キングジョージⅣ 1980年代流通 特級表記 43%
BLENDED SCOTCH WHISKY
1980's
760ml 43%
グラス:国際企画テイスティング
場所:お酒の美術館 神田
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(6)
味:マイルドな口当たり、色濃い蜜のような軽い粘性を感じる。続いてピーティーでビター、オールブランを思わせる麦芽風味。中盤から後半にかけてボディが軽め、序盤のフレーバーが浮わつくようにも感じられる。
フィニッシュはスモーキーでビター、染み込むように長い余韻。
オールドピートと古典的な麦芽風味が感じられる、らしいブレンデッドウイスキー。タリスカーベースに、スパイシーな刺激はローズバンク由来か。この香味構成は60年代から大きく変わっていない。(厚みは大分違うが)
ストレート、ハイボール、なんでもござれのオールラウンダー。
タリスカーに加え、ローズバンクにアンノック、スコッチウイスキーの最大手グループDCL所有の原酒が使われた、主力輸出用銘柄のひとつがキングジョージです。
本ブログではこれまで、60年代、70年代と紹介してきましたが、今回は80年代。ニッカウイスキーが国内販売の代理店となっていた時代で、リユース市場ではもっとも見られる流通時期の1本。この後80年代後期流通品はボトルシルエットがシャープに。ラベルにある修正シールが最大の特徴です。
基本的な味わいは70年代とそう大きく変わらないのですが、個体差なのか香味のボディが緩めで少し軽いような印象も。ブレンド比率でグレーンが増えたか、あるいはグレーン原酒の熟成感が弱まったのか。。。以前自分で買って飲んだボトルもそんな感じだったので、この時代のキングジョージ4世の特徴なのかもしれません。
ブレンデッド全体を見ても、1980年代は香味が軽くなって来ていた時代なので、業界動向の通りという印象も。。。まあそれでもベースとなっているモノが良いので、充分美味しくいただけるのですが。
ちなみにニッカ取り扱いのキングジョージ5世は、裏ラベルに従価表記のあるものと、今回のようにウイスキー表記のみの2ロットがあり、どちらも760ml容量表記です。時期によって価格が上下したか、その変更の最中にあったボトルであると思われます。
この情報から詳細な流通時期を考察すると、従価表記は1980年頃から高価格帯の税率が適用されたボトルのみに表示。760ml→750mlの変更もほぼ同時期、つまり1980年代前半にあった変化であり、今回のボトルはまさに81年、82年頃の流通品であると考えられるのです。
コメント
コメント一覧 (4)
ブログで知ったスコシアロイヤル12年が美味しく…オールドのブレンデットを探すようになりました。
素人には状態の見極め難しいですが、キャップやボトル形状など、リスク回避のヒントが所々書かれていて、大変参考になります。
最近、ウイスキー好き(&自分)へのプレゼントにもオールドを考えています。ハイパ18やエドラダワーなどまったり優しい香味を求めて…
ブログを読むと、セントジェームス、ゴツいキャップのローガンがリスク少なそうな印象です。
オークションで探してますが、箱の有無など、いろいろ難しいです。横倒し保管のリスク、紫外線の影響など…
いっそ現行で、ボウモア18年新ラベルにしようかとも思いますが、今のロットは紙っぽさが出てるか気になります。
身も蓋もない質問ですが…もし可能なら、現行含め一万円以下でおすすめのボトルを教えていただきたいです。
主観でアドバイスいただけたら助かります。
(インチマリン12年完飲しました。苦味はありますが甘味もしっかり感じ、ハイボールかなり美味しかったです)
コメントありがとうございます。
特級時代の情報集約は、このブログにおける目標のひとつなので、そう言っていただけるととても嬉しいです。
今は色々な記事に情報が点在している状態ですが、最終的にはこれを総括するような記事をテーマ毎に書いて、ブログの集大成とするような形にできればとも考えています。
ハイパやエドラダワー系統のモルトが好みとなると、熟成された原酒が使われている、候補としてあげられているようなデラックス仕様のものが良いですね。
セントジェームスはプラキャップ仕様のものに地雷がありますが、あとは1980年代には各銘柄で20年熟成クラスのブレンドがリリースされているので、このあたりもお勧めです。(1万以内で落ちるものが多いです。)
ボウモアについては先日試飲会で最新ロットを飲みましたが、目立った紙っぽさは出ていなかったと思います。
シェリー樽原酒とバーボン樽原酒がいい具合にブレンドされている印象ですね。
一方、ボウモア以外で現行品1万円以内でお勧めとなると、最近ミドルエイジクラスも地味に値上げしてきているので難しさが。。。
・グレンンドロナック18年
・グレンモーレンジ18年
この2銘柄が内陸では鉄板ですが、売れ残りがあるならベンリアック20年あたりもシェリーがいい具合に効いてまったりと美味しい1本です。
参考になりましたら幸いです!
記事の中に点在する情報やヒントを1つ1つ探していくのも、本当に楽しいのですが…この膨大な情報量は貴重な記録のように感じます。
80年代のシングルモルトは高額ですが、ブレンデットの20年クラスだとチャンスありそうです…時間かけて探してみたいです。
ボウモアの情報もありがとうございます。
18年はずっと気になってましたが、今も美味しいのですね。
(素人には、旧12年でもまろやかで美味しく、紙もわからずでした)
ドロナックやモーレンジも良いのですね!
ベンリアックは種類が多く近づき難かったのですが、気になってきました。
お忙しいなか、詳しく教えてくださり、ありがとうございます。
またブログのアップ楽しみにしてます。
貴重だと言っていただけることが多く、本当にありがたいです。
そうして参考にしていただけているからには、やはり新規発掘に区切りをつけてでも、昔の記事をまとめていく期間を作って情報の確度をあげていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。