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NIKKA WHISKY 
YOICHI 
SINGLE CASK MALT WHISKY 
Aged 10 years 
Distilled 2007 
Bottled 2017 
Cask type New American Oak Cask #408015 
700ml 58% 

グラス:国際規格テイスティング
時期:不明
場所:ー
評価:★★★★★★(6ー7)

香り:チャーオーク系の無骨なウッディさが強く感じられ、焦がしたキャラメル、チョコレートケーキ、スウィートスポットが出たバナナ。色濃い甘味とウッディネスのほろ苦さ。

味:リッチな色濃いウッディネスと甘味、パワフルな口当たり。ローストアーモンドやオールブラン、口のなかで転がすとクリーミーな甘みと香ばしさがあり、かすかにオレンジ系のニュアンス。余韻にかけてはスパイシーでビターなウッディネス、チョコモカのような甘味とほろ苦さが力強く感じられる。

余市らしさがしっかりある、パワフルな1本。2回蒸留原酒でバーボンを作ったと例えるべきか、少々アンバランスではと思えるくらい濃厚な新樽感が付与されている。その樽感故、全体的にやや苦味が強いが、同様に新樽エキスとも言える色濃い甘味も強い大人の味である。加水しても悪くないが、少し崩れてしまうような・・・。思わず葉巻がほしくなる1本。

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ニッカウイスキーが2002年から2009年まで募集していた、十年浪漫倶楽部。
毎年決まった時期に希望者を募り、初年度はニューメイク、5年経過時点で途中経過のサンプルを1本、10年経過後に10年熟成の余市シングルカスクを2本届けてくれるという、現在クラフト蒸留所等で行われている共同カスクオーナー制度のはしりのようなサービス。
同様に開催されていた「マイウイスキーづくり」に参加出来ない愛好家にも、”待つ楽しみ”や”節目の記念となるウイスキー”を届けたいという、メーカーとしては相当手間のかかる事業だったと思いますが、ニッカらしいファン目線の企画の一つでした。

その貴重なボトルの一つを、縁あってテイスティングさせて頂きました。
スペックは250リットルの新樽熟成。それもしっかりと内側を焼いたタイプのアメリカンホワイトオークで、色合い、コメントを見ても伝わる通り、こってりとした新樽フレーバーが付与されています。
バーボンならともかく、ここまで新樽のフレーバーをつけたスコッチタイプのウイスキーというのは、現時点で世界中を見渡しても余市のみ。ファンにとってはこれだよこれ、という満足感と、ニッカ味を堪能出来る作りです。

ニッカウイスキーは、余市をハイランド、宮城峡をローランドモルトとして位置付けています。
その位置付けに個人的に疑問がないわけではないのですが、仮に現在の平均的なハイランドモルトを余市に持ってきて新樽で熟成させ、このような味になるかというと、たぶんならないと思われます。
チャーした新樽由来の、焦がしキャラメルの濃厚な甘味とほろ苦さ、武骨なウッディネスを受け止めて、余韻までしっかり伸ばせる酒質は限られており。。。
それが、余市が唯一無二となる違いだと思うのです。

今回のボトルは、マイウイスキーの同様のスペックのものとを比較しても、かなり新樽感の強いタイプです。
ともすればバランスが良いとは思えないレベルでしたが、10年という熟成期間故のパワフルさと、樽由来の甘くビターな味わいは余韻まで破綻することなく、しっかりと堪能させてもらいました。

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ニッカ繋がりで今日のオマケ。カフェウォッカと冷凍イチゴ。
マイブームな宅飲みスタイル。冷凍庫でキンキンに冷やしたカフェウォッカに、コンビニで売ってる冷凍イチゴを一ついれる。ショットグラスも冷やしておくとなお良い。漬け込むとかそういう手間はなく、あとはただ飲むだけ。

カフェウォッカは、元々柔らかい甘味と、麦で作ったとは思えない仄かな果実感のあるウォッカです。それを冷凍して飲むだけでも充分美味しいのですが、そこにイチゴの酸味と香りがふんわりとアクセントに。
ウォッカを飲みきったあとは、グラスに残るイチゴをポイッと口の中へ。ほどよく溶けて微かにウォッカの甘味の染みたイチゴをシャリシャリやるのが、良い感じのデザートになる。
気がつけば2~3杯と飲んでしまう危険な組み合わせです(笑)。