アーカイブ

2015年05月

サントリー 山崎15年 樽出原酒 

カテゴリ:
先週から散々飲み続けているので、今日は休肝日に。
こういうときは考察、分析系ネタでいくんですが、ちょっと仕事に押されて時間が取れなかったのでストックネタです。
今更的なボトルですが、当時はあまり評価されておらず、好きな人だけ買っていた蒸留所限定品(及びイーリカー取扱)、最近は市場から消えて高騰しています。
 
SUNTORY SINGLE MALT
YAMAZAKI
Aged 15 years
56% 600ml

 
暫定評価:★★★★★★★(7)
 
"華やかでウッディー、ミズナラ系のアロマ、シロップ漬けのチェリー、レーズン。
口当たりはリッチで甘く華やか、メープルシロップ、濃い目の紅茶、微かな酸味とコクのある味わい。フィニッシュはドライで熟成感を感じるしっかりとしたウッディーさが長く続く。"
 
12年ほど軽くなく、18年ほどこってりでもない、バランスがいいだけでなく香味はしっかり存在感がある。良い仕上がりのシングルモルトです。加水は試せて無いのですが、経験則から良い変化を期待できそうです。

サントリーのウイスキー、山崎のキモは、なんと言ってもミズナラ原酒。
もちろんシェリーやパンチョンなどの各種樽はある(特に最近はパンチョンの比率が増えている。)のですが、この山崎しかり、ブレンデットの響しかり、これというボトルには必ずといって良いほどミズナラの姿があります。
オールドボトルだと、当時のローヤルやリザーブからも感じることが出来るくらい。
 
なぜここまでミズナラなのか。
それは過去、入手したバーボン樽、シェリー樽以外に、不足を補うためにジャパニーズオーク(ミズナラ)で樽を作ったことがひとつ。そしてそこから得られたノウハウはサントリーに蓄積され、こうした原酒を安定してリリースできる土台に繋がったのだと考えています。
またニッカにもミズナラ樽はあったのですが、方針として新樽にシフトしており、そこが蒸留所の個性を分ける要因、違いに繋がっているように感じます。両者のブレンドで鶴と響を飲み比べると、その方針の違いは明らかです。
(確か1980年代ごろを境にシフトしたと聞いたような…)

最近でこそ評価されているミズナラ原酒ですが、ブレンドして他の樽の原酒と混ざってこそ真価を発揮するように思います。
特にシェリー系との相性が良いですね。華やかな香りのミズナラに不足しがちなボディ感、厚みを補う形。そして原酒にライトピートタイプが含まれてると最高!
…ってまあそれが響21や30年だったり、昨年販売されたビックカメラのオリジナルブレンドだったりするんですがw

話をこのボトルに戻しますと、このボトルにも上述同様に、ミズナラをベースとした"らしさ"を感じる仕上がり。
うーんなぜコレを買わなかったのか…なんですが、まあ当時(2005年前後)で1万出したらスコッチで1960年代蒸留とか買えましたから。違う方向を向いていました。
先日情報公開したニッカのウイスキー各種も、将来そのように言われる時期がくるんでしょうか。

アードベッグ6年 (2000-2006) インプレッシブカスク ~Anticipation~

カテゴリ:
昨日はアードベッグデーでしたね。
その前日のシークレットは応募しようと思っていてすっかり忘れ、昨日は昨日でハナから仕事で潰すつもりだったため参加せず。
つまり、あれだけ200周年だ煙臭い1週間だのと煽って、ネタにしておいて、参加しなかったワケです。
ディアジオ様、大変申し訳ございません(笑)。

200周年ボトルの一般市場向けについてはBAR等で順次解禁していくでしょうから、ちゃんと飲んでこようと思います。
そんなわけで昨夜の1杯はせめてものアードベッグ繋がり。我が家にある唯一のアードベッグです。
 
Impressive CASK
ARDBEG
Aged 6 years
Distilled 2000
Bottled 2006
700ml 62.7%
~Anticipation~
アードベッグAnticipation 
評価:★★★★★★(6)

”強めに燻した麦芽香、ヨードと塩素を伴うアロマがアイラモルトであることを主張する。ナッティーな香ばしさ、ピーティーでドライ、奥にはエステリーな香りがちらつき、微かな硫黄香も感じられる。
口当たりはパワフルでオイリー、香り同様に香ばしい麦芽香、微かな酸味、そしてピーティー。フィニッシュはスパイシーで塩っ気と強いピート香が持続する。
オフィシャルと同じくらいの度数になるように加水するとバランスが良くなる。開くというよりも親しみやすくなるというのが個人的な印象。”
 
