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2018年07月

ハイランドクイーン マジェスティ 23年 アイラシングルモルト 40%

カテゴリ:
HIGHLAND QUEEN
MAJESTY
ISLAY SINGLE MALT
Aged 23 years
Distilled 1989
Bottled 2013
700ml 40%

グラス:テイスティンググラス
場所:萌木の村 BAR Perch 
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:オーキーで華やか、やや軽やかな香り立ち。ドライオレンジピール、ヨードやアイラ的な海藻のようなニュアンスが混じるスモーキーさ、フローラルなアクセントも感じる。

味:スパイシーでオーキーな強いニュアンス。麦芽風味とナッティな香ばしさを伴う口当たり。平坦気味だが徐々にオイリーな質感を伴い、余韻にかけてグレープフルーツのワタに通じるほろ苦いピーティーさ。
余韻はウッディでドライ、スモーキー。ほのかにヨード香を伴い、染み込むよう。

ファーストフィルバーボンと、リフィルシェリーオークが混じったような樽感で、強い樽感を整えるために多少ボディと酒質由来の香味を犠牲にした加水仕上げであるように感じる。あるいは、整った飲み口を重視した仕上がりは、ブレンド銘柄ハイランドクイーンとしてのスタイルを意識したとのかもしれない。加水はせずにストレートで。


ブレンデッドブランド、ハイランドクイーンからリリースされた、シングルモルト表記の1本。
1989年蒸留、2013年のボトリングで、今から約5年前のリリースですが、日本には昨年ごろに並行品として入ってきたように記憶しています。
近年のミドルエイジ以上のアイラモルト高騰と、逆にポンド安が進んだ今なら買いだと、バイヤーが在庫をまとめて引いてきたのかもしれません。
結果、23年のアイラシングルモルトとしても同品の海外流通価格と比較しても、安価な設定になっているのが特徴です。

中身については、地域以外は不明とされていますが、飲んでみると魚介的な要素に、かすかにフローラルでグレープフルーツ的な要素を感じるあたり、ボウモアのような印象を受けます。
ハイランドクイーンはグレンモーレンジとグレンマレイをキーモルトとしたブレンドであり、そのバックホーンからグレンモーレンジ繋がりでアードベッグ・・・は仮に5年前でも市場価格と釣り合わないし、そもそも原酒が貴重すぎる。MHDにリンクしてブレンド用に調達していたカリラを使ったのかと予想していたため、まさかのこの蒸留所の系統と余計に驚きました。

1980年代のボウモアというと、パフューム香を警戒される方が多いと思います。しかし1989年のボウモアはそれが全開なビンテージというわけではなく、時に感じさせない原酒がある場合もあります。(例えば、ラトレーの1989)
ボウモアにサントリー資本が入ったのは1989年からであり、徐々に生産方法や樽について手を入れていったとされています。そのため、この時期はまだ安定しないものの、90年代ボウモアのキャラクターが出始めてもおかしくない時期と言えます。

それにしても、なぜハイランドクイーンでボウモアなのか。日本では同蒸留所を「アイラの女王」と例えることがあり、安易に考えれば女王繋がりとなるのですが、この2つ名、現地ではあまり一般的でないように思います。
それこそ、クイーンエリザベス2世が訪問した唯一の蒸留所という記録があるくらいで・・・。

と、ついボウモアであるという前提で話をしてしまいましたが、何れにせよ、1989年蒸留の特徴的なピーテッドアイラシングルモルトが1万円ちょっとで買えるのは、今の市場でのスペック的にはお得と言えるのではと思います。
シングルカスク&ハイプルーフのような突き抜けた味わいや個性はないので、BARでは1杯目、家飲みではまったりと肩の力を抜いて楽しむのが良さそうです。

ローガン 12年 デラックス 1980年代 43%

カテゴリ:
LOGAN
Aged 12 years
DeLuxe Scotch Whisky
1980's
1000ml 43%

グラス:グレンケアン
場所:Bar Jam Lounge
時期:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:どっしりとスモーキーでピーティー、腐葉土、カラメルソースと醤油飴、ほのかにアイラ的なニュアンスに通じる薬品香。時間経過で軽い植物感も。

味:粘性のある口当たりから、ピーティーさと黒砂糖やキャラメリゼ、若干の貴醸酒のような古酒感のある甘み。余韻はビターでほろ苦くスモーキーなフィニッシュ。

濃厚なカラメル系の甘みとほのかな薬品香を含んだオールドピートのスモーキーさ。香味に対しボディは少々軽いが当時のブレンドの中では平均的。薬品香を含むピートフレーバーがハイボールで引き立ち、バランスが整う。


