アーカイブ

2019年12月

アッシャーズ グリーンストライプ 1980年代流通 特級表記 43%

カテゴリ:
IMG_20191217_213222
USHER'S 
GREEN STRIPE 
BLENDED SCOTCH WHISKY 
1980's
750ml 43% 

グラス:国際規格テイスティング
時期:開封後1ヶ月程度
場所:&BAR Old⇔Craft 
評価:★★★★(4ー5)

香り:ドライでプレーンな香り立ち。ザラメを思わせる甘さ、乾いた穀物や干し草、若いモルティーさも奥に感じられる。

味:口内に粗さの残る口当たり。グレーン由来のバニラウェハースやサトウキビのような甘味。ハイランド系のプレーンなモルトと針葉樹を思わせる乾いたウッディネス。
余韻はドライでオレンジピールのほろ苦さ、微かにピーティー。

グレーン感強く全体的に原酒も若い、ライトでドライな味わい。個性の穏やかな内陸原酒に、7~8割はグレーンと思われる構成である。グレーンも若いためか蜂蜜のようなとろりとしたコクはなく、乾いたような印象も受ける。ハイボールで飲むにはちょうど良さそう。

IMG_20191217_213256

ウイスキーの勉強でブレンデッドウイスキーウイスキーのルーツを探ったことがある方なら、名前を見たことがあるのではないかという、ブレンデッドスコッチの元祖とも言える銘柄がアッシャーズです。
キーモルトはコールバーン。古くはグレンリベットが紐付けられますが、同ブランドは1919年からDCL傘下となっているため、以降は同グループにおけるブレンド用のバルク(ハイランドタイプ)が、モルトの大部分を締めているのではないかと感じます。

1860年、法改正からモルトとグレーンをブレンドすることが許可された時代。真っ先にブレンデッドウイスキー”アッシャーズ”を作り出したのが、アンドリュー・アッシャー社。
以後、アッシャーズはリリースが継続され、
大変長い歴史とエピソードに溢れた銘柄となるのですが。この半世紀の味の推移を振り返えると、60年代は平均的、しかし70年代から80年代に大多数のスコッチから徐々にモルティーさとコクがなくなっていくなかで、それ以上の勢いで味を落としているという印象があります。

この原因となるブレンドレシピを紐解くエピソードが、アッシャーズのルーツにある銘柄、1853年に誕生したUSHER'S Old Vatted Glenlivet(OVG)にあります。
OVGの発売当時は、異なるヴィンテージのグレンリベットをブレンドしたバッテッドモルトでしたが、1880年には3分の2が安価なグレーンで構成されていたとされ、グレンリベットは僅か10%程度しか使われていなかったと言います。

結果、僅か10%程度しかグレンリベットを使っていないのに、グレンリベットを名乗るとはどういうことか、という問題にもなったそうですが、その話はまた別の機会に。
いずれにせよ同社が同じ整理でアッシャーズを作っていたとすれば、蛙の子は蛙というか。モルトのパワーが弱くなったと共に味を落とすのも納得のレシピだなと。なんとも諸行無常な味わいであります。

IMG_20191220_191947
今日のオマケ:セントクレア シャルドネ パイオニアブロック No,11 2016

ニュージーランドのシャルドネ。値段の割に良いと評価の高いブランドのようで、試しに2本お買い上げ。赤のピノ・ノワールのほうは神の雫でも取り上げられ、知名度が上がってきているそうです。

グレープフルーツやライチ、酸のある林檎を思わせる果実香に、口内で微微炭酸とも言えるじゅわっとした刺激を与えるミネラル分から、しっかりめの酸とコクを感じる味わい。
余韻にかけて樽由来のウッディネスが全体を引き締める構成。
X'masのおうちディナーで、鶏の丸焼き(ハーブ、ガーリック、塩味系)とも合わせてみましたが、皮や肉の脂を酸味が緩和し、新世界らしくボディの強い味わいが全体を包み込む。なかなか良い組み合わせで楽しむことが出来ました。

シークレットスペイサイド(マッカラン) 24年 1994-2019 酒育の会 49.3%

カテゴリ:
IMG_20191212_211728
SECRET SPEYSIDE DISTILLERY 
For Shuiku no kai 
Aged 24 years 
Distilled 1994/07 
Bottled 2019/01 
Cask type Bourbon Barrel #1408895 
700ml 49.3% 