先月持ち寄り会を開催した際、いつもお世話になっている方から頂いてしまった1本。
なんか色々ありがとうございます。見慣れないラベルですが、妙に完成度が高いというかかっこいい。
”Anticipation”なんてモデル聞いた事無いし・・・どこかのBARの周年か何かだろうかと確認してみたところ、オリジナルラベル作って楽しまれた際の1本とのこと。
なんというか、あまりにハマりすぎていて普通にオフィシャルかボトラーズの何かだと思ってしまいました(笑)
なるほど、こういう楽しみ方も面白いですね。

このボトルの中身はインプレッシブカスクのアードベック2000、6年もの。
アードベックは若いベリーヤングからのシリーズが高評価であるように、若くてもそれなりに飲める蒸留所です。
このボトルも若さがあってパワフルですが、それ以上にらしさがしっかり感じられます。
加水も良い感じで、薄くならずにバランスが良くなるってのは大切な要素のひとつ。
こういう蒸留所の個性がっつりでハイプルーフなボトルは、ボトラーズだからこそだよなぁとじっくり楽しませて頂きました。
Antipationは予期、予測してそれを役立てる、発展させるという意味。アードベック蒸留所のまさに今を現したようなネーミングです。

さて、オリジナルラベルでボトリングするのは、ドリンカーにとって夢のひとつだと思いますが、似たような企画がいくつかある中で、ウイスクイーでもマイドリームドラムという企画を展開しているようです。
テンプレートが決まっていて自由度は少ないようですが、こういう企画もあったんですね。(知らんかった・・・)
ご参考:ウイスクイー・マイドリームドラム
http://www.whisk-e.co.jp/product/mydreamdram.html

5月26日現在売れ残っているのはグレンギリー1989のみ。
テイスティングコメントにはパフュームの文字。
値段は最近の相場を見るとアリかなと思う反面、パフュームに耐性が無い私は、どなたかそっち方面がお好きな方に譲らせていただきます(笑)。 

ボウモア17年 (1994-2012) ウイスキーフェス大阪記念ボトル

カテゴリ:
先日ウイスキー仲間から頂いたブラインドテイスティングサンプル
既に回答は伝えていて、正解も聞いている状況ですが、今回は蒸留所絞りという簡易クイズでしたので、テイスティングはこちらで公開。
ただまぁこの蒸留所に関しては、このビンテージであると伝えた段階で、だいたいの飲み手には伝わるレベルであるほど特徴がはっきりしています。
先日記事をUPしたストラスアイラとはまったく逆の位置づけ、つまり個性的と言えるのだと思います。

BOWMORE
"WhiskyFestival2012 in OSAKA"
Distilled 1994
Aged 17 years
700ml 54.6%

評価:★★★★★★(6)

"グレープフルーツ果汁を思わせる瑞々しいほどの果実香、作為的とすら感じる。そこから灰っぽいピートスモーク、塩素、微かなヨード香。最初の果実香は時間と共に抜けていき、えぐみが強くなってくる。
口当たりは勢いがあり度数相応の力強さを感じる。グレープフルーツやパイナップル、そしてピート、乾燥した牧草。中間の変化は乏しく、ボディーは軽め。
フィニッシュはスパイシーでピーティー、舌の上を塩分がコーティングする。
時間経過や加水で、上面にある果実味が崩れてしまう。変化を楽しむならいいが、注いだ後は早めに飲んでしまいたい。"

作為的な果実感が強い印象を受けたが、らしさも充分感じるボウモア。蒸留所絞りの予想でも、ボウモアだと思うんだが・・・と回答しています。
歯切れが悪いのは、仲間内で腹黒いヤツが数名おり、90年代ボウモアに似たフレーバーを出すアードモアを出してくることもあるため、「まさかアードモアじゃないよな」と保険をかけたため。
特にこのサンプルは時間経過で香りや中間の抜けが進んだので、勝手に迷宮にハマりかけました。
出題者にそんな意図はなかったんですが・・・邪推してしまうのはブラインドをする上で本当に良くないことですね。

今回のボトルも飲めていなかったので、またしてもありがたい出題でした。
ザリガニ・・・ではなくてロブスターなんですか、このラベル。評判の良いボトルだったと記憶しています。
スリーリバースの取り扱いとのことですが、この味の作為的な感じ、樽はエージェンシーの経由でしょうか。
元々はダンカンテイラー、ピアレス香なんて言われていたアレ。最近はケイデンヘッドもこんな感じで"味付け"感があるボトルを出しています。
まぁ初期のダンカンテイラーはリフィルオーク系の樽の使い方が上手だっただけだと思うのですが、最近は露骨なモノも増えてきました。
自分はウマけりゃ良いの考え方なので、ウラで何やっても味が良ければOKですが、この件については、いつか誰かが答えをリークしてくれないかなと期待しています。

