グレンモーレンジ ハリソンフォード 46.5% 2026リリース

GLEN MORANGIE
HARRISON FORD
Release 2026
700ml 46.5%
評価:★★★★★★★(6ー7)(!)
香り:キャラメルや濃いめの紅茶、そしてオランジェットのようなしっとりとしたオレンジと甘いウッディネスのアロマ。微かに浅く焙煎したコーヒーのような香ばしさと酸も伴う。
味:最初はウッディでほろ苦く、黒蜜を思わせるニュアンスや、キャラメリゼやオランジェットのようなフレーバー、含み香。そこから余韻にかけてオーキーな華やかさ、黄色系の果実や桃などのモーレンジらしいフルーティーさが広がり、複雑で変化のある余韻が染み込むように長く続く。

グレンモーレンジィがハリソン・フォードを起用したグローバルキャンペーン第二弾、第一弾は昨年でグレンモーレンジのPRを、第二弾はブランド初となる人物の名を冠した限定商品が今回レビューする1本が、この5月にリリースされました。
ただこのリリース、私がテイスティングした5月末頃の時点で、レビュー、感想があまり話題になってませんでした。
企画そのものは知られていたようですが、ボトルが手に取られるかは別。おそらくこれは見えてる仕様や有名人コラボという、愛好家から見たらデバフ的な情報の方が目立つからでしょう。
公開されてる原酒構成は、バーボン樽原酒とトーストしたポルトガル産赤ワイン樽由来の原酒をヴァッティングしたもの…以上。
熟成年数に関する情報はなく、NAS?若いの?って疑念があるところに、当たり外れの大きい赤ワイン樽熟成。ポルトガルってところも身構えてしまう。ポート、ではないんですよね、これ。ポルトガル産ワインが悪いとは言いませんが、一定数のウイスキー愛好家からすれば未知の領域です。
仕上げが有名人コラボであること。ハリソンフォード氏についての良い悪いではなく、この手のコラボはギャラという名の追加コストが発生するため、価格から見て中途半端というかアレなことが多い印象もあります。少なくとも私の中では。
あとは加水とか、細かいデバフな要素もあって15000円…同じ価格で18年買うわ(あるいは他の選択肢に行くわ)となっても、おかしくはない訳です。

では、実際に飲んで見たらどうだったのか。
ここまで長々と書いておいて、私は店主にオススメされるまでリリースのことを知らなかったし、なんなら構成原酒のことを知らずに飲んでる訳ですが(汗)。
決して若くも、中途半端でも、ネガティヴでもなかった訳です。
第一印象は、リッチで美味い!
ワイン樽由来のネガティブな要素はなく、素性の良いウッディネスと、黄色系や桃、オレンジなどの熟成したグレンモーレンジらしいフルーティーさが広がるバランスの良さ。口当たりは加水で整えられて柔らかく濃厚、洋菓子や紅茶の甘さ、モーレンジらしい華やかでフルーティーなフレーバーが余韻にかけて広がる。いい意味で驚かされました。
イメージとしては、グレンモーレンジのシグネットとシングルモルト18年を掛け合わせたような系統。熟成感もあり、素性を知らなかった中でのテイスティングでは「これ20年前後の熟成原酒がベースなんじゃ?」とコメントしたのを覚えています。
度数も約3%ですが通常リリースより高いことで、適度な飲みごたえ、フレーバーに勢いを与えています。
使われたというバーボン樽とトーストした赤ワイン樽…、バーボン樽はいつも通り、ですがひょっとしてワイン樽の方は最近流行りのSTRカスクなのかもしれません。
ワイン樽でイメージされるねっとり系の果実感、こもったようなフレーバーではなく、チャーオーク系の香ばしさやキャラメルなどのフレーバー、そこからオーキーで華やかなフルーティーさが芽吹き、広がる変化。これが味わいのコントラストとなり複雑さを演出しています。
カスクストレングスではないため、突き抜けてくるフレーバーの強さはないですが、シブい仕事してますよコレ。
聞けばハリソンフォード氏は大のウイスキー愛好家であるとのこと。コラボも2025年から始まっており、氏の好みとコストもボトルではなく全体に分散する形であったのなら・・・あれ、このリリースは値段なり良い原酒やこだわりの詰まったものなのでは?と。
驚きと共に楽しさ、美味しさがあり、思わずおかわりしてしまった1杯でした。


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