの華やかさ、焦げたようなほろ苦いピートフレーバーが余韻にかけて広がる。

最近のニッカらしい味。若い余市を連想させる構成だが、ネガティブな要素はブレンドで上手く抑えており、酒質由来の酸味と膨らみのあるモルティーな風味を楽しめるのがポイント。
加水すると奥にある宮城峡の原酒由来と思われるフルーティーさ、オークフレーバーが顔を出す。ハイボールにしても風味が崩れず、使われている原酒それぞれの良さを引き出しているような、確かなブレンド技術を感じさせるウイスキーである。

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2週間更新していなかったので、このボトルのUPもだいぶ遅れてしまいました。2020年3月にリニューアルした、竹鶴ピュアモルトの新ボトル、通称"新竹鶴"です。

2015年にリニューアルした余市、宮城峡と同様に、原酒不足から竹鶴の既存ラインナップ4種(NAS+エイジング3種)を生産終了とし、新たにNAS仕様でリリースされることとなったのが今回のボトル。
発売前の情報だと、特に余市原酒の比率を増やしているとされていましたが、仕上がりは事前情報のとおり、全体の半分以上は余市だと感じる香味構成です。
また、余市原酒の中でもヘビーピート原酒のキャラクターを余韻にかけて感じますが、全体構成はあくまでバランス型で、がっつりスモーキーでピーティーと言うタイプではありません。

一方、比較的若い10年熟成未満の原酒が多いのか、若さに通じる酒質由来の酸味が感じられると共に、余市のキーモルトはシェリー樽とのことですが、リフィルなのか樽感はそこまで色濃くなく。かつてニッカのウイスキーは新樽原酒を筆頭に、この真逆と言える圧殺するようなオークフレーバーが特徴的でしたが、最近はあまり樽の内側を焼かないようなプレーン系統の樽使いが特徴の一つでもあります。
良い意味でもそうでない意味でも、予想通りな仕上がりでした。

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(同じNASスペックの竹鶴ピュアモルト新旧。旧のほうも若い原酒の要素はあるが、色合いは濃く、”例の原酒”の個性と言えるケミカルなフルーティーさが感じられる。ジャパニーズウイスキーとして新のバランスは悪くないものの、総合的なコスパという意味では旧のほうが上と言わざるを得ない。)

レシピを香味から推察すると、主軸は上述の通り半分以上を占める余市、あとは宮城峡が3~4割、そしてその他原酒が1割程度使われているかどうか。旧と比較してジャパニーズ系統の風味が強くでています。
宮城峡の原酒は、シェリー樽原酒は少量を繋ぎ程度で、主としてはアメリカンオークのリメード、バーボン樽系の原酒を使っているのでしょう。軽やかな華やかさに通じるオークフレーバーが酒質由来の風味の裏側にあり、多層的な香味の下支えとなっています。

一方、竹鶴ピュアモルトの構成原酒と言えば、余市、宮城峡以外にもう一つ、”その他”としてベンネヴィスの原酒を使っているという説が、愛好家の間では公然の事実となっています。
これについては賛否が分かれるところですが、少なくともベンネヴィスを買収して再稼働させたニッカと、同蒸留所の会長も務めた竹鶴威氏の存在を考えれば、”竹鶴”という銘柄に、ベンネヴィス原酒を使うことに何の問題もないとは思います。それをどう説明して売るか、広報戦略の議論はありますが。。。

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(ベンネヴィス蒸留所から故竹鶴威氏の業績を称え、リリースされた再稼働直後のファーストカスク。こうしたリリースは他の蒸留所を見ても過去例がなく、ニッカとベンネヴィスの結び付きの強さを感じさせる1本。)

しかしジャパニーズウイスキーが注目される中で、日本産ウイスキーに輸入原酒を用いるべきではない、表記は整理すべき、あるいは輸入原酒を用いた疑似ジャパニーズけしからん、とする声が大きくなってきているのも事実です。ウイスキー文化研究所が中心となって、ジャパニーズウイスキーの定義づくりが進んでいるという状況もあります。
今回リニューアルした竹鶴ピュアモルトを飲むと、ニッカまたはアサヒビール側がそうした動向を意識したのでは?と感じる味わいでもあるのです。輸入原酒が全く使われていないかどうかは不明ですが。。。使われていたとしても、旧作に比べて量は相当控えめでしょう。

ちなみに現在販売されているオフィシャルシングルモルトでも良いので、余市と宮城峡を混ぜてみると、これが面白いほどに馴染まないことがわかります。どちらも酒質のしっかりとした(特に余市が強い)ウイスキーなので、バランスをとるのが難しいんですよね。個性の強く出ている蒸留所限定品や、シングルカスクの場合は特にです。
そこにベンネヴィスを混ぜると、不思議とバランスが良くなって、なんだか馴染み深い味にも。。。つまり、今回の竹鶴のリニューアルは、原酒以外の社会情勢や、我々が思う以上の制約の中で作り出されたとも考えられます。