レダイグ20年 (1975-1995) ブラッカダー・リミテッドエディション

カテゴリ:
一昨日はブラッカダーの20周年イベントが都内で開催されていました。
特段ブラッカダーに思い入れもないし、目玉だった秩父のリリースも特段惹かれるものでもなかったので、素直にけやき広場いってビール飲んで葉巻キメてました(笑)。

でもいざ一日たって、なんとなーく酒棚を見たとき、そういやいくつか持ってたなぁ俺も。
と、ロビンのおっさんに敬意を表したくなって、20年前にファーストリリースとして世に送り出されたうちの1本の機嫌を利いてみることにしました。

LEDAIG
"LIMITED EDITIONS"
Blackadder International
Distilled 1975.10.1
Bottled 1995 Nov
700ml 56.5%
評価:★★★★★☆(6)

"香り立ちはドライでえぐみを伴う木材の香りと麦芽香、微かにグレープフルーツピール。徐々にアーモンドクッキーのような香ばしい甘さも。
口当たりはパワフルでいわゆるトーンの高いタイプ、べたつきの無い甘さ、爽やかなウッディネスとブラウンシュガー、キレの良い味わい。フィニッシュはスパイシーでじわじわとピートが感じられるが強くはない。
少量加水すると本領を発揮する。バランスが改善し、えぐみが消えて品の良い甘さに木の蜜やハーブ香。口当たりはコクがあり、麦芽風味に加えてカラメルやアプリコットのニュアンスも感じられるようになる。"

以前FBに投稿したところ、ロビンから「コレは俺が詰めた記念すべきボトルだ!」なんてアツく語られたことがありました。
ただその当時開けて飲んだ感触としては、ストレートで飲んだわけですが、うん、まぁ迷走時期のレダイグだしこんなもんか。なんて思っていました。

そして今回も相変わらずギスギスした香味なところで、少量加水。お、こりゃいいぞと。加水後のバランスっていうんですか、一気に改善されました。
これならおいしく飲める、いやーやっぱストレートだけで決めちゃいかんんですね。
加水後の感じだと樽はシェリーなんでしょう。若干珍味系なので、シェリーはシェリーでもオロロソではないフィノ寄りのタイプか、あるいは別の酒精強化なのかもしれません。


ちなみにレダイグ(トバモリー)蒸留所は稼動と再稼動を繰り返しており、1972年から1975年は小期間ながら再稼動した時期。その後は1990年代の再開まで再びマル島の灯は消えてしまいます。

現在はレダイグ=ピーテッドモルト、トバモリー=ノンピートとして整理されてますが、この当時はレダイグ=蒸留所生産のモルト、トバモリー=タリスカーなどとのバッテッドという整理になっています。
生産期間の少ない1970年代のレダイグですが、先日1972年蒸留のレダイグがリリースされるというニュースがありました。
値段が値段なんで自分は追えませんが、出来は気になりますね。レダイグについてはウイスキーマガジンのWeb版にも記事があるので参考にどうぞ。

BURN STEWART LAUNCHES £3,500 42YO SCOTCH


・・・
あ、忘れてた。
ロビン、そしてブラッカダー社の皆様、20周年おめでとうございます!

ニッカウイスキーのシングルモルト余市・宮城峡など49品目が終売に

カテゴリ:
値上げ値上げで気が滅入るところに、さらにショックな「終売のお知らせ」がニッカからも入ってきました。 
対象銘柄はシングルモルト余市、宮城峡、そしてG&Gなど一部のブレンデット。 
酒屋等への通達は先日の値上げ発表とほぼ同時に行われていたようで、そこから情報が広まっているため「うん、知ってる」って人も多いと思います。
あと結構前からウワサもありましたし。20年が終売になるとかも含めて。

ただ、あまりにも規模がでかかったことや、詳細が不明であったため、終売という単語だけが一人歩きし、陰謀論も含めてガセネタ的な話も一部広まっている状況。確かにノンエイジの余市、宮城峡は先日"休売"の通知がされていたところに終売通知ですから、話が違うじゃないかと。
真相を確かめるべく、ニッカが出した終売通知を入手したりしてウラも取りました。後はいつ公開するかと様子をみてましたが、知恵袋にも質問が出たり、FB、Twitterでも話題になり始めましたので、ぼちぼち公開します。

IMG_9975
(終売の対象となった余市20年。ドラマ開始直後にイヤな予感がして買ったもの。やはり正解でした。)

以下が一般市場向けのウイスキーラインナップ、終売リストとなります。 
今回終売の対象となる商品は49品目。多いなって感じで実際内訳見ても多いんですが・・・同時に終売となるブランデーや業務店舗用の商品も含まれているため、ウイスキーのみで49品目ではありません。