グラス:ー
場所:BAR Fingal 
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:華やかでオーキー、しっかりと樽香を感じさせる香り立ち。オーク香はバニラや蒸かした栗を思わせる甘さに、ファイバーパイナップル、砂糖のかかったオレンジピールなど果実の中身よりも皮や茎の部分をイメージさせるドライフルーツ香がアクセントになっている。

味:やや粉っぽさを感じる口当たりだが、バニラやバタークッキー、じわじわとアップルパイ。焼いた生地のような要素の混じる果実感をアクセントに、濃いオークフレーバーが酒質を支えにして口内に広がる。
余韻は華やかなオーキーさと、削りかすを思わせるざらついたウッディネス。バーボン樽由来のトロピカルフレーバーが奥から戻るように開き、好ましいフィニッシュを構成する。

オークフレーバーに加えて、アメリカンオークのエキスがかなり溶け出しているような1本。バーボン樽系の圧殺というべきか、かなりの樽味。しかし酒質の強さが樽感を支えていて、味わいの基礎として余韻までヘタらず香味を広げてくれる。少量加水すると序盤の粉っぽさ、甘さがまとまってより華やかなニュアンスを感じさせる。仕上がりの分かりやすさと共に、原酒のポテンシャルを感じる1本。

20191018_originalbottle-1068x1275

みのも○た、ではなく日本の戦後独立から高度経済成長を支えた偉人の一人、白洲次郎をモデルにしたと思われるラベル。
正確にいうと、どこにもそんなことは書かれていないのですが。デザインのベースは、著書「プリンシプルのない日本」の表紙にも使われた写真(以下、参照)。そこに"パイプ"を咥えさせ、武骨な"ロックグラス"を持っているアレンジが、このラベルのもととなった人物が、白洲次郎氏であることを明確に伝えていると言えます。

ラベルの背景を見ると、うっすらと書かれている軍服姿の人物がおり、これはダグラス・マッカーサー元帥でしょうか。両氏の間にはいくつか逸話があり、なかでも有名なのは”昭和天皇からのクリスマスプレゼント”ですね。
占領下にあった日本とはいえ、天皇陛下に非礼を働いたマッカーサー氏を怒鳴り付けたという真偽不明なエピソードですが、この他、白洲次郎氏とGHQとの間には「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめるだけの関係があったとされています。
ラベルの人物が咥えているパイプは、マッカーサー氏の有名な写真に写るものと同じ形状。知っている方なら、思わずニヤリとさせられる組み合わせです。

bdbd385c

また、手に持っているグラスは単にロックグラスではなく、”ボトルをカット”して作ったお手製のグラスかなと。
学生時代、白洲次郎氏はイギリスに留学しており、その際に親交を深めたうちの一人が、若き日のストラフォード伯爵。この縁で、戦後の日本でありながら、白洲次郎氏はスコッチウイスキーをストラフォード伯爵経由で個人輸入して楽しむ(樽そのものをプレゼントされていたという話もある)という、一般には考えられないような生活をしていたとされ。。。この時、飲みきってしまったボトルをカットし、グラスとして使っていたというエピソードが残されているのです。

IMG_20191224_145234
(白洲次郎氏がストラフォード伯爵から贈られたボトルに張られていた裏ラベルの実物。こんなボトルを実際に伯爵から贈られたら、間違いなく震える。。。Mrの文字の重みが凄い。)

さて、ラベルに仕組まれたギミックが面白かったのでついつい前置きが長くなりましたが、ここからが中身の話です(笑)。
このストラフォード伯爵から日本に届いていた銘柄が、マッカラン、グレンファークラス、そしてブレンデッドウイスキーのブラックボトルでした。
なんて羨ましい・・・という心の声はさておき、今回のリリースはスペイサイド地域の蒸留所のシングルモルトであることから、関係する中身として、マッカランかグレンファークラスのどちらか。バーボン樽のリリースということから、マッカランであるようです。

マッカラン=シェリー樽というイメージはありますが、元々マッカランは酒質がヘビーで強く、こってりとしたシェリー樽や加水で調整されてバランスがとれるような原酒です。
よって、小さいバーボン樽で長期間熟成してもそれに負けることはなく。今回のリリースも樽感はかなり強くでて濃縮したようなオーキーさはあるものの、それを口内で広げるような力が残っている点が印象的でした。

