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2015年04月

グレンギリー 23年 (1990-2014) エクスクルーシヴモルト

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個人的に今注目の蒸留所のひとつがグレンギリーです。
イギリス本国ではスモールバッチリリースなど、12年以外のオフィシャルがリリースされていますが、日本はサントリーの戦略なのか変化無し。
では近年のボトラーズはどうか、これは大当たりこそ出ませんが安定した出来で、楽しめるボトルが多いという印象です。 今日はまだ市場に残ってる1本から。
 
Exclusive Malts
GLEN GARIOCH
Aged 23 years
1990-2014
700ml 55.6%
IMG_0150

評価:★★★★★(5)

"梅の酸味とタバコのスモーキーさ、微かに油脂のようなクセ。徐々にオーク香が裏から出てくる。
口当たりはオイリーでニューポットのような若い香味もある。蜂蜜の甘みとローストした麦、フィニッシュにかけてピーティーでスパイシー。
バランスが取れるまで多少時間がかかるが、グレンギリーらしさも感じられる。"


魔のパフューム時代を抜けた、新時代のグレンギリー。らしさは油脂のようなクセとスモーキーさ。
(エクスクルーシブ社の解説は・・・長いから省略します。気になる人はぐぐってください。)
最近のグレンギリーは特にバーボン樽のオーク香との相性が良く、このボトルもメーカー案内文でホグスヘッドと書かれているので、バーボン樽の影響が感じられるかと期待していたのですが・・・思いのほかナチュラルでした。アロマの中にニューポッティーさに共通する香味まであったくらいです。
おそらくシェリーホグスか、バーボンホグスであっても2回目以降のリフィルかサードフィルを使ったのでしょう。
個人的な好みをいえば、もう少し熟成感がほしかった味で、あまり高評価とはなっていません。 

一方そのほかの評価としては、昨年11月、FB経由でオフ会ちっくなイベントを開催した際、催し物のひとつとしてブラインドテイスティングにこのボトルを出題したところ、選択式の回答(「アードベック」「グレンギリー」「タリスカー」「余市」の4択)で、タリスカーに流れた人がかなり多かったです。
1つ前の真ん中にマップがあるラベルのタリスカーかと思ったというコメントもあり、確かにこの酸味とスモーキーさはそれっぽいよなと。実際それをトラップとして選択肢を作ったんで、こちらとしては狙い通りでした。 
近年のタリスカー好きな方は、試してみたら面白いかもしれません。

このボトルは昨年10月頃に販売開始しています。
本記事を書くにあたり、いくらなんでももう売り切れてるだろうと思って調べたらまだ売ってました。
値段そこそこ高いので敬遠されたかな。一応リンクだけ貼っておきます。

リカーズハセガワ グレンギリー1990 エクスクルーシヴモルト
http://www.liquors-hasegawa.com/SHOP/12672.html

週末飲んだくれ日記 -萩の鶴 試験醸造酒ほか-

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今回はただの飲み日記ですw

週末は自宅マンションの共用ルームでウイスキー仲間と持ち寄り会 を開催しました。
先日釣ってきた魚を刺身とフィッシュ&チップスにしてつまみ代わりにし、ウイスキーの他にビールに日本酒と何でもござれ。
ラストは締めの家系ラーメン。
「スープ濃いめでお願いします。」
なんて言っちゃったりして、もうダメ人間まっしぐら(笑)。
まぁでも楽しかったから良いんですよ。最終的には楽しければ良い、美味しければ良いんです。


ただし次の日はその不摂生を正すため、午後からチャリタイム。そういえばこのブログでチャリの事を書くのははじめてですね。
最近は家族や子供の手前ガチでやれなくなりましたが、自分の愛車はCANYONのULTIMATE CF SLX 9.0、ツールなどの世界大会でプロが実際に使用しているハイエンドモデルです。
自分の実力からして、レベル1の村人がロト装備しちゃってる感じでしょうか。
評価軸を作るためには、一度はハイエンドを経験した方が良いというのが釣りにしろウイスキーにしろ、趣味を通じて得た経験でもあり、2台目となるロードバイクとして思い切って購入してみました。



どこに走りに行くか悩みましたが、午後からのスタートで時間も限られていたため皇居へ。
皇居周回しながら、竹橋方面にある短い坂を30km/hキープで登るのを繰り返すと結構きます。
冬場に練習サボったので3本目くらいから30km/hキープが出来なくなってきて、高速入り口あたりでたれるたれるw

とりあえず10本ほど周回をこなして免罪符を手に入れたら、夜はのんびり晩酌タイムです。
TVをつけると丁度野球中継。いやー野球中継見ながらビールにツマミ飯っておっさんですねぇ。
昼間折角運動したのも台無しな気がしますけど、気にしない気にしない。



