アーカイブ

2015年05月

グレンキース40年(1970-2011) シルバーシール・セスタンテコレクション 

カテゴリ:
いやー昨日は流石に堪えましたw
最近飛行機が飛んでいる音がすると「ぶーんぶーん」と飛行機の姿を探すわが子の望みをかなえるため、午前中は羽田空港へ。
大量の飛行機と発着、離陸シーンで満足頂いたら、お昼を挟んだ後は、家の近所の公園で滑り台+近場を走る電車ウォッチw
そして夜はナイターで野球の試合。先日ブログでも書いたとおり、宣言どおりの一日を過ごしてきました。
(ちなみに帰宅後は、山と詰まれた食器と衣類の洗浄がお仕事で、やっと本日の自由時間です。)

さて、本日のボトルは少し前にグレンキースの1970年代蒸留、長熟リリースが一気にあったころの1本。
シルバーシール、セスタンテ、信濃屋プライベートカスクリリース50本目記念、BAR STAG16周年記念・・・などなど、ということで、いったい何役のってるんだよという跳満ボトルです。
このボトルのビンテージである1970年は、グレンキースにとって変革の年でもあります。

GLEN KEITH
Silver Seal
"SESTANTE"
Aged 40 Years
Distilled 1970
Bottled 2011
(Specially bottled for Shinanoya & BAR Stag)
評価:★★★★★★☆(7)

"ドライでオーキーな香り立ち、バニラやドライアップルの甘さの中に微かに梅干を思わせる酸味がある。
口当たりのフレーバーは全般的にオーク系のフルーツ感主体、ドライパイナップルやカステラの甘み、後半は原料由来と思われる麦芽系の適度な香味のふくらみがある。微炭酸のように細かい刺激のスパイスも。
フィニッシュにかけては煮たリンゴを思わせるフルーティーな戻り。ドライだがくどさは無く長い余韻。"

グレンキースはシーバスリーガルや100パイパーズの主要原酒。
1957年の操業時は3回蒸留を行っていたものの、1970年に通常の2回蒸留に切り替わっています。
ブレンド用に軽くライトな酒質のものを生産しようとしたんでしょうか。12年そこそこで切り替えということは、ブレンド側の納得がいくものができなかったのかもしれません。
このボトルはどちらの蒸留回数に当たるのか、香味の感じからすれば2回だと思うのですが…。

1970年蒸留のグレンキースは、他のボトラーズからもいくつか同時期にリリースされていました。
それぞれ40年という長期熟成でありながらキャラクターも色々、飲んだ中ではオフィシャルに一番近いベクトルを持っていると感じたのが、このシルバーシールのキース。
ボトル口開け当初はもっとオーク感が強く、フレーバーの輪郭もトゲトゲしていましたが、最近かなり落ち着いてバランスも良くなり、まさに飲み頃という感じになっています。
某BARのマスターが、これは3年くらい寝かせてから飲むとポテンシャルを発揮しそうだと当時話していましたが、まさにその通りだと感じます。

キースに限らず、最近リフィルオーク系の熟成でフルーツが出ているタイプが主流の一つになっています。
ただ、このタイプは味が尖っているものや香味の分離感があるものが多く、数年単位で瓶内熟成させたほうがそれらが落ち着いて楽しめるようになる印象。
ウイスキーはワインほど買ってからのケアはしなくていい、買った段階で完成している酒ですが、あえて寝かせることで変化を狙っていく楽しみもあります。


ちなみに補足の必要もないとは思いますが、STAGさんは北九州を代表する日本でも屈指のBAR。
お通しのコンソメスープからの、オールドハイボールが自分のお決まりの流れ。そして気がつくと散財w
そういえば最近STAGさんに行けてないなあ。最後に伺えたのは1年半くらい前…だったかな。
また伺いたいものです。

バランタイン・ゴールドシール 明治屋正規 1960年代流通

カテゴリ:
夜起きてられなくなったなと感じるくりりんです。2時過ぎるともうだめですね。その代わり朝はスッキリしていることが多い。…歳かな?( ̄▽ ̄)

今夜はオールドブレンデット。
特に中毒者を出しやすいと感じるバランタインシリーズのレアボトル。
バランタインのラベルデザインは洗練されてる印象ですが、このトレードマークの色は時代を感じさせます。

BALLANTINE'S
GOLD SEAL
750ml 43%
1960's

評価:★★★★★★(6)