先日記事にした、1980年代後半流通の一つ前に当たる1980年代前半流通のローガン。構成原酒や流通時期の比較についてはこれまでの記事を参照いただくとして・・・。この時期のローガンは比較的流通量が多く、価格に加えて状態も安定していることが多く。加えて当時のラガヴーリンに共通するピートフレーバーが感じられるのもポイントです。

まあ単に良いことづくめではなく、テイスティングのとおり味の濃さに対してボディが軽い印象も受けるのですが、そこはこのレベルのピートフレーバーをホワイトホースで飲もうとするなら、リスクを承知で60〜70年代初頭流通に手を出さないといけないですし、あるいは、ラガヴーリンそのものは価格に難が・・・。
そんなわけで、現時点での入手難易度なら、この流通時期のローガンは多少の欠点よりも良いところを評価し、普段飲み用でハイボールにガンガン使える勝手のいいボトルだなというのが自分の感想です。

ちなみに、ハイボールにしても上記のボディの軽さは多少残ってしまうのですが、ここでローガン30mlに対して現行品のラガヴーリン16年を10mlから15ml程度加えてハイボールを作ると、欠点が補われてなかなか美味しい1杯になります。
8年や12年は試してないですが、あらかじめハイボール用として混ぜておくと香味が馴染んで良いですね。以前家飲みしていた際、飲み残したラガヴーリン16年が手元にあったので遊びでやって見たのですが、後から原酒を垂らすハイボールより香味に一体感が出て美味しく頂けました。

リカマン ウィビアメッセ in Kyoto 会場レポート

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関東圏外のイベントには中々伺うことができない自分ですが、今回は会社の休みと、近場での約束事が重なってリカマン主催「Whisky & Craft Beer Messe in KYOTO 2018」に参加しています。

しかしこんな時に限って週末は台風の直撃。それも通常とは異なるコースを通る台風ゆえ、その影響は未知数・・・。早めに撤収できるよう駆け足気味になりますが、今回は以下のイメージで、ウイスキー関連のブースを中心に会場の様子をレポートしてみました。

レポートのまとめ方。 
【○○○○関連】←区分
「ブース写真」
■○○○○社 ←出展者
・○○○○ ←ブース内のピックアップ
・○○○○※ ←有料アイテム

ピックアップアイテムがあればそれをまとめ、その後区分ごとの雑感をまとめ書きして、一つのグループとします。
面白いボトル、注目の情報などあればリアルタイムで追記していきますので、参考になれば幸いです。


【クラフトウイスキー関連】
■嘉之助蒸留所
・ニューメイク 2種
・ニューメイク ブレンド
・ニューボーン メローコヅル樽4ヶ月熟成

■長濱蒸留所
・ニューポット ノンピーテッド
・ニューポット ヘビーピーテッド
どれがオススメですかと聞いて注がれたのは、ノンピーテッド。去年の仕込みのものより余韻のベタつきが少なく、スタイルは改善されつつある印象。ヘビーピートも同様に悪くない。

■若鶴酒造
・ニューポット2018年蒸留※
・ムーングロウ2ns 2018年リリース※

クラフトのブースでピックアップするのは、今年仕込んだばかりのニューポットが定番なのですが、今回はその筆頭たるイチローさんいないんですね。
ちょっと意外なイメージを持ちつつ、ブース回りスタート。

九州期待の新鋭、嘉之助蒸留所のそれはスチルの形状によって微妙に違いはあるものの、基本的には透明感があり繊細で微かにジンのような香味を感じます。
丁寧かつ基本に忠実に作られた印象を受けますね。既に作り分けをイメージされており、短期熟成用と10年くらい熟成させるもので複数考えられているようですが、樽との組み合わせなど、まだまだ試行錯誤も必要と思います。

そして若鶴酒造、三郎丸蒸留所は今年仕込みのニューメイクがかなり良くなっています。ほのかに根菜感を伴う土っぽいピートフレーバーに、ボディがしっかりと厚く、余韻にかけての甘みが嫌味なニュアンスを伴わず残る。
実は先日製造現場を見学しているのですが、今まで密造時代を思わせるような手作りだった工程がライン化され、安定して仕込みができるようになったのも、酒質の向上に作用しているようです。


【メーカー&スコッチ蒸留所】
■ペルノリカール
・レッドブレスト12年、15年、21年
・シーバスリーガル25年

■ボウモア
VR視聴が面白い

■キリン
・樽出しヘビータイプグレーン
・富士山麓シグネチャーブレンド
いつもの樽出しグレーンは相変わらず美味しい。そして富士山麓シグネチャーブレンドはキリンドリンクス限定発売から、いよいよ一般市場に展開されるとのこと。

