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2015年10月

ウイスキーのニコニコ生放送 ”Whisky link 最古参会” 10月31日22時~

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本日夜、以下にてウイスキー関連のニコニコ生放送に参加します。
ニコ生と言っても無茶振りに応えるわけでもなく、ダンスを踊るわけでもなく、ただ酒飲んで感想中心に雑談するだけの超絶ローカル雑談番組です(笑)。

Whisky link最古参会 @いわき
放送開始時刻22時00分~

http://live.nicovideo.jp/watch/lv240217628

Whisky link
http://www.whiskylink.com/

Whisky linkは活動の場を文字から体感、共感に移しており、こうしたイベントの開催の中でリアルタイムの共感を得ることを主とした目的にしているため、情報発信は個人が中心となっております。
今回は今から5年前の兵庫県三ノ宮駅前(厳密にはお好み焼き風月前)に集い、Whiskylink構想を語り合った初期メンバーが、5年の時を経て諸々語り合います。
一言で、あれからいろいろありました。

今月、発起人のタケモトさんが結婚されたということもあり、用意されたボトルも相当力入っています。
参加メンバーも気合入れてボトルを持ち寄りますが、正直このラインナップの前では何を持っていっても霞みますね。


【本日のラインナップ】
・サマバンク 100PROOF
【・グラント DCデキャンタ
・北米向けダッシー 3本
・Islay 1966 KB
・ボウモア21 1967 OB FULL STRENGTH
・ボウモア 1971 14yo セスタンテ 57.7%
・その他持参ボトルなど多数

ちなみに私の持参ボトルは、悪魔が潜むボトル。
ジェームスマッカーサー ダルモア1964-2000 ミレニアム 700ml 50% と他1本です。
 

ラベルの色そのままに、超絶濃厚なボトルです。
上述のラインナップボトルのトロピカルで華やかなフレーバーを"圧殺"してくれることでしょう(笑)
お時間ございます方、お付き合い頂き、放送中煽っていただけますと幸いです。

カバラン キングカーコンダクター 頂極指揮 (金車コンダクター)“ ブラインドテイスティング”

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先日のオールドブレンデットのイベントの中で、複数の参加者からブラインドテイスティングサンプルを頂きました。お時間頂きましたが全種テイスティングして回答しました。皆様本当にありがとうございます。
今回はその中の一つ、カヴァランの金車コンダクターです。ブラインドで飲むと若さと長熟系モルトを思わせるフルーティーさが交互に感じられて、最終的にカヴァランの加水シングルモルトであると回答たものの、思いっきり迷走しかけてしまいました。
短熟モルトであるにも関わらず、こういうモルトを出せる独自の工夫や地域の特徴が、この蒸留所の魅力ですね。

KAVALAN
KING CAR CONDUCTOR
頂極指揮
700ml 46%

【ブラインドテイスティング】
熟成年数:複数年バッティング
度数:46%~48%
樽:判別不明だがリフィルオーク系主体、ワインやラム等の異なるタイプの樽もありそう。
蒸留所:カヴァラン
暫定評価:★★★★★(5〜6)

香り:ナッティーさを感じるオーク香。湿ったクセとフルーティーな熟成香 が同居している。
最初は酸味を感じるが徐々にザラ メ、アップルブランデー、リンゴ のカラメル煮を思わせる甘さと苦味。麦芽、アーモンド、トーストの香ばし
さもある。 

味:ややエッジの立った口当たり、熟成感のあるフルーティーさと湿った酸味のクセ。少し粉っぽさ
アプリコットやオレンジの ドライフルーツ感、モルトスナッ ク系の香ばしい麦芽風味。
余韻は序盤の粉っぽさと酸味、強くは残らないが、バターク ッキーを思わせる甘さが細く長く 続く。


こうしてカヴァランをブラインドで飲んでみて思うのが、スコッチ的なフルーティーさのあるウイスキーであり、樽の出方は気候の関係かジャパニーズ的な特徴を持っているように感じます。
フルーティーさを出す由来は独自開発の酵母らしいですが、まさに南国を思わせるウイスキーに仕上がるあたりすごいなと。同じく台湾でナントウ蒸留所のものもいくつか飲みましたが、こちらは樽感はあっても酒質がフルーティーという感じはなく、違いとして感じられます。