"篭ったような香り立ち。胡桃を思わせるナッティーなアロマ、スワリングすると麦芽香の甘く香ばしいニュアンス、複雑で華やか、そして強めのピート香がある。
口当たりはモルティーで舌先にピリピリとした刺激。少量の蜂蜜を感じた後はすぐ強いピート、ビターなフレーバーが現れる。コクがありピートに押され気味だが、麦芽やビスケット、サルタナレーズンの甘さが裏に見える。
フィニッシュは強くスモーキー、ビターで心地よくドライ、キレが良い。 "

1960~70年代流通のバランタイン。品質の証、金の封印ゴールドシール。
明治屋の正規品でJapanTaxと特級表記有り。 
今から10年くらい前にバランタイン12年がリニューアルする際、ゴールドシールのストーリーが引き合いに出されており、一度飲んでみたいと思ってました。
ただ、元々この年代のバランタインは国内流通量が少ない中、このボトルはさらにモノが少なく、なかなか見かけません。(ヤフオクだと1年に1本出るかという頻度か。)

当時のバランタインのノーマルラインナップはファイネスト、12年、17年、30年とくるわけですが、ボトルは12年の流用、ラベルはファイネスト用の紙に印字と、同時期の12年に比べて安っぽい…しかし裏ラベルはボトル番号付きで位置づけがよくわかりません。
しかし味はこれらに比べてよりピーティー、スモーキー。そうした原酒、例えばアードベッグなどの比率が高いものと思います。

惜しむらくはこのボトル、微妙に状態が・・・味は問題ないのですが、香りが少々こもってます。
とりあえずプラキャップからコルクに変えてリカバリー中、そういえば冷蔵庫で冷やして常温に戻すと改善されるなんて話を聞いたことがあります。
今度ためしてみようかな。

サントリー エイジ・アンノウン 佐治敬三マスターブレンダー勲一等瑞宝章受賞記念

カテゴリ:
最近山崎の長熟モノのオークション価格がスゴイ事になってますね。
基本1本百万越え。ファーストロットの山崎50年が300万オーバーって一体誰が買ってるのか。
まぁ冷静に考えてアジア方面とか、どこぞの投資ファンドとかなんでしょうけれど、この過熱感は日本株なんて目じゃないです。
今回はそんな山崎の長熟モノを過去ストックから。

SUNTORY WHISKY
AGE UNKNOWN
"Master Blender Keizo Saji"
43% 750ml
 
評価:★★★★★★★(7)
 
"いりこやおがくず、お香のような独特なクセを感じる香り立ち。熟成感があり、上等なカラメルとチェリーや干し柿、深いコクを感じる甘さと微かな酸味。時間経過でコクのある甘さがクリーミーに感じられる。
口当たりは滑らかでクリーミーで複雑、濃縮感がある。熟したバナナ、干し柿、レーズンチョコレート、メレンゲクッキー、油絵具のようなクセ。香り同様にお香と甘い樽香が鼻に抜ける。フィニッシュはウッディーな苦みと色の濃い蜂蜜を思わせる甘さが長く続く。
加水は少量であれば香りが広がる印象がある。ロック、ハイボールは悪い出来ではなかったが、ミズナラ樽由来のクセが残り、自分は気になってしまう。推奨はストレートか少量加水で。"
 
佐治敬三氏についてはもう今更説明の必要も無いかと思いますが、サントリーの初代社長(寿屋から数えれば2代目)にして、2代目マスターブレンダー。
色々話題のある方ですが、ウイスキー関連ではシングルモルト山崎のリリース、白州蒸留所の建設と、まさに近年のジャパニーズウイスキーにおいて切っても切れない方。
 
その佐治敬三氏が勲一等瑞宝章を受賞(1989年)した際の祝賀パーティーで記念品として配付された非売品が、このAge Unknown。同氏自ら選定された25年以上熟成のモルト原酒で構成されており、単純に考えて最も若いもので1964年の蒸留ということになります。
つまり白州ではなく山崎蒸留所の原酒ということでもありますね。
香味はなんといってもミズナラ香。先日投稿した山崎樽出原酒15年でミズナラについて触れましたが、Age Unknownのミズナラ香はその比ではなく、もっとアクが強くクセのあるもの。新しめのミズナラ樽だったのか、かなり長期熟成の原酒だったのでしょう。
 
で、上述のように非常に貴重で高価なボトルなんですが・・・。
そして私の所有物でもないんですが・・・本当に好き勝手飲ませて貰いました。
ストレート、少量加水、ここまでは良いとして、その後はロックからのハイボール(笑)
思いっきり勝手した結果、結局ストレートが良いねコレは、という結論に至るワケです。
何事も挑戦だよ!兄貴!!