若く個性の強い余市と宮城峡原酒に、熟成した原酒や一部シェリー樽原酒を使い、ネガ要素を抑えつつフレッシュな香味を残したブレンデッドモルト。ジャパニーズとしての竹鶴。突き抜けた味わいではありませんが、将来を考えて安定して使える材料で、ベストを尽くしたと言えるウイスキーだと思います。

しかし竹鶴ピュアモルトの新リリースは、年間22000ケース限定(海外向け8000ケースと合わせて30000ケース)での生産。これは竹鶴12年が発売されたウイスキー冬の時代、2000年当時の年間実績15万ケースの僅か1/7であり、市場の温度差を考えると吹けば飛ぶような本数です。
アサヒビールは年間60億円以上を投資して原酒増産を開始していますが、現時点で原酒をやりくりし、日本寄りのレシピで作れるのは、この本数が精一杯という現実なのかもしれません。実際のところ高い人気があるにも関わらず、2019年の竹鶴ブランドの出荷本数(生産上限)が10万ケースにまで落ちていたところからも、その厳しい原酒事情が伺えます。
一刻も早く原酒の熟成と供給が安定し、このブレンド技術のもとにさらに美味なウイスキーが誕生することを期待したいですね。

スプリングバンク 19年 2000-2020 ”鹿バンク” 50.8%

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SPRINGBANK 
Aged 19 years  
For Wu Dram Clan (Kyoto Fine Wine & Spirits)
Distilled 2000 
Bottled 2020 
Cask type Refill Sherry Hogshead #699 
700ml 50.8%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:自宅@サンプル
評価:★★★★★★★(7)

香り:微かに青みがかっているが、メインは香ばしいカルメ焼きやライ麦パンを思わせる麦芽香。バンクらしい蝋っぽいニュアンス。奥にははちみつやパイナップルを思わせる甘酸っぱさ、オークの華やかさもあり、ピートスモークと共に存在を主張してくる。

味:熟成感のしっかりとある濃厚な口当たり。とろりとした質感、アプリコットやパイナップルの甘酸っぱさとオークフレーバーのアクセント。合わせて香ばしい麦芽風味。余韻にかけてヒリヒリとする唐辛子系のスパイシーさに、土や焦げた植物を思わせるピート、香りで感じたバンクらしさが鼻孔に抜ける。

通好みで多層的なバンク。オフィシャル10年のようなバーボントロピカル全面路線ではなく、酒質の個性、ピート、それらを熟成して伸ばしたような味わい。序盤は一瞬若さを感じるが、時間経過で香りに華やかさと統一感、味わいにフルーティーさが感じられるようになる。ピート香は強くないが存在感があり、飲むほどに薫製香のようなスモーキーさも楽しめる。見た目も良く、中身も懐が深い、理想的なモルトウイスキー。

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ウイスキー繋がりで、O氏から頂いたスプリングバンク、通称”鹿バンク”のサンプル。
同氏は元々ワイン系では相当なストックを所有しているヘビードリンカーなのですが、数年前からウイスキーにも手を伸ばし、趣味が高じて酒屋まで開いてしまったという相当ぶっ飛んだガチ勢です。
そのO氏の営む酒屋”Kyoto Fine Wine & Spirits”が、ドイツ、シンガポールの有志と共にボトリングしたのが、今回のスプリングバンクになります。

近年のスプリングバンクと言えば、スタンダードの10年にあるようなバーボンオーク由来のフルーティーさと、麦芽由来の要素が混じったタイプが評価されていますが、このボトルは樽構成がリフィルシェリー(恐らくアメリカンオーク)ホグスヘッドであり、バーボンオーク系統とは少々異なる、酒質ベースの香味がメインで、そこに品の良いオーク香のアクセント。

序盤は若干の固さや樽由来と思われる青みがかった要素が感じられ、「おや?」と思わされるかもしれませんが、その香味は麦芽風味の厚さに由来してか、グラスの中でじわじわと変化。熟成感のある蜜のような甘味とフルーティーさ、華やかなオークフレーバーもアクセントとして伴って、異なる魅力を見せてくれます。
麦芽風味を主体としての奥行き、風味の引き出しの多さが、スプリングバンクらしさと言えます。

加えて、中身の良さに花を添えるラベルのセンスのよさ。スコットランドの精霊と言われても違和感のない、神秘的な印象さえ受ける鹿のイラストは、工芸画家・牟田陽日氏作のオリジナルで、O氏の依頼で描き起こした絵画。(牟田氏の作る陶器、工芸品は一見の価値ありです。)
このラベル案を初めて見せてもらったのは、今年の2月上旬。ほぼ同時期にマッスル3のラベル作りをしていた自分からすれば、完成度の差を見せつけられて。。。いやもう、軽く嫉妬しちゃいましたねw