熟成感があり、普通に美味しいスペイサイドモルトで、特に余韻にかけての好ましいフルーティーさが魅力。ここだけならもう1ポイント上の評価をつけようかと思うくらい。
また、そこに単なるラベル売りと思わせない工夫のあるデザインや、中身との繋がりにあるエピソード。。。流石趣味としてのお酒の楽しみ方を広める、酒育の会のオリジナル。
味だけでなく情報も楽しむ嗜好品として、申し分ない出来の1本だと思います。

安積蒸留所 ザ・ファースト 山桜 3年 50%

カテゴリ:
IMG_20191222_114531
YAMAZAKURA 
JAPANESE SINGLE MALT WHISKY 
ASAKA "The First"
Aged 3 years 
Distilled 2016
Bottled 2019
700ml 50%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:自宅
評価:★★★★(4-5)

香り:レモンタルトを思わせる酸と軽やかに香ばしい麦芽香主体。微かに酵母香、焦げたオークのアクセント。あまり複雑さはないがフレッシュで嫌味の少ないアロマ。

味: 若々しく、レモングラスや微かに乳酸っぽさも伴うニューポッティーな含み香。口当たりはとろりとした甘みから柑橘類を皮ごとかじったような酸味と渋み、麦芽由来のほろ苦さがある。
余韻はアメリカンオークのバニラ、微かな焦げ感。序盤に感じた酸味と共にざらざらとした粗さが若干ある。オーキーな華やかさは今後熟成を経て開いていくことが期待される。

樽感はほどほどで、ところどころ粗さを残した酒質。まだ完成品とは言い難い、スタートラインのモルト。それ故現時点での評価は本ブログの基準点の範囲となるが、これをもって将来を悲観するような出来ではないことは明記したい。
この蒸留所の特徴とも言える、酸味に類するフレーバーやコクのある味わいは健在で、オフフレーバーも目立たない。今後の成長を安心して見ていける、素性の良い原酒である。なお加水するとオーク香が多少開くだけでなく、粗さが落ち着いてぐっと飲みやすくなる点も、将来が期待できる要素である。

IMG_20191222_205834

2016年、試験蒸留期間を経て稼働した福島県郡山市の安積蒸留所。スコッチの基準でウイスキーを名乗れる、3年熟成の条件を満たしたシングルモルトがいよいよリリースされました。
蒸留所を操業するのは、かつて羽生蒸留所の原酒の引き取り先として、資金を肩代わりし熟成庫を提供した笹の川酒造。その安積蒸留所のウイスキー作り開始にあたっては、イチローズモルトが逆にスタッフの研修先となったり、肥土さんがアドバイスをされるなど、両社の繋がりが創ったウイスキーでもあります。

安積蒸留所の原酒は、ミディアムボディというか、そこまで癖の強いタイプではなく、初期からオフフレーバーも少ない仕上がりでした。
ただし基準(3年熟成)を満たしたといっても、スコッチタイプの原酒が3年でピークに仕上がる訳がなく。。。安積蒸留所の熟成環境なら最低でも5年、最初のピークとしては7~8年は見たいという印象。とはいえウイスキーを名乗れる基準を満たしてのリリースであるため、他のリリースと同様の整理のもと、当ブログの評価分類に加えることとします。

樽構成はラベルに記載がありませんが、ファーストフィルのバーボン樽を軸に据えに、リフィル(ウイスキーカスク含む)や新樽等を加えたような、いずれにせよアメリカンオークの樽がほとんどを締めると思われるバッティング。シェリーは使われていないか、使われていても1樽とかリフィルとか、全体に対して少量ではという感じですね。

アメリカンオークがメインとなると、華やかで黄色いフルーツやバニラっぽさのあるオークフレーバーを連想しますが、さすがに熟成期間からそこまで強く効いておらず、まだ蕾というか種から芽吹いたレベル。該当するフレーバーの兆しがないわけではなく、オーキーな要素が所々に溶け込んでいて、今後の熟成を経て開いていくという感じです。
それこそ7~8年熟成させれば、温暖な日本での熟成らしいリッチなウッディさとオークフレーバー、アプリコット系の甘酸っぱさが混じるような味わいになるのではと期待しています。

d20eb983
(安積蒸留所のポットスチルとニューメイク。同蒸留所の原酒や環境等については、2年目時点での比較記事を参照頂きたい。なお、2019年までの仕込みに用いたマッシュタンはステンレスだが、2020年に向けて木桶を導入して更なる進化を目指す模様。)