熟成年数はおそらく5年程度、5年でこんなに飲めるなら20年後は・・・樽と酒質を考えないと相当難しいように感じます。若いけどそれを承知で出しているのではなくて、樽感的にはピークに近い状況になってますから。
これ以上行くと何が何だかわからない特濃ウイスキーになりそうです。

ちなみにテイスティングの最初の印象は、バッティングでぼやけた樽感に若い口当たりと熟成感のあるフルーティーさが入り混じっており、長期熟成と短熟の加水バッティングではないかという予想を立てて回答を作成。地域はスコッチともジャパニーズとも取れる特徴で完全に五里霧中フルーティーな長期熟成モルトを秩父の若いモルトで割ったような・・・とりあえず上は25年くらい入っているのではないかと予想したものの、最後の一口でカヴァランの存在を思い出したというのが回答の流れです。

また伝説を作ってしまうところで危なかったですが、何よりいい経験になりました。
サンプルを頂きましたIさん、ありがとうございました!

年に一度のお楽しみ! キリン一番搾り とれたてホップ2015

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ボジョレー解禁なんかより、ずっと楽しみなのがこのビール。
キリンから毎年この時期にリリースされている、キリン一番搾り "とれたてホップ"です。

通常ビールの製造工程では乾燥させたドライホップを使いますが、このビールは今年収穫して冷凍・粉砕したホップを使います。
香りが繊細でのどごし重視なビールですから、その違いが結構大きい。
加えて新製品で店頭に並ぶためビールそのものが新鮮で、かつ使われているホップも新鮮とくれば旨いワケですよ。
ビールは鮮度が命ですから。

去年はアサヒもサントリーもそれぞれ類似商品で追従してますが、なんだかんだ本家が一番好きでした。
今年のとれたてホップは去年に比べてあっさり系ですが、華やかで嫌味の無い麦の旨味にホップの香りでゴクゴク飲めてしまう。余韻に残る程よい苦みも心地よい。
なんというかアクを丁寧にとったスープのような、綺麗なビールです。

こういうタイプは嫌いじゃないです。濃厚系なIPAとは対極にあるビールですが、ただ薄いだけじゃないのは好印象。
食事にはなんでも合いそうですが、中でもこってり系の食事、例えばチゲ鍋やBBQなんかに合わせたら最高でしょうね。
いかんなぁ、もうすぐ健康診断だってのに、家飲みが進んでしまいますw

ついに海外進出! 笹の川 山桜16年 ブレンデッドウイスキー

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春の訪れより少し早く開花した山桜の花は、その後ブームという熱気で春も初夏も咲き続け、夏の暑さにも負けず残暑の中で狂い咲き。冬の訪れを感じる晩秋を迎えるにあたり、いよいよ散り際を迎えたかと思った矢先、海外への植樹が決まったようです。

・・・。
桜の話ではありません。ウイスキーの話です。

笹の川酒造がリリースするジャパニーズウイスキー山桜。
海外でのジャパニーズウイスキーブームの熱気を受け、海外のコレクターを中心に高い注目を集めています。
いよいよここで海外展開が始まるようです。


Yamazakura
Aged 16 years
Japanese blended whisky
700ml 40%
ご参考(1):http://www.thespiritsbusiness.com/2015/10/yamazakura-japanese-whisky-debuts-in-london/
ご参考(2):http://www.nonjatta.com/2015/10/Yamazakura.html

モルト原酒はバーボンカスクに16年間熟成させたのち、笹の川得意のタンク貯蔵を経て、再びバーボンカスクで短期間の熟成を経て"原酒を起こした"もの。
グレーンはコーン80%とモルト20%の原料比率を採用。質が気になるところですが、もちろん笹の川では作れないので北の大地のほうから出てるのかなぁ。

Nonjatta掲載の情報では1992本のボトリング(スピリッツビジネス掲載の情報では1192本)で、度数40%の加水ボトリング。トーストしたパンに、ココナッツ、イチジク、洋ナシ、およびカンゾウのフレーバー。
ヨーロッパなどを中心にリリースされるようです。
気になるお値段は130ユーロ・・・って、15年ピュアモルトが5000円だったことを考えると、輸送コストと関税でかなり乗ってるのか、単に強気なだけか。