ビール大好きなKさん、いつもありがとうございます!

 

ハイランドパーク12年 1990年代流通

カテゴリ:
先日、ウイスキー仲間のTさんが父親になりました。
昨年秋頃結婚式を挙げたと思ったらもうそんなお話しが。いやぁめでたいですね。
我が家も子供が生まれて、色々大変ではありますが幸せ度はぐっとあがったので、そんな幸せをこれから育んでいってほしいと思っています。本当に、おめでとうございます!
なんて偉そうなこと書いてますが、私よりも年上なんですいつもすいません(汗)。

いずれ飲む機会もあるわけですが、今日はTさんお気に入りのハイランドパークで1杯です。
たまに飲んでるボトルですが、今日は気温との関係か、めでたいことがあったからか、ことのほかおいしく感じました。

HIGHLAND PARK
AGED 12 YEARS
43% 750ml
1990's

評価:★★★★★★★(7)
※ただし冬場など寒い時期に飲む場合は★(6)

"濃縮感のあるフレーバー、香ばしい麦芽香にウッディーな樽香、シェリー香。ママレードやドライアプリコットのようなフルーティーさ、紅茶を思わせる香りでもある。微かなスモーキーさもあって充実したアロマ。
度数以上に濃厚でコクのある口当たり、蜂蜜の甘さ、オレンジのカラメル煮、そしてヨードを伴わないナチュラルなピートのビターな苦味が強く湧き上がってくる。
フィニッシュはビターでスモーキー、微かにスパイシー。苦味は染みこむように長く残り、2口目、3口目を誘う。
加水すると香りでオールドボトルで感じられるシェリー感や麦芽のニュアンスが分かりやすくなるが、ハイパらしさを味わうならストレートがオススメ。"

通称北の巨人、ハイランドパーク。
何の変哲も無い12年モノですが、当時から現行品の普及価格帯の中で安いのに旨いと評判だったボトルです。
実際、評論家のマイケルジャクソン氏が「全モルトウイスキーの中でオールラウンダーで秀逸な食後酒」と評したこと。そして12年モノに90点をつけたことはあまりにも有名なエピソード。
そのMJ氏が評価したとされる12年モノのボトルは、時期的にこの1つ前か、このボトルじゃないかと思います。

ハイランドパークは現行品もこの頃のボトルも、蒸留所の個性であるへザーハニー(蜂蜜のような甘さとピート香)がちゃんとあって、シングルモルトとして良い出来です。
ただ近年になるにつれて樽で苦労されている感が伝わる味でもあり、かつては濃厚で、リフィル系の樽香にシェリーの甘さやコクが感じられたところが、徐々に徐々に弱くなってきています。
麦の違い、樽の違い・・・こうしたボトルを飲んでいると、しみじみと旨いと感じる反面、飲み終えてしまうことへの抵抗感が沸いてきてしまいます。
まぁまだオークションなどで買えるワケですから、がんばってポチればいいんですけど(笑)

このボトルは昨年9月ごろに開封したもの。当時からちびちび飲んでいたものの、甘みとあわせてえぐみも感じられる。ピートは強くらしさはあったのですが、プッシュするような内容でもありませんでした。

しかし温かくなって甘さが前に出るようになったためか、甘さ以外に濃縮感も出て来て、バランスがとれてなんとも良い状況。 普通に美味い。
気温との関係で20〜25度程度をキープする今の時期が、最高に飲み頃なのかもしれません。

ニッカウイスキーの9月1日以降のラインナップ考察(値上げ・終売情報まとめ)

カテゴリ:
昨日5月26日、ニッカディープブレンドの販売が正式に告知されました。
告知といっても4月上旬にはアマゾンに商品が掲示されるなど、業界側に動きはありましたので若干今更感はありますが。
気になっていたのはこの公式発表と合わせて終売の告知がされるかどうか。
結局この点は触れられてませんでしたので、やはり余市、宮城峡のニューリリース発表と合わせてになるのでしょうか。

ブラックニッカ・ディープブレンド新発売
http://www.asahibeer.co.jp/news/2015/0526_2.html

値上げ、終売については情報が出そろいましたし、ここでちょっとした考察をしたいと思います。
まずはじめに今回発表・通達された2つの情報に、新発売のディープブレンドを加えて、現時点での2015年9月1日時点のニッカウヰスキーラインナップを作成しました。