チャリで適度に疲れた体にビールが染み渡ると、なんとも言えない眠気が来てそのまま寝落ち。
目が覚めると期待のルーキー高木からマシソンにチェンジして、あんなアバウトピッチャーなんで打てんのやと、江本氏が相変わらずの上から目線を展開していました。
打てない何かがあるからタイトル取れて、助っ人であれだけ長寿命なんだろーが。現役馬鹿にすんのもたいがいにしーやー。

ビールの酔いが覚めて体が覚醒してきたので、持ち寄り会で頂いた日本酒を1杯。
ただのグダグダ日記ってのもアレなんで、美味い酒紹介いたします。



萩の鶴 純米大吟醸  試験醸造酒  25年度仕込み。
品の良い吟醸香に、マイルドな口当たりから適度なコク、後半にかけて優しい酸味が旨みに巻き付いてきます。
余韻もすっきりしていて、これはウマい。スイスイ飲めてヤバイ酒でもあります(笑)。
500mlボトルですが短期間で飲み切る日本酒ですから、個人的にはこれくらいのほうがありがたいですね。
お値段もかなり手頃で、同じ値段でワイン買うなら断然こっちです。

何気に日本酒も好きなんですが、ウイスキーほど情熱向けれていません。っていうか財布が持たない。
でも次にブームがくるとしたら日本酒だと思っています。
(実際くすぶっている感じはあるので、後は着火剤となる何かがあれば爆発しそうです。)


なんか独身かってくらい好き放題していますが、GWに合わせて妻が子供を連れて里帰り中なんです。
来週は妻を迎えに自分も実家に行くので、この独身生活もいよいよ終わりが近づいてきました。

あ、ブログは続ける予定なので、これからもよろしくお願いします。

イチローズモルト 羽生蒸留所22年(1991-2014) 高島屋限定ボトル

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ここ1年少々の間に、遠い遠い存在になってしまった蒸留所がいくつかあります。
ちょっと前まで路上ライブやってて身近だったバンドが、ヒットしてTVでしか姿を見なくなったみたいな。
そのうちのひとつが羽生。当時の他のボトルから見れば少々割高で、もちろん旨いボトルもあったし総じて不味くは無いんだけれど、特に買う理由が見つからなかった羽生蒸留所。 

最近は中国を筆頭にアジアで大ヒットなようで、リリース→即完売→オークション(笑)なんですが、最近リリースがあった1本を運良く頂くことができました。  

ICHIRO'S MALT
JAPANESE SINGLE MALT WHISKY
"HANYU"  22 Years old
Distilled 1991
Bottled 2014
#381 Original quarter cask
700ml 57.1% 

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評価:★★★★★★★(7)

"木の蜜を思わせる艶とキャラメルのような甘さのあるウッディーなアロマ。ドライでリッチ、くるみのようなナッティーな香りもある。
リッチでパワフルな口当たり、樽由来の木香が主体的な味わいで、香り同様にキャラメルを思わせる甘さと粘性、焦げたオーク、ドライアプリコット、お香のような品の良い香りが鼻に抜ける。
フィニッシュにかけてドライで舌の上に渋み、スパイシーでトーンの高いハイプルーフらしい甘さが長く残る。
少量加水すると香りが開き、味のまろやかさが際立ち熟したイチゴのような甘みも感じられる。是非加水を試してほしい1本。" 


つい先日、確か4月上旬頃に高島屋で限定販売された1本です。
そこそこ良いお値段しましたが、当ブログでは変動要素の大きい価格はテイスティングでは考慮しないこととしていますので原則無視。
長熟バーボンのようであり、余市の長熟原酒にも共通する強い樽香が、なんとも「らしい」味わいです。この樽香主体の味わいは好みが分かれるところで、樽材しゃぶり系が苦手な方は閉口かもしれません。

樽はオリジナルクオーターカスクの表記で、味から推察するに新樽の印象を受けます。
ストレートで飲む分には、まぁ普通の・・・って感じですが、少量加水で良い変化をしてくれました。ストレートで飲む分には★6ですが、加水で加点1。
へたれるわけでもなく、良い具合に香りが開いて複雑さが感じられるのもポイントです。

ちなみに羽生蒸留所のこのタイプのウイスキーは、葉巻にめちゃくちゃ合います。
シガー好きの方々にオススメしたい1本でもありますね。

スプリングバンク17年 シェリーウッド 2015年ニューリリース

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今朝から回線の調子が悪く、ライブドアにアクセスできませんでした。
FBにはアクセスできるのに、ツイッター、ライブドア、ニコ動とアクセスできないサイトが多数。

ルーター再起動したりシステムアップデートしたり、まぁ色々やっていたら結局アクセスできるようになったのですが、結局なんだったのでしょう。謎です。(笑)