まさにかつてのムーンインポート等に見られた、飲める芸術品の類。
今回、ご厚意からサンプルをいただき、「どれどれラベルは良いけど、中身はお手並み拝見ですね」なんて思ってましたすいません、文句のつけようがありません(汗)。内輪のボトルには多少厳しめに評価するところですが、これはもう・・・。強いて言えば、注ぎたては★6相当ですが、10分もしないうちに変化して、そのスケールの大きさと香味の多彩さで★7です。
外観、中身ともにあふれるセンスの良さ。価格は確かに高いですが、それに見合うこだわりを細部(外箱のシール)にまで感じることができる1本です。

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ご無沙汰しております。
随分更新が開いてしまいました。多分このブログが始まって5年、ここまでの長期間更新無しは初じゃないでしょうか。
まず、生きております(笑)。話題のウイルスに感染して隔離されたとか、そういうことではありません。

本業のほうで大きな仕事にぶち当たり、コロナ禍に伴う計画全面見直し、テレワークの緊急導入に伴う混乱。。。作業員が削減されて、仕事量が増えたと言いますか。完全に1日のサイクルが仕事と睡眠になっていました。
休日であっても気軽に仕事が出来てしまうし。。。。マジでテレワーク考えものですよ。
生活のリズムがガラッと変わってしまった1ヶ月、仕事、家庭、そして趣味、こんな非常事態だからこそ、整理しないといけないなと色々考えさせられた期間でした。
ブログの方は、ぼちぼちやっていきます。

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さて、前置きがなくなりましたが、今日のオマケは、ルスタウのアルマセニスタのオールドボトル。年代は不明。ミリオンさんじゃなくて、HATTA SHOTEN名義というところに時代を感じる、ドライタイプのオロロソシェリー。
澱がかなり出てるので、ワインのようにパニエを使って斜め置き。ドライオロロソってそこまで魅力を感じなかったのですが、これはすごく良いですね。長熟酒精強化ワインにあるぞくぞくするような熟成香に、アーモンド、ドライフルーツを思わせる酸味。食後酒だけでなく、食中酒としても大活躍でした。
こういうシェリーが熟成されていた樽を使ったウイスキーは、きっと美味しくなるのでしょう。

グレンマッスル No,3 テイスターコメントやBAR入荷情報について

カテゴリ:
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4月13日に発売された、グレンマッスル No,3 New Born Little Giantおよびその構成原酒。
現在の社会的状況下でのリリース故、不安はありましたが、まさかの数分で完売。
今回のボトルは、イベント等で事前に飲む機会もなく。3作目とはいえ、素性のよくわからない決して安くもないウイスキーに、ここまでの関心を持っていただけて本当に感謝です。

SNSを見ると、買えなかったけど飲んでみたい、どこのBARで飲めるのかわからない。オフィシャルの○○に比べたら割高なのではないか等の様々な反響もありました。
飲めるBARについては、これまで第1作、第2作でも掲載しており、今回も可能な範囲で情報をまとめましたのでこの記事で紹介していきます。
また、先に公開したNo,3のレビュー記事では、ブレンドの行程や三郎丸蒸留所の紹介を主としており。”グレンマッスルとは”の部分を省略していましたので、メンバーのコメントと合わせて改めて記事にまとめたいと思います。

※記事構成
・グレンマッスルのブランド位置付け
・テイスターレビュー(座談会形式)
・グレンマッスルNo,3が飲めるBARリスト

※参考:本ブログでのレビュー

■グレンマッスルとは
グレンマッスルはウイスキー好きのためのオリジナルブランドであり、愛好家が飲んで楽しめるような、笑顔になるようなリリースを目指しています。それは何を基準としているかというと、オフィシャルスタンダードとは異なる領域で、”美味しいだけでなく、ちょっと尖った魅力のあるリリース”であることです。

尖った要素としては、ワクワクするようなバックストーリーや、あるいは特定の個性を強調するような、オフィシャルのそれとは異なるバランスであるとかです。
従来、このジャンルは主にボトラーズリリースが担っていた領域です。
もちろん現在もそうなのですが、原酒の枯渇や価格の高騰から、選択肢は減少傾向にあります。予算を増せば手に入るのは当たり前ですが、ボトラーズメーカーを介して1万円前後という価格帯で、該当するリリースを実現することは困難な状況と言えます。 

ならば自分達で作ることは出来ないか。具体的には国内蒸留所やウイスキーメーカー協力のもと、彼らが保有する原酒を用いてメンバーがブレンドやリリース全般の監修、テイスティング(評価)等を行うもので。。。言い換えると、実例と共にメーカー側に愛好家としての意見を伝えているとも言えます。
そしてそれを実際に作るか、アレンジを加えてリリースするかは、メーカーの判断に委ねられています。

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■グレンマッスルテイスターの評価
No,3に対する自分の感想は、先日熱く語らせてもらった通りです。ではメンバーはどう感じているのか。
本リリースは4月13日発売ですが、JWフェスに合わせてのもので、2月中旬の時点でボトリングは完了、うち1本をサンプルとして取り寄せ、都合のついたメンバーで状態確認をしていました。
その際のメンバーの感想を、トーク形式でまとめていきます。これからグレンマッスルNo,3を飲まれる方は、その手引きとしても楽しんでもらえたら幸いです。