それにしても相変わらずラベルのセンスが良いですね。
これで色も濃かったら完璧、コレクターに加えて中華層のハートも鷲掴み。
日本で咲かせた大輪の花、海外でも満開となるか。

個人的にはかつてのキャンベルタウン的なことにならないことを祈っていますが、さはさりとて、今後蒸留の再開計画もある笹の川酒造のさらなる躍進に期待しています。

オーヘントッシャン 17年 (1997-2015) BARマッシュタン & 信濃屋 ボトリング

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今回のボトルは11/6で11周年を迎える目黒の名店、BARマッシュタンの記念ボトルです。OMCから信濃屋さんとジョイントでボトリングしています。
マスターの鈴木さんが、味もさることながらコスパも重視して選んだという1本。紆余曲折、様々なご苦労あったとのことですが、近年オーヘントッシャンらしいローランド感のあるフルーティーさにオークフレーバーのマッチした1杯です。

OLD MALT CASK
AUCHENTOSHAN
Aged 17 Years
Distilled 1997
Bottled 2015
700ml 57.3%
Selected & bottled exclusively for
The MASH TUN TOKYO 
& SHINAOYA

暫定評価:★★★★★★(6)

香り:アルコール感と微かなケミカル香を伴うオーク香。少し粉っぽさもある。奥から熟したフルーツ、バニラ、ハーブ、微かに和紙のニュアンス。

味:華やかでオイリーだが粉っぽい舌触りも感じる口当たり。ドライパイナップル、バニラ、麦芽。オーク系のフレーバーが先に広がる。
鼻抜けに乾いたオーク材の華やかな香りと微かに紙っぽさ。後半から余韻にかけてローランドらしい熟したフルーツ感(洋梨や林檎)、ドライでスパイシー。

最初は樽の風味、そこからローランドらしいフルーティーさと2段階の広がりがある。
近年流通の多い1980年代後半から1990年代前半のリトルミルを試して違和感がないなら、このボトルも美味しくいただけるのではないでしょうか。

オーヘントッシャンのみならず、リトルミル等のローランドモルト、その近年モノは独特なフルーティーさを感じるボトルが多くあります。
自分は熟しすぎたフルーツ感、風邪薬シロップなんて言ったりしますが、フルーティーさで連想するスペイサイドやハイランドの王道的なそれとはキャラクターが異なる。どちらかと言えばアイリッシュ系であり、蒸留方法が影響しているのかなと感じるところです。
では1970年代や1960年代の蒸留はどうだったかというと、試した中では今ほどそうしたフルーツ感は・・・なんですよね。年代で考えればバーボン樽が普及し始める時期と重なるため、この違いがキャラクターに変化をもたらしたのではないかと感じています。

昨今、有名蒸留所の原酒枯渇が激しく、それほど人気ではないローランドであっても1990年代原酒の確保が困難という話。相次ぐ値上げの中で、飲み手だけではなく酒販業界全体が苦労を重ねています。
その時その時のクオリティに対する相場的な概念があるといっても、結局は安くて美味しいほうが良いんです。(かつては安くなってブランドイメージが崩壊し、ウイスキーブームが完全終焉した日本という国ではあるんですが。)
多くのユーザーが限りある資金をやりくりしているのですから、値上げ先行の今の市場、その影響が酒販業界に無い訳がありません。
さしたる競争もなく1万円台で1960~1970年代を確保できた時代は終わってしまった。
海外でのブームに押され、日本市場の優先度はどんどん下がっている。
その中で、惰性ではなく独自の工夫で価値創造を重ねられている関係者の方々には本当に頭が下がる思いです。

マッシュタンでは今回のオーヘントッシャン以外に、リンクウッド、スプリングバンクをダンカンテイラー経由でボトリングしてリリース。(こちらも相当苦労されたとか。)
どちらも近年モノとしては酒質、樽感ともレベルの高い出来栄え。コネクションがあるからこそ出来るリリースですね。
BARマッシュタン様、11周年、おめでとうございます。

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