一方、ここで違和感を覚えたのが、ファーストリリースの樽の強さです。
安積蒸留所は、東北の盆地の中心部分という、夏暑く冬寒い、寒暖差の激しい地域にあります。
そのため、これまで複数リリースされた1年熟成程度のニューボーンには、新樽やシェリー樽のものなど今回のリリースより樽感の強いものが普通にありました。 そうした原酒を活かしたバッティングも、恐らくできたはずです。
ですが、裏ラベルにも書かれている「安積蒸留所の風味の傾向」を主とするため、一部そうした樽は使いつつも、あえてそう仕上げなかったのではないかと感じました。

では風味の傾向とは何か。今回、原酒の成長を確認する意味も兼ねて、ファーストリリースのコメントと、ほぼ同じ時期のニューポットのコメントを比較して、残っているフレーバーとなくなったフレーバを整理してみました。同時に比較をしたわけではありませんが、「安積蒸留所の風味の傾向」を形成する、熟成によって変化した、酒質由来と樽由来の要素を可視化する整理ができたのではないかと思います。

IMG_20191223_183212

※2016年蒸留原酒、ニューポット時点でのテイスティングコメント
香り:酸味が強く、ドライなアルコール感と微かに発酵臭を伴うアロマ。加水すると乾燥させた麦芽、おかき、無糖のシリアルを思わせる香ばしさを感じる。  

味:軽くスパイシーな口当たり、最初はニューポットらしい乳酸系で微かに発酵したような酸味、口の中で転がすとオイリーで香ばしい麦芽風味が主体的に。 余韻は麦芽系のフレーバーが後を引きつつあっさりとしているボディはミドル程度、加水するとバランスがとれて口当たりは柔らかくまろやかに。 

また、過去のコメントではフルーティーなタイプというより、田舎料理のような素朴さがあるというコメントも。
今回のボトルのテイスティングをするにあたり、あえて過去の記事は見直していません。ファーストをテイスティングをした後で改めて両コメントを見直して、強く共通する部分は太字で、あまり感じられなくなった部分を取り消し線で表記。
未熟成によるネガな要素が熟成によって軽減されたことは勿論、酒質部分は「酸、香ばしさ、コク(オイリーというよりはとろみ)のある麦芽由来の風味」この点が共通項として残る要素となります。

つまりこれが、安積蒸留所の風味の傾向なのではないかと思うのです。
あくまで自分の個人的な整理、考察でしかないため後日機会があれば蒸留所関係者に話は聞いてみたい。とはいえ、もしこれから飲まれる方は、ベースにある要素を意識しつつ飲んで貰えると、その傾向が分かりやすいのではないかと思います。
なお当時から加水でのバランスも評価していますが、見直すまですっかり忘れてました(汗)。


さて、今回リリースされた安積蒸留所の3年熟成品を筆頭に、新たに開業したクラフト蒸留所のシングルモルトウイスキー・リリースラッシュがこれから始まります。
その際、香味を「若い」と感じることは間違いなくあると思いますがこの場合の「若い」は、それ以上の原酒が蒸留所に存在しえないのだから当然であって、無い袖は振れないもの。だから悪いという話ではありません。

まず大事なのは”ちゃんとウイスキーである”ということ。理想的には”その蒸留所の個性を認識できる”こと。この辺は人間も同じですよね。
3年熟成時点で、明確にピークを見据えていけるスタートラインにある、というのがこの時点のリリースで認識されるべき一つのポイントだと思います。
当たり前のように思えるかもしれませんが、そうではないモノも当然あるのです。
そして成長を楽しみながら、次を思い描く。その点で、安積The Firstは十分に条件を満たしたリリースだと感じています。

IMG_20191116_121208
(ウイスキーフェスティバル2019会場、笹の川酒造ブースにて。出荷前の安積ファーストと山口社長。)
こうして"安積"の名を冠するウイスキーが目の前にあるということ、元郡山市民としては感慨深いものがあります。
3年前の夏、初めて蒸留所を見学させて貰った日から今日まではあっという間でしたが、先日の台風災害対応を始め、蒸留所としては様々な苦労があったことと思います。
改めて蒸留所の皆様、ファーストリリース、おめでとうございます!