※2020年3月 新宿ウイスキーサロンにて
”ありえたかもしれないマッスルトーク”

くりりん:三郎丸蒸留所からグレンマッスル3のサンプルボトルが届きました。我々がレシピを作った時点から、ちょっとだけ各原酒の熟成も進んでいるので、改めてテイスティングしてどうでしょうか。

静谷:度数はあるのに、思ったより香り立ちが優しいですね。ドライでそこから焚き木を思わせるスモーキーさが、柑橘系の要素と共にある。

木下:・・・(ええやん)。

倉島:黒土や根菜、内陸系のピート香ですが、潮気も伴うような。アルコールの刺激、あとはジンジャーやスパイスを思わせる要素が複数感じられる。ちょっとBBQっぽい煙と甘さも出てきます。

くりりん:香りはそうなんですが、口に含むと一気にきますね。

倉島:確かに。最初はオイリーな感じですが、生き生きとしたピートとスパイシーな刺激に切り替わる。それをふくよかなモルティーさが支えています。

静谷:オレンジビターズみたいな柑橘感、ほろ苦さは味でも感じます。スモーキーさは囲炉裏のような穏やかな感じにまとまっていくんですが、スパイス系のフレーバーが残りますね。

くりりん:若い原酒由来のニュアンスがありつつも、ネガではなくフレッシュな部分に現れていると思います。オイリーでボディのしっかりした酒質や柑橘系のニュアンスは、三郎丸らしさでもあります。

木下:・・・(味もええやん)。

倉島:若さはありますが、このバランスというか複雑さというか、杯が進んでしまうボディ感が良い。

静谷:加水も良いですね。柑橘系の酸味がはちみつ林檎酢みたいな柔らかい感じに変化する。ああ、これはハイボールも良さそう。ちょっと贅沢ですが(笑)

木下:・・・(これはロックやな)。あ、静谷さんロックグラスと氷もらって良いですか?

くりりん:度数は58%ですが、なんだかんだみんな杯が進んでますね(笑)。

静谷:シェリー樽原酒の比率がちょうど良いですね。これ以上多かったら加水やハイボールでバラけてたかもしれません。

倉島:バーボンオーク由来の甘みだけでなく、シェリー樽由来の甘味もちゃんとあるのが面白い。ブレンデッドらしさですね。味で感動するウイスキーではないかもしれないけど、飲んで笑顔になる楽しさ、力強さがあると思います。

木下:・・・(ロックええやん)。

くりりん:将来性という点ではどうでしょう。マッスル4(仮)に向け、現在進行形で同じブレンドの熟成が進んでいるわけですが。

静谷:ちょっと樽の繋ぎというか、余韻にかけて樽感が足りない印象が補われてくれたら面白いですね。

倉島:これはこれでまとまってるけど、完成していない要素もある。追熟の樽はバーボンでしたっけ。

くりりん:バッファロートレースの1st fillだと聞いてます。それを三郎丸蒸留所の冷温熟成庫に保管です。サンプリングして、樽感が足りないようなら、リリース時期や熟成場所を変えて貰うのも手です。
※冷温熟成庫:若鶴酒造にある日本酒用の原料を保管するための倉庫。原酒の一部はここで保管されている。温度は夏場でも20度に届かず、湿度も保たれており、スコットランドに近い環境となっている。

倉島:比較してテイスティングしたら面白そうですよね。そういう意味でも今回のリリースは様々な楽しさがあると思います。

くりりん:比較という意味では、構成原酒もあります。三郎丸蒸留所の可能性を楽しんでもらうというコンセプトとして、現在地、将来のイメージ、双方を比較して楽しんでもらえたら嬉しいですね。

静谷:現時点でも美味しいですが、若さはある。それが熟成を経て良くなっていく姿がはっきりイメージ出来るのが、すごくポジティブな感じだと思います。飲んでて元気でてきました。

くりりん:リリースがますます楽しみですね。リーダー、尺もあるんで最後に今日の総括いただけますか?

木下:ええやん!(ええやん!)

くりりん:皆さん、本日はありがとうございました。


■GLEN MUSCLE No,3 が飲めるBAR
本リストは、ご購入いただいた旨のご連絡、確認がとれたBAR・飲食店のリストとなります。この他、新たに情報がわかりましたら、随時更新していきます。(2020年4月14日時点)

