アードモア 22年 1997-2019 AQUA VITAE 50.2%

ARDMORE
AQUA VITAE
FIVE ELEMENTS "Earth"
Aged 22 years
Distilled 1997
Bottled 2019
Cask type Hogshead #66
700ml 50.2%
グラス:国際規格テイスティンググラス
時期:開封後数日以内
場所:ジェイズバー
評価:★★★★★★(6)
存在感のあるスモーキーさと共に、薄めたメープルシロップや、オーク由来のフルーティーさがパイナップルや熟したグレープフルーツを思わせる多層感のあるアロマ。
口当たりはスムーズで、どっしりとしているがくどい主張のないピートフレーバーが広がる。香り同様にオーク由来の要素、シロップ漬けのオレンジピール、そしてオールブランのようなほろ苦い麦芽風味と続く。
フィニッシュは土っぽさを伴うスモーキーさ、オーク由来の華やかさの残滓と共にほどよく長く続く。
エレメンツ”Earth(土)”の通り、内陸系のピートフレーバーの存在と、それを潰さない派手過ぎないオークフレーバーのコンビネーション。樽感が淡いというわけではなく、熟成感はある。まるで昔のティーチャーズやアードモアを思わせるような・・・こういうピートの出方はオールド好きの琴線を擽る。そのまま飲んでも美味しいが、瓶熟させてもさらによくなりそう。
この日のラインナップ一通り飲んだなかではこれが一番好みで、ハナ差でブナハーブンとグレンキースが続くという感じ。やはり自分は最近の若いモルトにありがちな、自己主張の激しいオラオラ系なピートフレーバーより、熟成したフルーティーさと合わさった、立場をわきまえているピートフレーバーが好みなのです。
理由はよくわかっていないのですが、アードモアは1992年蒸留のものが同時期のボウモアに似ていることが多く、ではその他90年代のアードモアがボウモアっぽいかというとそうではなく。。。どちらかと言えばハイランドパークやピーティーなリンクウッド系統。
今回のボトルも同様で、エステリーなタイプのフルーティーさが樽で慣れたところに内陸ピートのスモーキーさという構成です。
アードモアは2001年まで石炭直火蒸留が行われていたという記録はありますが、1990年代は情報がないので、この違いが何故生まれたのかは不思議としか言えません。
テイスティングでも触れたように、今回のリリースを飲んでいて思い浮かべたのが、写真のオールド・ティーチャーズ。それも70年代以降の量産時代ではなく60年代のアードモアバッチリな時代のそれ。
勿論ここまでこなれているわけでもなく、バランスやフレーバーも年代による違いはありますが、同じDNAがあるように思えたんですよね。
選定したアレン氏にこういうの好きでしょ、と聞いたところニヤリと笑ってそうだと。
先日レビューしたトバモリーも主張しすぎないピートがあり、ハイランドパークもその部分は同様で。ああ、好みに一貫性があるなと感じられました。
今日のオマケ:ヤルンバ Yシリーズ シラーズ ヴィオニエ 2013
開封直後はスムーズでややとろりとした甘さ、色は濃厚だが味はそこまでではなく、フルボディというよりはミディアム。そこからブルーベリー、カシスシロップ、角の取れた酸味を伴う果実感があり、徐々にスパイスや湿ったようなウッディさが余韻にかけて感じられる。
新しいヴィンテージのものは、もう少し酸味やスパイスが強いかもしれない。
オーストラリアのシラーズということで、甘味果実味こってりを期待していたのですが、予想に反してバランス型で、スイスイ飲めてしまった1本。
先日のウイスキー仲間との持ちより会で、第二の選択肢として持参していたもの。期せずしてメニューは馬刺の盛り合わせがw
やはりこの手のワインは赤身肉との組み合わせが映えますね。
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