【終売となるウイスキーリスト】
シングルモルト余市20年 (700ml 52%)
シングルモルト余市15年 (700ml 45%)
シングルモルト余市12年 (700ml 45%)
シングルモルト余市10年 (700ml 45%)
シングルモルト余市10年 (180ml 45%)
シングルモルト余市 (500ml 43%)
シングルモルト余市 (180ml 43%)
シングルモルト宮城峡15年 (700ml 45%)
シングルモルト宮城峡12年 (700ml 45%)
シングルモルト宮城峡10年 (700ml 45%)
シングルモルト宮城峡10年 (180ml 45%)
シングルモルト宮城峡 (500ml 43%)
竹鶴ピュアモルト21年 (180ml 43%)
竹鶴ピュアモルト17年 (180ml 43%)
ピュアモルトホワイト (500ml 43%)
鶴17年 (700ml 43%)
ブラックニッカスペシャル (1920ml 42% 六角ボトル)
ブラックニッカ8年 (700ml 40%)
オールモルト (1920ml 40%)
モルトクラブ (4L 40% ペットボトル)
モルトクラブ (2.7L 40% ペットボトル)
モルトクラブ (1920ml 40%)
モルトクラブ (700ml 40%)
ハイニッカ (4L 39% ペットボトル)
ハイニッカ (2.7L 39% ペットボトル)
ハイニッカ (1920ml 39% ペットボトル)
ハイニッカ (1920ml 39%)
ハイニッカ (1440ml 39%)
G&G白 (750ml 43%)
ザ・ブレンド (660m 45%)
ザ・ブレンド 神戸 (660ml 45%)
ニッカウイスキー 博多 (700ml 43%)

以上。 2015年8月31日の出荷をもって終売。
終売周知
※注意:本件はアサヒビールから酒販関係者への通達であり、一般に向けた発表(ニュースリリース等)がされたものではありません。 

シングルモルトラインナップに、一部の地方限定品、低価格帯の大型ボトルの一部、さらに往年のニッカファンには特別な銘柄のひとつでもあるG&G・・・ずいぶん大幅な商品整理です。 
最終出荷は2015年8月31日。ですが、関係者経由で聞いた限り、今後も該当商品(特にシングルモルト)のまとまった量の出荷は予定されていないそうです。

理由は「最大限の生産体制で取り組んできたものの、一部商品の品切れ、出荷調整などのため、お客様各位に迷惑をかけているため。そして、終売により商品アイテムを集約することで、原酒供給の安定化と、製造効率を高めて"竹鶴"などの主力商品を増産するため。」とのこと。

まず原酒の確保。これは至上命題です。今使い切ってしまっては将来的な生産が出来なくなりますのでどうにかバランスをとろうとしているのでしょう。
そしてサントリー以上にニッカが抱える大きな問題が生産能力、ボトリング能力の問題。
ニッカのラインナップは一時期より少なくなったものの、かなり多様なモノがあります。
それが魅力でもありましたが、他方で人気が無いからそういう生産の仕方が出来たとも言えます。そしてブームが来た結果、ボトリング設備がフル稼働しても一般市場の需要に追いつかず、限定商品の出荷も重なって、ラインナップすべての生産が追いついていないことは市場を見ても明らかでした。
今後は6月のブラックニッカディープブレンドをはじめ、後述する新商品のボトリングもありますから、既存製品にリソースを割けないのでしょう。
値上げの裏で終売、消費者、ファンからすれば複雑なところですが、選択と集中が必要だったのは理解できます。
このダブルパンチに憤る気持ちがあるかもしれませんが、決まってしまったことは仕方ありません。 

また、今回の終売通知は、言い換えればニッカのシングルモルトラインナップが全滅するということでもあります。(蒸留所限定品は残るようですが。)
オイオイ、世界的にシングルモルトブームが起こっているなかでそりゃないだろう。という感じですが、今後はノンエイジの余市、宮城峡が、構成・仕様を新たにしてリリースされるそうです。 

※9月1日以降のニューリリースについて情報を更新しました(6/12日追記)
【速報】 9月1日新発売の「余市」と「宮城峡」の詳細について
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1030603271.html


(8月2日更新)
シングルモルト余市(45%) 先行試飲サンプル テイスティング記事。
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1035737486.html
シングルモルト宮城峡(45%) 先行試飲サンプル テイスティング記事。
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1035892652.html

それにしても、2015年はジャパニーズウイスキーにとって大変革の年になりそうです。
世界のウイスキー愛好家が注目するニッカのシングルモルトがノンエイジのみってのは少々悲しい気もしますが、原酒の選択と集中で幅広いビンテージから構成されることで、素晴らしい出来のモルトウイスキーとなることを期待しています。
※9月1日以降のラインナップと今回の値上げ・終売についてまとめました。(5/27更新)

このページのトップヘ

見出し画像
×