BAR BOTA (北海道 小樽)
BAR Fish born (北海道 帯広)
BAR 無路良(北海道 札幌)
バルハルヤ(北海道 札幌)
洋食屋さん りもーね(岩手 滝沢)
BAR Harry's 高岡(富山 高岡)
BAR 無駄話(茨城 下妻
BAR レモンハート(東京 大泉学園)
旬味 菜野(東京 北千住)
BAR Boushu 蔵前(東京 蔵前)
BAR Groovy(東京 神田)
BAR Eclipse first(東京 神田)
BAR Algernon Sinfonia(東京 赤坂)
BAR もるとや(東京 池袋)
Jam Lounge (東京 高田馬場)
BAR Unite(東京 新宿)
BAR Louge(東京 新宿)
BAR 新宿ウイスキーサロン(東京 新宿)
BAR LIVET(東京 新宿)
BAR Highlander Inn(東京 人形町)
BAR Shu-shu(東京 葛西)
BAR Shanty Shack(神奈川 横浜)
&BAR Old⇔Craft(神奈川 関内)
BAR BARNS(愛知 名古屋)
BAR Rubin's Vase(愛知 名古屋)
ANNIE HALL BAR (京都 ハトヤ瑞鳳閣)
BAR Kaguya(京都 宇治)
BAR シルバームーン(京都 伏見)
BAR TANKS(京都 今出川)
BAR MINMORE HOUSE(大阪 北新地)
BAR SIMON(大阪 難波)
BAR Hotaru (大阪 神山町)
憩処ありがとう(岡山県 笠岡)
BAR TRANSENDANCE(広島 中区胡町)
BAR Shamrock(香川 高松)
BAR Higuchi(福岡 博多)
BAR poco rit(沖縄 松山)

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■最後に
今回のグレンマッスルリリースは、新型コロナウイルスの感染拡大の最中という、大変難しい状況の中で行われました。
ご購入いただいた皆様もそうですが、製造元である若鶴酒造、ならびに三郎丸蒸留所の皆様は、別途ニュースにもなっている高度数アルコール製造対応の真っ只中で、本リリースを行っていただいたということになります。
本当に、頭が上がりません。。。

今回のリリースにあたっても、ジャパニーズウイスキーということを考えれば、価格設定は強気にすることもできたはずです。
しかし我々が贔屓目抜きにみても、プライベートボトルとして妥当(むしろ安い)と思える設定や、蒸留所見学やブレンド作りにおける各種サポート等、本企画に理解をいただいた、三郎丸蒸留所の稲垣マネージャーの「愛好家と一緒にウイスキーを楽しみたい」という心意気があったからこそ、今回のリリースは実現したのだと思います。

レビューや裏ラベルでも触れていますが、グレンマッスルNo,3は、三郎丸蒸留所の将来を、可能性を楽しんでもらうウイスキーです。
それは時間が経てばなんとかなるだろう、という無責任なものではなくて、間違いないというある種の確信を持ってリリースするものです。
その将来のイメージを形にしたのが、No,3 New Born Little Giantであり、現在地が同時にリリースした構成原酒#274です。

勿論、トータルでの完成度としてはオフィシャルの同価格帯でもっと良いものがあると思います。ですが、前置きのとおりグレンマッスルはその領域でトップを目指すものではありません。
このリリースから感じられる将来への期待、ワクワクする気持ち、そしてオフィシャル加水リリースにはない尖った個性、通常のリリースでは語られないようなバックストーリー。。。それらを是非楽しんでいただくと共に、次のリリースにも期待頂けたら幸いです。

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……Special thanks to Saburomaru distillery manager T.Inagaki

See you Next Muscle No,4.

グレンマッスル 3rdリリース 構成原酒 #274 三郎丸蒸留所 63%

カテゴリ:
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SABUROMARU 
GLEN MUSCLE No,3 KEY MALT 
Aged 2 years old 6 months 
Distilled 2017.8 
Bottled 2019.2 
Cask type Bourbon barrel #274 
200ml 63% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後
評価:-(!)

香り:注ぎたては焦げたオークの香ばしさ、立ち上るスモーキーなピート。キャラメルを思わせる甘さに、シトラス、あるいは皮ごと絞ったオレンジを思わせるフレッシュな柑橘香が混じる。徐々にシャープな内陸系のピート香と消毒用アルコールのようなアロマも目立ってくる。

味:スパイシーな刺激と合わせて、とろりとオイリーで粘性のある口当たり。焦げた木材や土、根菜を思わせる強いピート。柑橘系の要素もアクセントになっており、オークと麦芽由来の甘味と混ざり、香ばしさのなかに甘酸っぱさを伴う。
奥には仄かにニューポッティーさと煎餅のような香ばしさ、余韻は支配的なスモーキーさと、ハイプルーフらしい刺激を伴って長く続く。

若さに通じるニュアンスも顔を出してくるが、3年未満の熟成であることを考えれば当然というか、十分すぎる仕上がり。内陸系のピートと、適度なオークフレーバー。甘酸っぱさと香ばしさ、厚みのある酒質由来の香味。加水するとネガティブさに通じる未熟感のあるフレーバーが顔を出すが、熟成による伸び代は充分。
ニューボーン扱いのため評価は記載しないものの、素晴らしい可能性を持ったモルトである。

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先日紹介させていただいた、グレンマッスルNo,3 New Born Little Giant。明日4月13日正午の発売が予定されている訳ですが、同時に数量限定で発売される隠し球が、このグレンマッスル 3rd Release 構成原酒 ”三郎丸 Single Cask #274”です。

