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THE AKKESHI 
Single Malt Japanese Whisky 
"Hakuro" 15th season in the 24 "Sekki" 
700ml 55% 

評価:★★★★★(5)

香り:ビターでスモーキーなトップノート。焦げた樽感、根菜、スパイシーでウッディなアロマ。奥には麦芽やオレンジママレードの甘さも感じられ、複雑で強く広がる。

味:リッチでピーティーな口当たり。最初はねっとりと厚岸らしいコク、オレンジや黒砂糖を思わせる甘みが感じられるが、即座に柑橘の皮、ピート、濃く入れたほうじ茶、ビターなフレーバーがピートスモークと共に支配的に広がる。余韻はビターでスモーキー、土や根菜を思わせる要素とタンニンが混ざりあう。

24節気シリーズの折り返し、第12弾。厚岸のリリースは総じて麦芽とピート、そしてミズナラ樽由来のフレーバーが軸になることが多い。今作はここにシェリー樽やワイン樽由来の個性が合わさった、系統の異なるウッディネスの二重奏とピート由来のビターなフレーバーが、複雑で濃厚に広がる。また、口当たりねっとりとした質感はラム樽由来だろうか。
ベースの酒質は熟成を経て間違いなく成長しているが、個人的には樽感の強さが本作は少々アンバランスに感じられた。ハイボールもややタンニン、渋みが濃く、フレーバーの複雑さを評価するか全体のバランスを評価するかで好みが分かれる印象。好きな人は間違いなく好き。

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3ヶ月に一度のペースでリリースされる、厚岸蒸溜所の二十四節気シリーズ。気がつけばファーストリリースから3年が経過。いやいや、24本って長いなーと思った2020年のその時から、気がつけば折り返しの12弾です。

原酒は3年ベースだったものが平均4年となり、熟成感や香味のまとまりが明らかに良くなってきた最近の厚岸リリース。今作も酒質の成長が感じられる味わいとなっています。
一方で今作、白露は樽由来の風味が強くてアンバランス、好みの分かれる部分があるなと感じさせる要素もありました。
樽構成比率は、北海道産を含むミズナラ樽が15%、シェリー樽15%、ワイン樽30%、バーボン樽30%、ラム樽10%あたりと予想。ピーティーな原酒の割合も多く、ウッディでビターな仕上がりはレビューの通りです。

発売した8月下旬に即開封、その後時間を置きながらじっくりテイスティングしていくものの、どうしても自分はこの苦味が気になってしまう。
特に今年は夏が長かった、というかこの記事を書いてる11月上旬であっても、半袖半ズボンで居られる気温が続いてますが、ようやく夜は涼しくなってきて、ふとアウトドアで飲んでみるとこれが悪くない。焚き火と紅葉、清涼な空気と厚岸 白露、是非そんな組み合わせを試して欲しいです。

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さて、二十四節気シリーズで積極的に3年、4年と言う若い原酒を使っている厚岸蒸溜所のリリースですが、勿論それを使わなければリリースなんて出来ないという原酒事情はさておき、もう一つはリフィルカスクを作るという目的があります。
元々寒暖差が大きく夏場は温暖な日本の気候、昨今は地球温暖化で北海道であっても30度越えは珍しくありません。

その環境において長期間の熟成を目指す場合、古樽の確保は厚岸に限らず各クラフト蒸留所の共通課題と言えます。
将来に向けて原酒を確保しておく必要があるのでは?こんなにリリースして大丈夫か?
たまにそんな疑問も見聞きしますが、いやいや将来に向けては原酒だけでなく、その時間で適正な熟成感をもたらす樽と熟成環境の確保が必要なんです。
30年経って蓋を開けたら全部激渋タンニン丸じゃ、とてもリリース出来ません。

また厚岸蒸溜所は目指す“厚岸オールスター”たる機能、原料が揃ってからが本当のスタート。現時点では、発表されていないモルティング設備と厚岸ピートのパーツが残っていますので、スタート地点まであと一歩といったところでしょうか。
ノンピート原酒は今作の白露にも使われているように、北海道産麦芽のりょうふう、ミズナラ樽、酵母で仕込まれたものがあるため、着実に準備は整っていますが、厚岸ピートについてはまだ準備段階なのです。

かつて再稼働したアードベッグが、10年計画でオフィシャルスタンダードを復活させましたが、それと同じように厚岸蒸溜所もそれくらいの時間が必要なのだと思います。
そう考えると、二十四節気シリーズに残されたあと12作、残り3年間を経た先が蒸留所としてはちょうど10年です。
今回のリリースで見られた酒質の成長と樽感のアンバランスさ、これが将来どのように実を結ぶか。次回作も今から楽しみです。

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