カテゴリ:
FullSizeRender

DRAMLAD 
The Age of Innocence 
Rouch Coast 
Islay Malt Whisky 
Cask type Red wine cask finish 
Bottled 2021 
Batch #1 
700ml 54.5% 

評価:★★★★★★(6)

香り:ピーティーでBBQのような強いスモーキーさと甘さの混じる香り立ち。やや根菜的なニュアンスと土っぽさ。甘酸っぱい果肉やソースを思わせるアロマもある。

味:口当たりはピーティーで粘性のある質感と、燻してほろ苦い麦芽風味。ピリッとした刺激もありつつ、甘酸っぱく赤みがかったニュアンスがアクセントに。余韻はスモーキーでドライ、舌の上にヨードを伴う粘性とウッディネス、ピートの土っぽさが残る。

主体は燻した麦芽とピートのリッチな味わい。赤ワイン樽後熟による甘酸っぱさ、べたつかない程度に粘度のある質感が、若さをカバーして程よいアクセントになっている。蒸留所は奥にある根菜っぽさやピートフレーバーの系統からラ〇ヴーリンと予想。
ハイボールにするとソルティーなフレーバーが引き立ち、ソーダの気泡と共にパチパチとピートスモークが燻製黒胡椒のように口の中を刺激していく。確かにこれはハイボールに合う1本。


ドラムラッドのセカンドリリース。Twitterのほうでは簡易レビューをUPしていましたが、記事にしていなかったのでこちらにも。
同社の3種のブランドラインナップの中では、エントリーグレードに位置付けられているエイジオブイノセンスの最初の1本。このグレードでは、若くても個性がわかりやすいものや、フィニッシュ等の面白さ、ウイスキーの魅力を気軽に楽しめるウイスキーをコンセプとしたシリーズです。

今回発売されたラフコーストは、今後シリーズ化していくという、アイラシングルモルトの1本。
テイスティングしてみると、仕上がりは悪くなく、そして確かに面白い。カスクフィニッシュの効き具合がちょうど良い塩梅で、全体のバランスに寄与しているだけでなく、蒸溜所のハウススタイルと思しき個性も感じられるのがポイントだと感じます。
若いモルトでもピーティーなものは、ピートにカバーされてある程度飲める仕上がりになります。しかしワインカスクはチャレンジ要素です。過去別ボトラーズから同じようなスペックのリリースは珍しくないものの、個人的にあんまりヒットしたことが無かった組み合わせだったので、今回も多少警戒していたわけです。

特にハイボールに合うというのは目から鱗でしたね。これが今回のリリースで一番面白いと感じたところと言えます。
ヤングアイラがハイボールに合うのは、別に今さら感のある話ですが、ワインカスクでハイボールというのは意外。公式コメントでは「真夏の深夜にゆっくり愉しむハイボール」とありましたが、実際に飲んでみると、ゆっくりどころかゴクゴクと秒で溶けるハイボールです(笑)。

lagavulin_sea
(シリーズタイトルとなっているRouch Coast(ラフコースト)は、”荒れる海岸”を意味する。写真は個人的にこのボトルの中身だと考えている蒸留所を、少し離れた先にある岬から撮影したもの。海は荒れてないけど…イメージして補完してください。)

ドラムラッドのリリースは、これまでのインポーターにはあまり見られなかった、選び手とリリースイメージを明確にしていることが、ブランド価値の一つとなっています。
選定者が信頼できるプロというのが、ここで生きてくるのか。あるいはこの人が大丈夫だと言って選んだんだから飲んでみようと思えるのか。確かに今回のリリースは、ドラムラッドじゃなかったら自分は飲まなかったでしょうし、公式解説あった通り面白い仕上がりでした。

そのドラムラッドさん、次のリリースは同じエイジオブイノセンスからリンクウッド2010-2021が9月15日に発売だそうです。
中身はホグスヘッド樽での熟成により、若いモルトながら甘く華やかに仕上がっていると聞いています。確かに、リンクウッドの酒質にホグスヘッドなら、少々ドライな感じでもオーキーなフレーバーに後押しされて、万人に愛されるスペイサイド地域らしさのあるリリースとなりそうですね。
コロナ禍故に中々飲みに行くことは出来ませんが、次回作も楽しみにしています。
参照:https://www.bar-times.com/contents/93040/

E-63AeGUUAIT1Xk