いやーこうしてみると圧巻ですね。
箱船に乗れたのは飲食店などに販売量の多い一部のブラックニッカだけという状況。
ニッカがどの銘柄と戦略に重きを置いているのか、一目瞭然です。

続いては、今後のリリース・展開を予想するため、このリストから9月1日以降も販売を継続するモノを抜き出し、価格別に他社との横並びを見てみます。
本来他社との横並びだけでは考察材料としては足りない部分もあるのですが、とりあえず作成したところ思った以上に面白いリストになりました


※価格はメーカー希望小売価格(税別)です。一部オープン価格のものについてはネットショップの実売価格を参考にしています。
※こちらで決めた価格帯で線引きをしていますが、対象の価格によって位置をずらしてあります。
※本リストの価格、ラインナップは2015年5月26日時点で発表されている物になります。今後の各社の動き次第では変動があります。

まずサントリー、見事な分布だと思います。
シングルモルトもブレンデットもハイエンドをきっちりおいて、価格帯にほぼ抜けが無い。
低価格帯は多様な購買層にあわせてキャラクターの違う商品が揃っている。
価格帯の線引きは何か裏付けがあるものではないんですが、ここまでバランス良く配置されるとは思いませんでした。
これだけの布陣が整っているのですから定番商品の開発は不要で、後は原酒との関係で出荷量を調整しつつ、たまに限定品をリリースして話題にしていけば良いような印象を受けます。

キリンはドリンクスでの販売品も配置していますが、店頭販売品のみにすると悲惨なことになります(笑)
富士山麓18年も終売になっちゃいましたし、今後新商品発表がないと店頭品が3000円以下の商品のみという事態に。まぁコアな銘柄はドリンクスで展開するという戦略なのかもしれませんが・・・それにしても寂しい陣容です。

そしてニッカ、大規模な終売があったとはいえ、3000円未満の低価格帯はブラックニッカを軸にしているだけあって充分サントリーと戦っていける布陣だと思います。
500ml仕様ですが、ピュアモルトシリーズがあるのも個性的で良い感じ。まぁ昔の充実具合からすれば明らかに減ってしまいましたが、これも選択と集中の一環ということで・・・。

そしてここから、次のリリースがどこに落ちてくるかを考察します。
サントリーとニッカの3000円以上では、それぞれの価格帯で、価格面でサントリー>ニッカの構図ができています。
(例えば山崎12年 8500円に対して竹鶴17年7000円というように。)
この関係で見て行くと、発売予定のシングルモルトの大本命は灰色で示した3001~5000円の間、山崎、 白州のNAと競合する形。
価格は傾向通りなら同じかそれ以下、4000円くらいで新製品の余市NA、 宮城峡NAを出してくるんじゃないでしょうか。ここは比較的購買層も多いと考えられるため、ニッカ、サントリー両社の競争が加熱しそうです。
あとはブレンデット。鶴17年が終売となったことで、ブレンデットのハイエンドが12年になっています。
今や知名度最高潮、マッサン効果ですっかり時の人な"竹鶴"に力を入れていくとはいえ、流石にブレンデットが12年のみというのは寂しい話。
ニッカは日本のグレーンウイスキー史においても先駆者なのですから、竹鶴21年と横並び、10000~15000円くらいで、例えばザ・ニッカの20年前後をリリースしてラインナップに厚みや高級感を持たせてほしいところです。
何気に30000円から上も色々空白なんですが、まぁここは定番品というより限定品ゾーンかなぁ。


長くなってしまったのでまとめますと
・サントリーの分布はお見事。出来ればこのまま値上げ無くいってください(笑)。
・ニッカは4000円前後と10000~15000円でニューリリースを出してくるんじゃないか。っていうか出してください。
・キリンさん、氷結ばっか作ってないでがんばれマジで!

ということで、現時点での考察はここまでとします。


参考:サントリー値上げ情報
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1022184268.html

参考:ニッカ値上げ情報詳細
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1027880331.html

参考:ニッカ終売情報詳細
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1028374754.html

参考:キリン終売情報(富士山麓18年)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1028435132.html


【6月12日追記】
9月1日以降のニューリリースについて情報を記事にしました。価格はとりあえず予想通りで(笑)

【速報】 9月1日新発売の「余市」と「宮城峡」の詳細について(6月12日更新)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1030603271.html


9月1日発売の新余市・宮城峡のテイスティングと評価は以下をご参照ください。

シングルモルト余市(45%)  

このページのトップヘ

見出し画像
×