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GLENDRONACH 
REVIVAL 
Aged 15 years 
Cask type  PX and Oloroso sherry 
2018-2019's 
700ml 46% 

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後数日以内
場所:BAR LIVET
暫定評価:★★★★★★(5ー6)

香り:おがくずのようなウッディネス、干し草やジンジャー等のスパイス香、ブラウンシュガーの甘みと合わせて、徐々にプルーンやオレンジなどのドライフルーツを思わせるシーズニングシェリーのアロマ。

味:やや草っぽさとリコリス、ビターなウッディネスが粘性を伴って広がる。続いて色の濃いはちみつ、オランジェット、プルーンのドライフルーツの甘味もあり、杯を重ねるごとに存在感が増す。
余韻はウッディで、カカオのようなタンニンと合わせて奥にはオーキーさも多少あり、アプリコットのようなフルーティーさも潜んでいる。

アメリカンオークのシーズニングだろうか。最初は草っぽいウッディさが強く、ビターで好意的ではない要素もあって思わず身構えてしまう。しかし飲んでいくと気にならなく、むしろシェリー樽由来の粘性や甘味、ドライフルーツを思わせる要素が馴染んでくる。何口かゆっくり馴染ませて良さを引き出したい。

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グレンドロナック15年再復活。2015年に終売となったグレンドロナック15年が、2018年の9月頃から順次リリースを再開。今年に入ってアサヒビール取り扱いの正規品も日本に入ってきました。
グレンドロナック12年から21年のオフィシャルラインナップは、シェリーカスク由来の濃厚な味わいでファンが多く、愛好家にとっては待ち望んだ出来事、明るいニュースです。

終売になった経緯は、グレンドロナックの操業期間にあったと考えられています。
同蒸留所は1996年から2002年の間操業を休止していたため、該当する原酒が不足。結果、15年リヴァイバルは2012年以降いつ終売になってもおかしくなかったのですが、むしろよく2015年まで販売を続けたなという状況でした。なんせ15年表記なのに一番若い原酒で18年相当の熟成年数という、おかしなことになってしまうのですから。
(同じ理由で終売されるのではと予想された18年アラダイスは、販売を継続して今日に至っているので、18年のリリース継続のため原酒をセーブしたのかもしれません。)


さて、新たにリリースされたグレンドロナック15年は「リバイバル」の名称そのまま、ラベルデザインも終売前のものを踏襲していますが、よく見るとAGED 15 YEARS表記の下に書かれた説明文が2015年以前のものと異なっています。
※旧ラベルのまま新ロットを販売しているサイトも散見されるので、注文の際は注意。

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(画像引用:グレンドロナック15年リバイバル旧ラベル)

旧)EXCLUSIVELY MATURED IN THE FINEST SPANISH OLOROSO SHERRY CASKS
新)MATURED IN THE FINEST PEDRO XIMENES & OLOROSO SHERRY CASKS FROM SPAIN

新しいリバイバルは、スペインで製造(あるいは調達された)PXとオロロソシェリー樽を用いた熟成と読める表記ですが、旧リバイバルのように、100%スパニッシュシェリー樽であるかは指定がありません。
PXとオロロソを用いるバッティングは、グレンドロナック12年でも採用されており、その世代の樽が15年で使えるようになってきたこと。加えて、シーズニングシェリーカスクは近年アメリカンホワイトオークの割合が増えているそうで、表記の違いにはこうした背景もあるのだと考えられます。

味のほうは、一口目が植物感というか苦味というか、シェリー樽由来のあまり良くない要素が感じられて「おや?」と思う一方で、続いてくる良い部分が口内に馴染んで行き、何口か飲んでいくとむしろ良さのほうがメインに感じられる点はポイント。これは旧15年にはなかった特徴です。
製造方法も一部変わった再稼働後の原酒、新しい世代のグレンドロナックであり、酒質や樽で当然変化はあります。それを上手く活用して、スタンダードラインナップを復活させた。
樽で苦労してるとは思いますが、歓迎すべきリリースなのです。