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JIM BEAM 
BEAM'S CHOICE 
BLACK LABEL 
AGED 100 MONTHS 
(Aged 8 years) 
Kentucky Straight Bourbon Whisky 
Bottled 1975 
750ml 45% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1ヶ月程度
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:キャラメルやメープルシロップのかかったポップコーンを思わせる、軽い香ばしさのある甘さと穀物香をベースに、スパイシーでほのかに溶剤、チェリーシロップ、黒パンを思わせる酸もアクセントとして伴う。
また、時間経過でハーブや赤い花を思わせる植物っぽさも混じる。

味:マイルドでメロー、チョコレートクッキーやチョココーンフレークのような、色濃い甘味と軽い香ばしさ。甘味はリッチだが、ボディはやや軽め。ウッディでビター、軽くスパイシーなフィニッシュが、メローなチャーオーク香を鼻孔に感じさせつつ長く残る。

オールドバーボンらしい濃厚な甘味、強めのチャーを感じさせるウッディネス。加水の影響か味はやや単調気味ではあるが、時代を感じさせる要素がなんともそそる1本。現行のジムビームとは全くの別物。ただ加水またはロックにすると、ボディがだいぶ薄くなるので、それはそれと割りきるか、ストレートで楽しむのがちょうど良い。
大降りのロックグラスにダブル以上注いで、葉巻を咥えたら完璧か(笑)

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読んで字のごとくですが、ジムビーム蒸留所が製造する、かつてのプレミアムブランド。
100ヶ月熟成(要するに8年)という珍しい表記に惹かれて購入したものですが、当時のビームスチョイスは定常的に使われていた模様。
マッシュビルは通常のジムビームとおそらく同じ、または大きく変わらない程度の違いとは思いますが、ノーマルの4年、5年よりも熟成が長い原酒が使われ、その分樽感も濃厚に。色合いが明らかに違いますね。古いものだと今回のように度数も少し高めに設定されています。

そのリリースが始まったのは1960年代。ビームスチョイスと言えば、様々な形状で知られる陶器ボトルの”コレクターズエディション”があり、こちらはファーストリリースが1966年。(コレクターズエディションではないビームスチョイスは1963年のモノあり。熟成年数は6年)
ジムビームとしてのデキャンタリリースは1950年代からありますが、当時の広告等を見る限りでは、通常ボトルのビームスチョイスも、1960年代のほぼ同時期に発売されたのではないかと推測されます。

1980年代から1990年代にかけて、日本ではバーボンウイスキーのブームもあったことから、ビームスチョイスは該当する時期のものが相当数日本市場に残っており、現在もヤフオク等で見かけることが多いバーボンです。
その全てを飲めているわけではないですが、傾向としては古い方が濃厚で個人的に好み。1970年代中頃あたりまでは仕様が90Proofで、その後1980年代には80Proofと5%下がる。熟成年数は基本的には8年程度ですが、1990年代になるとこの表記もなくなり、5年熟成のグリーンラベルとして販売を継続したようです。

元々そこまでボディが厚いバーボンではないので、度数や熟成年数の推移は影響が大きく。特に80年代くらいまでは度数が下がっても同じようにマイルドでメローな味わいを感じられますが、それ以降は明らかにドライな仕上がりになっていきます。
また、90Proofの時代であっても、飲み方はやはりストレートがオススメ。ロックだと飲みやすくはなるものの、伸びるというよりは薄くなる感じで、氷に耐えられるライフが少ないように思います。

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なお、この手の加水調整されて甘味がしっかりあるバーボンは、ストレートで飲むと物足りなく、かといってロックでも同様だし、ハイボールにするにはちょっと勿体無いというジレンマがあります。
そこで邪道といえるかもしれませんが、バーボンのオリジナルブレンドに使うというのが一案。特にワイルドターキー・レアブリード、あるいはローゼズシングルカスクなど、度数は高いが樽感がそこまでリッチじゃない近年のバーボンとのバッティングは、お互いの良いところが合わさって鉄板と言って良い組み合わせに。ベースとなる味わいでスコッチの原酒ほどキャラクターの違いが大きくないため、調整も容易です。

近年、オールドのハイプルーフバーボンが高騰しており、昔ほど気軽に飲めなくなってきました。ターキー8年の90年代とか、安かったんですけどね・・・。だからこそ家飲みで、ロックで飲んで美味しいオリジナルブレンドを作ってしまおうと。そういう楽しみ方も個人的にはアリだと思っています。

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というわけで混ぜ混ぜ混ぜ。。。。