さて、今日は先日販売されたスプリングバンクのニューリリースの紹介から。
スプリングバンクでシェリー樽熟成というと、かつてのリリースを知っているのでいやおう無しに期待してしまうのですが、同時に近年系の期待にそぐわない内容もイメージしてしまう。
まるでスランプにはまったプロ野球選手の打席をじっと見つめてため息をつくファンの心境です(笑)。

SPRINGBANK
AGED 17 YEARS
”SHERRY WOOD”
700ml 52.3%
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評価:★★★★★(5)

”トーストしたパンの香ばしいアロマ、サルタナレーズン、微かなベリーと硫黄の煙。
口当たりはリッチで粘性がある。かりんとうのような黒砂糖の甘さと香ばしさに塩分、ローストした麦芽、硫黄、徐々にピートのスモーキーさが出てきて、フィニッシュはドライでスパイシー、湿った木の香りと蜂蜜の甘さが残る。
加水するとバランスは崩れるが、ベリー感という点では少しだけ距離が近くなる。”


シェリーカスクで17年のバンクといえば、以前Bar Show向けで2013年詰めのリフィルシェリーバットがありました。Bar Show向けはシェリーといいつつリフィルでしたのでナチュラルな仕上がりだったのに対し、こちらはバランス良く効いたシェリー樽の影響を感じることが出来る味です。
硫黄があるので、処理をした樽なのでしょう。シェリー樽そのもののシーズニングの期間(シェリーを入れていた期間)はそれほど長くなさそうです。
そのため、シェリー樽で濃厚ベリーな味わいのバンクをイメージしていると拍子抜けしてしまいますが、近年のバンクとしては相応の仕上がり。バンクの特徴として塩っ気をしっかり感じますし、麦芽の風味もシェリーの中から主張してきます。
好きな人は好きな味かもしれません。

ボトリング総数は9120本、シェリーウッドにカスクストレングス、各酒屋もかなりレア度を煽ってますね(笑)
ただ上述の「スランプの選手を見守るファン」の心境としては、スランプから抜け出したとは言いがたい内容でした。
バーボン樽熟成のほうは結構良いものも出てきてるんですけど、シェリー樽はやはり難しいでしょうか。
あともうひとがんばり、してほしいところです。

ハイランドパーク 19年 グリーンダンピー 1970年代流通

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ちょっと評価が偏り気味なので、過去の記録に頼ろうと思います。
自宅ストックだけでもまだまだボトルは控えていますが、どうしても★6前後が中心になるので、★9以上の突き抜け系をいくつかUPしようかなと。
 
おいそれと飲めるボトルではありませんが、いずれも価値観が変わるほどの感動を与えてくれる素晴らしいボトル達です。
実はこれらのボトル、ほぼウイスキー仲間から飲ませて貰ったものばかり。
一般的に見れば充分すぎるほど崩壊している金銭感覚ですが、「これだけ飲んできた飲み手の中で、一番金をかけてないのは俺だ」と豪語する由来はここにあります。
いやはや、本当にありがたい限りです。
 
 Highland Park
19 years old (1975's)
750ml 43%,

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評価:★★★★★★★★★(9)

1970年代流通のハイランドパークグリーンダンピーボトル、19年モノなので1950年代の蒸留となります。 
非常に高貴なシェリー感で、ベリーや葡萄のニュアンス、そしてハイランドパークを主張するシェリーに負けない強いスモーキーさが特徴のボトル。
口当たりはスムーズですが、濃いシェリーと香り同様に強いスモーク。タールのようなピート、嫌味の無い長い余韻。
中間以降に濃縮したような濃さがある点も素晴らしく、シェリー&ピートのオフィシャルボトルとして完成系のひとつであると思います。

個人的にこのボトルはロット差というか、モノによってかなり違いの出るボトルで、都内某BARで飲んだ同じボトルのハイランドパーク19年は、シェリー感控えめで麦芽&ピーティーなタイプ、拍子抜けしたのを覚えています。
 
その点、このボトルは素晴らしいシェリー感があり、ハイランドパークの全盛期の味わいを堪能することが出来ます。加水とバッティングの妙と言うんでしょうか、複雑さがありながらスムーズで飲み疲れない高い完成度。
カスクストレングスで高度数のものも良いですが、加水でバランスが整った染みこむような味わいはストライクゾーンど真ん中です。
同時期に飲んだGMタリスカー・イーグル・アザミラベルとも共通する要素を感じましたが、そこはタケモトさんがWhisky linkの記事中でも触れてますね。
 
ハイランドパーク Highland Park 19yo (43%, OB, James Grant, Green dumpy, black label, 75cl)
http://www.whiskylink.com/?p=23805

こういうシェリー&ピーティーは大好物。
おかわりどころか複数回にわたって飲ませていただいた、素晴らしいボトルでした。

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