50PPMのヘビーピーテッド仕様の麦芽を原料に、三郎丸蒸留所で仕込み、蒸留した、正真正銘のジャパニーズウイスキー。そしてグレンマッスルNo,3の約50%を構成している、文字通りキーモルトです。
チームグレンマッスルメンバーが惚れた”三郎丸の可能性”を、そのままウイスキー好きに味わってもらいたいと希望し、少量ですがリリースしていただけることになりました。
販売はグレンマッスルと同じ、若鶴酒造オンラインショップにて行われるとのことです。


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三郎丸蒸留所(若鶴酒造)は、半世紀以上前からウイスキーを蒸留し、サンシャインウイスキーとして販売してきた歴史があります。
その後クラウドファンディング等を通じて愛好家の支援を受け、2016年から2017年にかけて大規模な改修工事を実施。老朽化した建物の改修、酒質の改善に必要な機器の導入等を行います。その様子は、関連するサイトや過去の記事を参照いただければと思います。

改修工事前の三郎丸蒸留所のウイスキーは、ボディに厚みがある点は良いとしてもオフフレーバーが強く、お世辞にも質が良いとは言い切れないものでした。
一方、工事を終えた2017年、新たに生まれた三郎丸のニューポットは品質が大きく改善され、厚みのあるボディはそのままに、ピーティーなフレーバーが溶け込んだ、将来性を秘めたものとなっていました。
当時、蒸留所を見学して受けた衝撃は鮮明に覚えています。そして、いつかこのウイスキーを使ってブレンドを作りたいと感じたことも・・・。

その後、三郎丸蒸留所の歩みとしては、2018年にマッシュタンを三宅製の最新式のものに交換し、ピートの馴染みがさらに良くなるなど酒質を向上。2019年には世界初の鋳造のポットスチルZEMONを導入。これにより、厚みのあるボディはそのまま、よりネガティブなフレーバーを軽減し、甘酸っぱさとスモーキーさの引き立つニューメイクが生まれています。また設備以外に糖化、発酵、蒸留、各行程において多くの調整があったことも触れておかねばなりません。
2020年は一部の発酵曹を木桶にするなど、更なる工夫が設備や素材の両面で行われており、その歩みは未だとどまらず。更なる進化を遂げようとしています。

三郎丸新旧ポットスチル
(三郎丸蒸留所のポットスチル。改修工事前のステンレス製のスチル・上と、改修後のネック部分が銅製に切り替わったもの・下。三郎丸のスチルは、ネックから冷却用コンデンサまでの距離が極めて短い配置であること(画像下、水滴の場所からコンデンサ)。コンデンサとワームタブの2つの冷却機構が、1つのスチルに連続して備わっていることが特徴で、これが重くボディのしっかりした酒質の要因のひとつであると推察される。)

今回、我々愛好家チームがレシピを模索するにあたり、複数の原酒をテイスティングするなかで「これは」と惚れ込んだのが、このCask No,274。グレンマッスルNo,3の裏ラベルに書かれた「2020年で3年熟成となる」という、2017年の改修後に仕込まれた三郎丸モルトです。
蒸留所の進化としてはまだ1歩目時点の原酒ですが、その1歩が限りなく大きかったことは先に書いた通りです。

熟成期間から当然多少の若さがあり、粗削りな部分はありますが、熟成に耐える厚みと削りしろの残された酒質。その酒質はジャパニーズウイスキーのなかでも特にピーティーでスモーキーなフレーバーが自然に溶け込んでいることから、原石と言えるウイスキーだと言えます。
プロスポーツのスカウトが、若手のなかに光り輝く逸材を見つけた時の気持ちは、こんな感じなのでしょうか。数年先を思うだけで実にワクワクしてきます。

ピートの産地の関係でヨード香はありませんが、その酒質は日本の中のアイラのような、ラガヴーリンを思わせるような・・・熟成を経ることで、まさに巨人と称される蒸留所に届きうるポテンシャルを秘めていると評価します
グレンマッスルNo,3のレシピは、原酒の魅力はそのままに、輸入原酒の力も使って若い部分を打ち消し、本来なら5年先にたどり着くようなシングルモルトとしての構成を表現することをテーマとしています。
このシングルカスクリリースでは、その原点たる味わい、大いなる可能性を楽しんでもらえたら幸いです。

BAR予約チケット 並びに各種関連サービスのまとめ

カテゴリ:
新型コロナウイルスの感染拡大。。。いやもう、前置きは不要でしょう。とにかく、ヤバい。特に我々お酒を趣味とする人間の心のより処といえるBARがヤバい。人が街に居ない状況で、人が来なければ商売にならないBAR等の飲食店は、極めて厳しい状況に置かれています。

そうしたBARをお客側から支援するシステムとして、料金の先払いを可能とする取り組みが注目され、いくつかのサービスが動き出しています。
今日の記事ではそうしたサービスや、各店舗の取り組みについて、現時点で自分が把握している範囲のものを紹介していきます。
※もし、こういう取り組みもある、という情報がありましたら、コメントやメッセージにてお知らせください。店舗独自のものでも問題ありません。