■グレンスコシア&ロッホローモンド
・グレンスコシア18年ダブルカスク

ペルノリカールさん、試飲が充実していてレッドブレスト各種と、シーバスリーガルが25年まで全部無料というのは太っ腹(笑)。
レッドブレスト21年は25年よりシェリー感が穏やかで、アイリッシュ的なフルーティーさがわかりやすくおいしい1本。12年、15年の延長戦とするには異なる印象があり、やはり仕込みの時期による違いでしょうか。。。
シーバスリーガルも25年はやはり熟成したスペイサイドのフルーティーさが主体でよく出来た一本です。
その他、ボウモアのVRは空いているうちにどうぞw

また、ウイスキー以外では今回上記のような熟成焼酎ベースのリキュールがいくつかありましたが、中でも沖縄20年は結構面白いボトル。
熟成焼酎をリキュールにするため、規定値の糖分を添加したとのことで、ストレートでは作為的な甘みがあったものの、20年熟成は伊達じゃなく、熟成感がありロックで飲むにはちょうど良さそうな古酒ベースのリキュールでした。


【インポーター&酒販店】
■田地商店(信濃屋)
・フォアローゼズ プライベートセレクション
・ジョニーウォーカー キングジョージ5世※

■ウィスク・イー
・グレンアラヒー10年、12年

■明治屋&ワイルドターキー
・クールドリヨン&ルジン
・ワイルドターキー ケンタッキースピリット

■スコッチモルト販売
・グレンキース19年 1998-2018
・グレングラント22年 1995-2018
・キルホーマン6年

スコモルさんのブースには、後日リリースのボトラーズ新商品3種。PRなく既存品と勘違いw
グレンキースはオロロソシェリー樽の熟成ですが、どシェリーという感じではなく、バランスのとれたリンゴのカラメル煮系のフルーティーさを備えたバランス型の1本。グラントはオーキーで華やか、ウッディなニュアンスと共に安定した近年のアメリカンオーク系ボトラーズリリースの王道タイプです。

信濃屋さんは同日開催していた静岡のほうにも出店しており、ボトラーズウイスキーはそっちとのことで、こちらは並行品を中心に普段扱いやすいボトルを揃えられたとのこと。
自分一押しのローゼズ、やはりおいしいですね。また、キングジョージはポートエレンやカリラを思わせるアイラ系のニュアンスがしっかりあり、バランスよく飲みごたえもあるブレンドでした。

関東方面ではあまり見かけない気もする明治屋さんですが、クールドリヨンは最近自分がハマっているペイドージュ表記の6年もの。若さはあまりなく、ハイボールが美味しい。
リンゴのジンとして知られるル・ジンも柔らかい爽やかさがあって良いですね。
ブースにソーダと氷があり、人のソーダ割りが染みるようにうまかったのです。

ウィスクイーさんは新たにリリースされるグレンアラヒーのボトル版を出展。バーショーではサンプル瓶でしたが、改めてテイスティングしても、バランスの良いオーキーなフルーティーさが美味しい1本です。

【その他】
■有明産業
・桜、栗、ミズナラなど各種木材による樽熟成サンプルテイスティング

■Whisktail.tokyo
・GREEN QUIET※
・KEY & BRICK※
・COLDBREW GAELIC COFEE※

■ボトルオフ
・IWハーパー 1980年代流通 特級表記
・響 旧ボトル 2000年前後流通※
・響 21年 花鳥風月ボトル※
・マルス 宝剣岳 14年 原酒 58.6%※
全て200〜300円は破格。。。

■アプレリカー
・ワイルドターキー12年 1980年代
・ワイルドターキーケンタッキーレジェンド1980年バランタイン30年 1980年代
・グレンフィデック 21年 ウェッジウッド
これが全部無料とは。。。攻めてる!!ってかちょっとおかしいw

今回のイベントは最も特色あるブースだったのではないかというのが、有明産業さん。工場が九州にありますが、本社はこちら京都にあるメーカー。地元ということで出展されているようです。
一度伺ってみたく、そして樽ユーザーとしてご挨拶したかったので、それだけでイベントに参加した甲斐があったというものです。
ステージで実演されていた樽の解体も面白かったですね。

その出展内容は、桜、栗、ミズナラ、杉、ヒノキなど、和の木材を使って熟成したサンプルの提供。どれも個性の強い樽ですが、フィニッシュに使うには面白く、さらに桜は桜餅的な独特な香味があるだけでなく、栗はタンニンの強さはあるものの、意外にミズナラに近いニュアンスがあるなど、様々な発見があり実に面白いブースでした。