竹鶴21年 ピュアモルト 2018年ロット 43%

カテゴリ:
IMG_20191221_022554
NIKKA WHISKY 
TAKETSURU 
PURE MALT 
Aged 21 years 
Lot No,6/10H04104 
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:自宅@ブランドサンプルTさん
時期:不明
評価:★★★★★★★(6ー7)

【ブラインドテイスティング回答】
注いだ時の香りでジャパニーズっぽさ。
香りに宮城峡っぽいフルーティーさ。
明らかにそれとわかる複数原酒の多層感。
竹鶴21年。今年か去年のロット。

香り:リメード樽や長熟向け新樽を思わせるメローなウッディーさと、ナッツの軽い香ばしさ。リンゴのカラメル煮や熟した黄色い果実香。グレープフルーツの綿を思わせる柑橘感を伴うほろ苦さをピート香と共に感じる。

味:ビター&スウィート。蜜柑の缶詰シロップやアプリコットジャム、あるいは焦がしたリンゴ。フルーティーさが水っぽいところから形を帯びて行くに従い、ほろ苦い麦芽風味が後を追うような多層的な味わい。味の濃さに対して少しボディが軽い気もするが、余韻はウッディーでビター、フルーティーなシロップの甘みに混じって、どっしりとしたピーティーさが口内に残り長く続く。

ニッカ的かつ日本的な樽香の中にフルーティーで熟成したモルトの存在感。濃厚ながら飲み飽きず杯を重ねられる多層的な構成で、現行品の中でも銘酒たる逸品。
少量加水すると香りで香ばしさが強く。基本的には余市にあるしっかりとして香ばしい麦芽香、甘くフルーティーな熟成した宮城峡等の原酒の要素で満たされている。

IMG_20191214_210933

そう言えば、ちゃんと竹鶴21年近年ロットの記事を書いてなかったなと。テイスティングの機会を頂いたので2018年ロットをレビューします。

21年の特徴は、日本的な熟成感のあるフルーティーさです。
2001年にリリースされた最初期の21年は、ブレンデッドモルトらしく個性が主張し合うというか、多少散らかったような感じがありましたが、作り手側にノウハウが蓄積してきたのか、リリースから数年でキャラを確立した印象。
加水調整されていることで、日本的な濃いウッディさがフルーティーさ、スモーキーフレーバーと混じり合った奥深い仕上がりは、国内外で高い評価を受けています。

樽構成はテイスティング中でも触れたように、リメードや長期熟成向けの新樽がメインと思われる構成。
1グレード下の17年のほうは、バーボンオークを思わせる華やかなフルーティーさのある原酒に、シェリー樽やヘビーチャータイプの新樽原酒等も使われていて、どっしりとした香味構成。同じ2018年ロットでは、シェリー樽原酒の比率が減ったのか、サルファリーさの少ない香味構成への変化があり(初期の頃は硫黄っぽさはなかったので、先祖がえりしたとも言える)。
一方、21年は安定して入手しやすい樽がメインであるからか、一番風味がリッチだった2005年前後のものに比べ、多少ボディが薄くなっているものの、全期間通じて同じ系統の仕上がりが特徴とも言えます。

出荷規制がかかっていて、なかなかお目にかかれないボトルではありますが、だからこその香味の維持と安定感。量産していたら間違いなくスカスカになっていたと思うんですよね。
見かけたらじっくり家飲みで使いたい。。。と言いつつ一晩で100ml以上は軽く飲んでしまいそう。頂いたサンプルも即完飲。昔と変わらずニッカの魅力が丸ごと詰まった佳酒でありました。

IMG_20191222_152828
IMG_20191214_212151

先日紹介したラフロイグに続き、ウイスキー仲間からのブラインドサンプル。ラフロイグからの連戦で計3問挑戦。ただ、これらを順々に挑戦した時点で、出題者の策にのせられていたのです。
というのも、最初に若いラフという強烈な個性を置き。次が竹鶴21年、これはパンチはないものの、香味がしっかり残るタイプ。ラストはシーバスリーガル25年。。。度数も香味の強さも3段構えで最後の出題にかけて穏やかに、逆に繊細になっていくことで難易度を上げる策士っぷり。