本記事の内容
・BAR予約チケット(レモンハート、ウイスキーフープ)
・ボトルキープ代行サービス(Bottle keep Tokyo)
・その他各店舗毎の取り組み、酒類テイクアウトについて(新宿ウイスキーサロン&BAR LIVET、BAR Tenderly)

この手のサービスは「情報が知られなければ支援が行われない」、「見知らぬ店舗を利用者が支援する可能性は極めて低い」ことから、常連による支援・周知が重要です。是非なじみの店が掲載されていることや、システムの利用をSNSを通じて呼び掛けてほしいです。
また長期的な支援を呼び込むため、店舗側も、予約チケットは必ずしも通常の会計で使うことを前提とするのではなく、定期的に新しい情報や、”いくら分でこのサービスが利用できる”といった、独自のメニューも打ち出してほしいです。
事態が終息した後で美味いお酒とBARがもたらす特別な空間、一時を味わうため、みんなで協力できればと思います。


■BARレモンハート 予約チケット販売
まずは先日、当ブログでも紹介させていただいたBARレモンハートさんの取り組みです。(該当記事はこちら。)
掲載されたBARの予約チケットの販売を代行するもので、料金は1口1000円※から。支払い方法は、カード、振り込み、どちらでも。売り上げは定期的にまとめて当該BARに支払われ、チケットは後日紙のものが購入者のもとに郵送されます。(チケットと引き換えで代金が振り込まれるものではありません。)
WEBショップへのBARの掲載について、特に取引実績などの基準はなく、申請があれば12時間以内に掲載。現在は以下の11店舗が掲載されています。

トップ画像BARチケット販売

BAR レモンハート 飲食店チケット
掲載店舗(4月11日時点)
・&BAR Old⇔Craft
・BAR 夜さり
・BAR CALMKNOT
・BAR Espace Rassurant
・BAR Prima
・BAR Tail
・BAR 新宿ウイスキーサロン
・BAR LIVET
・BAR Scotch & Branch
・Shot Bar Hangout

※チケットは本来非課税販売ですが、レモンハートのサービスは消費税分を含めて各店舗にチケットの売り上げが入金される建て替え的な方式であるとのこと。そのため、該当チケットでの飲食分については利用時に消費税が不要となります。
また、売上金は各掲載BAR毎の希望日、期間を設定し(例えば毎月1日に振り込み、等)、定期的にまとめて先払い金が振り込まれます。


■The Whisky Hoop "Support the BARS"
 日本発の会員制ボトラーズグループであるウイスキーフープが、「料金先払いチケット」を扱うサイト、"Support the BARS"を立ち上げました。
基本的な流れは上記レモンハートのものと同じで、特定のBARで利用可能なチケットの販売を代行し、該当店に売り上げが支払われるサービスですが、掲載BARはウイスキーフープの加盟店に限られています。

それでも流石、日本発にして最大規模のボトラーズ。ウイスキー界隈の有名店含めてかなりの登録数です。販売代行のため、通常営業ならカードを使えないお店まで。。。
同サイトでのチケット料金は1口10000円(非課税)で、支払いはカードのみ可。チケットはPDFでEチケットとして発行され、メールで購入者へと届くシステムとなっています。

Whiskyhoop

Support the BARS
掲載店舗
・Bar Main Malt 
・BAR キャンベルタウンロッホ
・ヘルムズデール
・BAR パークモア
・Bar Rosebank
・ミンモアハウス
・Ginza Zenith
・BAR Te・Airigh
・shamrock
・OAKs
・KEITH
・Wine & Highballつちや
・Bar Higchi 
・BAR Luckenbooth
・BAR Reload
・Bar Nadurra
・Albion's Bar
・バー 歩古ホール
・Bar MOTHER'S
・AUTHENTIC BAR Brownie
・Malt Bar Kirkwall
・焼鳥こにし
・コーヒーバーカレッジ
・BAR LIVET
・新宿ウイスキーサロン
・ショットバーNEAT
・Bar TOWSER
・Bar Smoky
・Bar オードヴィー
・Bar Skye
・Cask Strength
・水楢佳寿久
・WODKA Tonic
・MALT Bar BAGUS
・Sandy Macdonald
・Sightglass


■WEBから出来るボトルキープ”Bottle Keep Tokyo”
チケット以外にもうひとつ、先行販売の選択にあるのがボトルキープ。これは古くからある立派な先払いのシステムです。
このボトルキープの販売を、東京、大阪、神奈川、茨城、福岡、宮城、埼玉、千葉の8都道府県において代行するシステム”Bottle Keep Tokyo”が、4月14日にオープンするそうです。

詳細についてはまだ確認できていませんが、ボトルキープの代行以外に、登録したBARの在庫情報や、利用者からBARへのメッセージなども発信する、BARとお客の相互リンクのようなサービスになる模様。
現在、オープンに先立ち登録店舗の募集が、以下のサイトにて告知と共に行われています。

Keepbottle
当該サービスサイト:https://bottlekeep.tokyo/index.html

ニュースリリースおよび登録店舗募集:


