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ICHIRO'S MALT 
Malt & Grain 
Single Cask Blended Whisky 
For THE WHISKY PLUS 5th ANNIVERSARY 
Cask type Bourbon barrel 
Botteled 2019 Aug 
700ml 59% 

グラス:国際規格テイスティンググラス
時期:開封後1ヶ月程度 
場所:ジェイズバー
暫定評価:★★★★★(5)

香り:ドライでアメリカンウイスキーを思わせる穀物感。ペパーミントやハッカのようなスーッとする鼻腔への刺激に続いて、メローであまやかなオーク香が奥から広がる。若干青みがかったニュアンスもあり、青リンゴや瓜に似たフルーティーさも感じられる。

味:ドライでスパイシーな口当たり。一瞬メローなアメリカンウイスキー系の甘味があるが、出涸らしの茶葉を口に含んでいるような、ウッディでビターな渋味が強く感じられる。
余韻はウッディでビター。オレンジピールや和生姜、軽いえぐみを伴うスパイシーなフィニッシュ。

所謂ワールドブレンデッドタイプ。第一印象はアメリカンウイスキー系の味が強く、そこに混じる秩父原酒や内陸モルトのモルティーさ。ウッディさもさることながら、特に味に渋みが強い。ブレンドに使ったグレーンか、またはシングルカスクブレンデッドとしてマリッジに使ったバーボン樽から、そういうニュアンスが出てしまったのだろうか。少量加水すると馴染んで多少バランスが良くなる。

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先日、駒ケ岳を紹介した、池袋にあるエイコーンさんの直販店「ウイスキー・プラス」の開業5周年記念ボトリング。
順番が逆になりましたが、駒ケ岳よりも先に発売されていたのがイチローズモルトのモルト&グレーンのシングルカスクブレンデッドです。

テイスティングのとおり、アメリカンウイスキーの風味と秩父モルトの風味をあわせ持つ、なかなかに特殊な1本。前面にあるのはバーボン、奥から秩父モルトが顔をだすような・・・それだけなら過去のモルト&グレーンの限定品でも珍しくない作りですが、このボトルは特に樽由来の渋みが強く出ていて、グレーンとモルトの間をウッディな苦味や渋みが繋いでいるような、個性的な仕上がりとなっています。

使われている原酒を香味から推察すると、グレーンは比較的穀物感残った、アメリカンウイスキータイプのもので10年熟成程度。秩父モルトは5年程度、そこにバルクのほぼノンピートの内陸原酒で10~15年程度のものをいくつかブレンドしたようなレシピでしょうか。比率としてはグレーンが多めのようにも感じます。
若さが目立つタイプではないですが、長期熟成というタイプでもなく。しかしながらレビューでも触れた渋み、苦味が強いのは、シングルカスクブレンデッドとして樽詰に用いたバーボンバレルから、その系統のフレーバーのみが強めに出てしまったのかもしれません。

ひょっとするとですが、カスクサンプルだとこのブレンドはもう少し甘味や果実感があったけれど、ボトリングしてみたら想定外に樽由来のタンニン系統のフレーバーが強かったというタイプなのかも。
バーボンやカナディアンもイケる方は許容できるかもしれませんが、自分はちょっとアンバランスに感じる仕上がりでした。