結果、最後のシーバスでは「スコッチ寄りのフルーティーさメイン。ウッディで枯れた要素もある、上位グレードのブレンデッド」と前置きしつつも前の出題のニッカ味の記憶に引きずられ、ザ・ニッカ12年と回答。。。
一呼吸置いて飲みなおすとモロ長熟スコッチの味で、まだまだ鍛練が足りないなあと。
というか、今年を振り返えると去年ほどブラインドはやっておらず。年2回のとあるブラインドコンペも、直近のものは過去4回のなかで最も成績が悪かった。何事も日々鍛練が重要ですね。

ゴールドスタッグ (グレンスタッグ) 10年 1980年代流通 特級表記 43%

カテゴリ:
IMG_20191204_212526
GOLD STAG 
(GLEN STAG)
Over 10 Years 
Old Scotch Whisky 
1980's 
750ml 43% 

グラス:国際規格テイスティンググラス
時期:不明
場所:お酒の美術館 神田店
暫定評価:★★★★★★(5ー6)

香り:ナッツやウェハースどの軽い甘さと乾いたアロマ。スワリングで穏やかなスモーキーさも感じられるが基本はライト。

味:やや軽めの口当たり。薄めたケーキシロップやバニラ系統の柔らかい甘味、グレーンの穀物感も感じられるが、徐々にアイラ系のピートが主張してくる。
余韻はほどよくピーティーで、グレープフルーツを思わせるフルーティーさがじわりと残り、次の一口を補正する。

香りも序盤の味わいもライトで、グレーンが強くやや個性が乏しいが、余韻だけは見るところがあるブレンデッド。古きよき時代のアイラモルトを思わせるピートとフルーティーさが、味の後半部分にだけ感じられる、余韻で旨いウイスキー。。。この余韻を由来するのは何か。時期的にボウモアでないのは確か。ここだけは★6。

IMG_20191204_212545

先日同時期流通の15年をレビューした、グレン・タラ社が手掛けるグレンスタッグの10年熟成品。同じく日本市場向けの輸出銘柄です。
10年グレードでありながらゴールド表記の特別仕様っぽいのは謎ですが、ひょっとするとグレンスタッグとして販売されているものより、少しだけモルト比率が高いのかもしれません。(あるいは10年が見劣りしないためにラベルを変えたか)

なぜモルト比率が高いと感じたかというと、一つは裏ラベルの記載。
当たり前やんと思われるかもですが、モルト4:グレーン6の比率は、特段高いものではなくスタンダードレベルといっても過言ではなく。他方で先日レビューした15年は3:7あるいはそれよりモルトが少ないのではと思えるくらい、グレーンが強くモルト由来の風味と認識できるスモーキーさに広がりが感じられず。それをハッキリ余韻で旨いと感じられる点が、その部分の比率をあげて来たのではないかと感じた訳です。

ちなみにそのISLAND MALTと表記されるものが今回のテイスティングで最大の謎。
グレン・タラ社は1980年前後からグレン・タラ ピュアアイラモルト(シングルモルト)ウイスキーをリリースしていますが、これはラベルに「Distilled on the Island of Islay off the West Coast of Scotland」(スコットランドのアイラ島の西海岸で蒸留されたモルト)アイラ島で蒸留されたモルトの記載があり、これはグレンタラ社と繋がりのあるインバーゴードングループ傘下の蒸留所から、ブルイックラディであるとされています。

成る程、アイランドモルトの12%はラディかと納得したいのですが、当時のラディは極ライトピートタイプで、こういう余韻にはならず。しかし同グループ傘下の他の原酒で、該当するものが見当たらず。。。当時はアイラモルトのバルクが余っていたという話も聞くので、そういう原酒を活用したか。
謎を残したまま、余韻もグラスの中身も消えていくのです。

追記:ラベルの和訳にミスがあり、コメントで指摘いただきました。グレンタラ=ブルイックラディありきだったので、早合点してしまったようです。記載を修正させていただきました。(12/22)

このページのトップヘ

見出し画像
×