オールドプルトニー 12年 2007-2019 ウィスキーショップ向け 50.2% #1471
AGED 12 YEARS
Distilled 2007
Bottled 2019
Cask type Sherry #1471
For THE WHISKY SHOP
700ml 50.2%
グラス:木村硝子テイスティング
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)
香り:ウッディで少し焦げたような木香と、どっしりと濃厚なシーズニングシェリー香。ドライプルーン、オランジェット、生チョコレートと微かにアーモンド、合わせて溶剤的なツンとした刺激もある。
味:リッチでスウィート。序盤はとろりとしているがすぐに強めのアタック。ウッディなニュアンスとともに色濃い甘味はダークフルーツケーキ、カカオ多めのチョコ、スパイシーな刺激とタンニンの苦味もある。
余韻はウッディでビター、香り同様に奥から刺激がシェリー樽由来のウッディさと甘味を突き抜けるように最後まで残る。
一言で、こってり濃厚シェリー系。香味に残る刺激がらしさである一方、基本的にはシーズニング味である。熟成年数と度数の下がり具合から推察するに、ホグスヘッド樽の中に保存用のシェリー液が一部残ったまま樽詰し、それで度数が下がってそのまま熟成したものではないだろうか。少量加水しても構成に大きな変化はなく、クリーミーなシェリー感が持続する。
イギリスのTHE WHISKY SHOPがボトリングした、プルトニーでは珍しい濃厚なシェリーカスクの1本。日本では同店舗から個人輸入する以外に購入方法はありませんが、だいたいリフィルでプレーンなタイプの樽感、あるいはバーボン樽での仕上がりが多いプルトニーでこのスペックはまさに限定品に相応しい特別感のあるリリース。コアなウイスキーバーや愛好家は、マストバイと言わんばかりに調達しているようです。
その構成は近年のシーズニングシェリーの濃厚なタイプが全面にあり、例えば先日のウルフバーン・ジャパンエクスクルーシブ3と共通するニュアンスが備わっています。まさに圧殺、まさに樽味、といったところですね。
色濃い甘味とウッディさがしっかりあるだけでなく、12年という熟成期間に違和感のない程度に残った酒質由来の刺激。この刺激は15年熟成くらいまでのプルトニーのカスクストレングスで見られるキャラクターのひとつで、今回のボトルで唯一のらしさと言えるかもしれません。
ただ、これだけでプルトニーと言えるかと問われれば非常に難しいところでもありますが・・・(汗)。
そういう意味で、この手の振り切ったボトルは評価が別れるリリースとも言えます。
酒質由来の香味を重視する方はバーボン樽やリフィル系の樽を好みますし、この手のシーズニングシェリー味が好みという人もいれば、ダメという人もいます。個人的には、本来12年熟成ででるであろう平均的なシェリー感、ウッディさに対して色濃いクリーミーさが時系列に合わないような、違うものが混じったような違和感があって、味よりもそれが気になるところです。
あとはこれが時間経過でどう変化するかですね。この手のシェリーはこなれるというか、酒質部分と馴染むような印象があるので、10年後とか一体感と麦っぽさが出てきて面白い変化が出てくるかもしれません。
コメント
コメント一覧 (1)
根拠とする事実が2点あります。1つはヴァリンチで出ているカスクナンバー1470(隣の樽)が62.9%でボトリングされていること。もう1つは2004以降のデスティラリーボトリングで多くのボトルが今回と同じ50.2%でボトリングされていることです。MMWM向けの2004や他ベルギーや本国向けのボトリングも同様です。
なぜこの度数に調整しているのかは分かりませんが、液面を落として置いておくと割と塩気などが感じられてこなれてくると思います…