■その他、各店舗毎の取り組みについて
先日、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、6月までに申請のあった事業者に、限定的な酒販免許の交付を認める期限付酒類小売業免許」制度が施行されました。
これにより、通常のBARや飲食店でも、申請すれば酒類のテイクアウトができるようになること。また全国へのネット販売はNGですが、該当する事業者が所在地とする都道府県内であればデリバリーすることが可能となります。

こちらについては一昨日発表されたばかりということもあり、現在進行形で様々な取り組みが増えていこうとしている状況です。
例えば、”ウイスキー等の酒類の小瓶テイクアウト”はもちろん、”カクテルのレシピを材料毎に混ぜない状態でセットにして販売”という動きもあります。
人が来て、滞在して、飲んでくれなければ商売が成り立たないという前提が、少しだけ緩和されようとしています。すでに一部の店舗では、申請と合わせて上記サービスの準備中が進行中のようです。


一方、BARが個別に公開しているチケットサービスとしては、自分の周囲ではBAR LIVET(新宿ウイスキーサロン)さん、BAR Tenderlyさんが、独自のプランの販売を開始しています。
ただの前売りではなく、純粋なテイスティングプランもあり、この状況を何とかしたいという焦りだけでなく、早く事態が終息してみんなで美味しいお酒を飲みたい、という店主の意気込みが伝わってくるようです。

こうしたチケットやプランは、他のBARでも独自に展開されてはどうかと思います。
冒頭でも触れましたが、決済システムは上記の予約チケットを活用し、そのチケット○枚で○○○プランの利用可、とかですね。あるいはTenderlyさんのように代行サービスを利用せず、独自にブログなどを使ってチケット発行や支払い方法の設定などを行うのも手です。
(振り込みだけでなく、カード決済が出来るが、現在あるチケット代行サービスの利点です。)

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新宿ウイスキーサロン&BAR LIVET テイスティングチケット
・グレンリベット、グレンモーレンジのボトルキープチケット
・スコッチブレンデッドウイスキー45種類飲み放題
・竹鶴ピュアモルト4種類テイスティングチケット
・スコッチモルトソサイエティ全51種類テイスティングチケット
。。。等

BAR Tenderly 応援チケット
先払いとなる1000円チケット5枚、10枚、30枚、50枚の発行。それぞれにオマケとして、カクテルチケットやウイスキーチケットが付属する。


チケットによる料金先払い、ボトルキープ、酒類テイクアウト&デリバリー。あるいは休業とそれに伴う保証制度、各種融資。
新型コロナウイルスの感染拡大を避けるため、3密を避け、不要不急の外出を控えるという状況のなかで、条件の緩和から店、客、双方にとって使える手札が増えてきています。

最も、我々が何を求めてBARに行くかというと、それはお酒だけではなく、BARという空間、雰囲気、そしてバーマンの人間味にあります。単に酒のストック数だけでは優劣測れない、BARの付加価値でもあったはずです。
つまりBARにおけるテイクアウトやデリバリーは、ただお酒を売るだけではなく、そこに何を付加価値としていくかも考えなければなりません。同じことを考える事業者は多く、物量ヒエラルキーでは、一般的なBARはその手の専門店には敵わない。必ずしも、該当する制度や免許だけで状況が改善するとは思えません。

この店の魅力はなにか、なぜ人が来てくれているのか。それをどうお酒にのせていくのか。あるいはどんなサービスが出来るのか。厳しい意見になりますが、新しい環境に対応出来なけれなければ、長期的にチケットや小瓶の購入等は続きません。今この時間のなかでそれを整理し、考えた上での対応策も、ゆくゆくは打ち出す必要があると思います。
例えば休業するにしても、その間は酒の話題をひたすらSNSやブログで発信するとかでも良いと思います。その発信を見た新規顧客がお店に来てくれるかもしれません。客離れに歯止めがかかり、チケットを買ってくれるかもしれません。
自分だってこんなブログを書いていたからこそ、見てくれた人たちから思いがけぬチャンス、機会を頂くことはこれまでも多くありました。待つだけでなく、情報を収集し、そして動く必要があるのだと思うのです。


先日の記事でも書きましたが、日本という国に根付いた酒文化は世界に誇れるものです。
その酒文化を構成しているのが、多種多様な魅力で、社会を彩ってきたBARや飲食店です。
その文化の火がまさに消えてしまうかもしれない、未曾有の危機が訪れています。
我々ユーザーサイドもまた、自分に何が出来るのか、それを考えて行動するのは今です。

現在の状況で、直接お店に行けとは申しません。SNS等を通じて、馴染みのお店とコンタクトをとるなどし、情報をやり取りする。必要に応じて情報を発信し、上記の前払い制度を使うなど今出来る支援を行う。。。
新型コロナウイルスの対策には、一人一人が当事者意識を持つことが求められますが、ならば酒文化の存続もまた、我々一人一人に当事者意識が必要なのではないでしょうか。
愛好家側も難しい状況にありますが、一緒にこの危機を乗り越えて、また美味い酒を飲みましょう!!

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