Whisktail.tokyoは先日の記事でも紹介した、ウイスキーカクテルの提供ブース。グレンリベット12年をベースとしたカクテル以外に、水出しコーヒーを使うものなど、新しいアイディアもふんだんに使った1杯を提供されています。
ウイスキーやビールの箸休めにもってこいです。

そして最後に関西のリサイクルリカーショップ2店舗が何かおかしいw
ハーパーにバランにフライングターキーにフィディック。。。この試飲は苦情が出るレベルです(笑)



と、こんな感じでざっと回れるだけまわり、進行形で書いてました。
記事にはしてませんがビールとフード、あとはリカマンメッセだけあって市販品を中心にジンやラムどもだいぶ充実しており、そちらがメインの参加者も。
つまるところバーショーより、エンタメ色を控えめにして、エントリー層を中心に試飲などを充実させたイベントというイメージを持ちました。

会場は十分広く、スタッフも多数配置されていて、来場人数4000人越えの中でも大きな混乱はなかったですね。
ただ一つ言えば水がフリーではなく、有料だったのが難点だったように思います。水の提供の仕方は改善点。。。でしょうか。
何れにせよ、イベント主催であるリカマンさん、悪天候も危惧される中、長丁場のイベント大変お疲れ様でした!!
また機会がありましたら参加させていただきます!


イベント後は某蒸留所マネージャーの誘いで京都醤油系ラーメンの2大有名店を梯子。お昼おにぎり一個だったんで美味しく食べてしまったわけですが、余裕こいていた結果、新幹線が台風でストップ。
その後は、どうせ帰れないんだからと京都在住のウイスキー仲間に誘われ、ラム&ウイスキータリスカー、そしてマルシン飯店からの宅飲みまで、久々に寝落ちするほどの怒涛のラッシュを味わいました(笑)。
いやぁ。。。京都は怖いところですわ。。。

そう言えば、ラム&ウイスキーでは偶然ある有名ウイスキーメディアの方と隣り合うなど、出会いもありました。
その辺の話はまた後日、機会があれば。

グレンモール 1978 GM カスクストレングス 63.2%

カテゴリ:
IMG_8016
GLEN MHOR
Gordon & Macphail
Original Cask Strength
Distilled 1978
750ml 63.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス&リーデルワイングラス
時期:開封後1ヶ月程度
場所:自宅@借り物ボトル
評価:★★★★★★(6)

香り:ツンとしてハイトーン、強い刺激に加えてハッカやハーブを思わせる爽やかさ、乾いた麦や干草、白木。微かに古酒っぽいシェリーのニュアンスが混じる。時間経過で麦感、燻したようなピート香が感じやすくなる。

味:スパイシーでコクのある口当たり。ほろ苦い麦芽風から、じわじわと甘酸っぱい熟成感はオレンジママレードやマドレーヌ。蜂蜜生姜を思わせる乾いたウッディネスを伴う。
余韻はハイトーンでヒリヒリとした強いアタックに焚き木の燃えかすのような微かなピートフレーバーが感じられ、長く続く。

熟成はおそらく12年程度で、樽はリフィルシェリーだろう。ボトリング後少なくとも20年は経過しているボトルだが、香味にはまだ強さがある。グラスに注いでから開くのも時間が必要で、大ぶりのグラスで一気に開かせるか、あるいは少量加水すると麦感やピート香が開き、バランスが良くなる。ポテンシャルは高い。


グレンモールは1983年に閉鎖されたインヴァネス3蒸留所の一つにして、ブレンデッド・マッキンレーの主要原酒。蒸留所は1972年にDCLがマッキンレー社から買収しており、今回のボトルはDCL傘下での仕込みということになります。

ボトラーズリリースにおける歴代のボトルを調べて見ると、70年代後半には60度を超える高度数のリリースが集中しているのですが、なにか方針転換があったのでしょうか。
加水版のオフィシャルボトルは品の良い甘さの麦芽風味と軽いスモーキーフレーバーで、滋味(地味)系路線ですが、こうして60%オーバーハイプルーフの原酒を飲むと、異なる印象も見えてくるのが面白いと感じます。 
それは度数故にハイトーンでスパイシー、そしてそこに含まれる繊細かつ強い香味に起因するもの。これを加水していくと、かつてリリースされていたオフィシャルボトルに近い素朴なニュアンスも感じられるようになります。

(1960年代流通のオフィシャルボトル、グレンモール6年。オールドらしい厚みのある麦芽風味とこなれたピートフレーバー。微かに金柑などの柑橘を伴う。ラベルデザインの通り素朴なモルトだが、何故か心惹かれる。)

グレンモールはGM以外からも比較的リリースされており、1978年に限っても10種類くらいはあるようです。
自分は1978グレンモールは3種類しか飲んだことがありませんが、今回のようにリフィルで樽感が淡く、レアモルトやイントレ系の強く突き抜ける味わいに仕上がっているものが中心・・・。
この手のボトルの強さがこなれ、麦感とピートを開かせるような変化が瓶内で起きてくると、個人的にとても好みなのですが、少なくとも開封後5年以上を見たほうが良いかなと感じます。

なお、今回のボトルはウイスキー仲間の通称・漆黒先生にお借りしました。
普段のやりとりの中で、ボトルのテイスティングコメントと、後ろ姿で銘柄を当てるクイズ的な流れがあり、当たったらサンプル送るよ!と言われていたのですが・・・当たってしまいました(笑)。
そして届いたサンプルが・・・サンプルっていうか開封済みボトル丸ごとだったという衝撃。男気溢れる景品に感謝!

アイルオブスカイ 20年 1980年代後期 43% 特級表記 ブラインド

カテゴリ:
ISLE OF SKYE
Years 20 old
Blended Scotch Whisky 
1980's
750ml 43%

【ブラインドテイスティング】
地域:島系を含む
銘柄:アイルオブスカイ、キングジョージ(ハイランドネクター)、ロングジョン
度数:43%
年数:12年ないしデラックス表記
樽:-
仕様:ブレンデッド、1980年代後半ないし1990年代初頭流通オールドボトル

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:テイスティングイベント会場@個人所有ボトル
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーでややグレーン感のある落ち着いたアロマ。蜂蜜やべっこう飴、林檎ジャム、土系のニュアンスを伴うピート香。古酒っぽさに加えて熟成感も感じる。

味:口当たりは柔らかいが、ややスパイシーな刺激。熟成感のある甘みは色の濃い蜂蜜、ウエハースや麩菓子のような穀物感。合わせてモルティーなコクと、香り同様に土っぽいピートがじわじわと広がり支配的に。余韻はスモーキーでドライ、ビターなフィニッシュ。

スモーキーフレーバーが軸として機能している構成。ボディはそれほど強くはないが、飲みやすさの中に個性が感じられる。アルコールが立っており状態もいい。


先日、とあるテイスティングイベントの終盤に顔を出したところ、否応無しにブラインドを出題されました。
え、俺の扱いこういうの定着してませんかねぇ、っていうか周囲の期待の視線が・・・(汗)。
無様な回答はできないという環境でのテイスティングは、いつもより集中力が増しますね。「銘柄当ては3候補出していい?」と若干ひよったものの、熟成年数以外は正解にたどり着くことができました。

スカイ島の名を冠するアイルオブスカイは、その名の通りタリスカーをキーモルトとするブレンデッドウイスキー。1933年に発売された後、現在もなおリリースされている長寿なブランドです
キーモルトの注目度と、元々の味の良さからオールドブレンドジャンルの中では市場価格は少々高めですが’、箱が横置きしやすかったのか状態の悪いボトルが多く、愛好家にとっては悩みの種でもあります。

(1990年代初頭にリニューアルしたアイルオブスカイ。12年と21年があり、マイルドだがスモーキーな風味を基本とする同様の構成。)

今回のボトルは状態が良く、コルクキャップの影響もそこまで出ていませんでした。また、アルコールもしっかり立っており、これが熟成年数の区別がつきにくかった要員の一つ。序盤は多少グレーン感が目立ちますが、熟成したそれはまろやかな穀物系の甘み。香味の余韻にかけてはスモーキーでピーティーなフレーバーが強く感じられ、甘さを引き締めています。
構成原酒は島系、特にピートフレーバーがタリスカーとすれば、それなりの熟成感。かつ多くの銘柄が味の落ちる1980年代後半の流通でありながら大崩れしていないのは・・・ブランドの中でも上位グレード、アイルオブスカイとジョージ(ネクター)は筆頭候補となるわけです。

オールドブレンデッドであることはノージングの段階で認識できており、この辺は経験値だよな〜と思うところ。
やっぱ飲んでないと自信を持って回答はできないですね。この後、もう一問出題されたのですが、最近後回しにしがちな近年スペイサイドで、酒質の個性を拾いきれずあえなく撃沈しました。
やっぱ飲んでないとダメですね(笑)。

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