ジャンフィユー レゼルヴ ファミリアル 40%

JEAN FILLIOUX
Reserve Familiale
Tres Vielle Grande Champagne
700ml 40%
グラス:リーデルコニャック
場所:自宅
時期:開封後2ヶ月程度
参考評価:★★★★★★★★(8)
香り:華やかでオーキー、アプリコットやマンゴーなどのドライフルーツ、白葡萄、林檎などの甘酸っぱさと共に、ほのかに甘栗を思わせる香ばしさ。注いだ瞬間はドライ気味だが、周囲に拡散する素晴らしい香り立ち。
味:濃縮感に加え角の取れたウッディな口当たり。合わせてピーチ、林檎のカラメル煮、熟した甘酸っぱい果実風味が樽由来のタンニンと共に広がる。粘性のある舌当たりだが、徐々にドライな刺激を感じる。
余韻はドライで華やか、強い熟成感を伴う実に長いフィニッシュ。
濃厚にして繊細。うっとりするような艶のある熟成香、樽感、長期熟成のボトラーズスペイサイドモルトにあるようなフルーティーさが広がる。大振りのグラスに注ぐとグラスの中にそれらが凝縮し、より芳醇なアロマを堪能できる。じっくりと時間をかけて楽しみたい。
コニャックの中でも最高峰の格付けを受けるグランシャンパーニュ地方。その中でもポールジローやラニョーサボランなどとともに、近年ウイスキー好きに認知され始めている作り手がジャンフィユーです。
ジャンフィユー社の商品には様々な熟成のレンジがあり、今回のレゼルヴ・ファミリアルはブランド通常ラインナップ最上位に位置する長期熟成品。使われている原酒の熟成期間は50年以上で、リムーザンオーク由来の華やかさと、多彩さを含む熟成香が魅力である一方。香味には熟成由来のウッディネス、ドライさも感じられるわけですが、それはギリギリ自然な範囲に収まっており、時間をかけて温めながら飲んでいくと香味の蕾が開くように、あるいは煮込み料理で材料が柔らかくなっていくように、グラスの中で好ましい変化が得られていきます。
ぶっちゃけ、近年のモルト。。。特にスペイサイド系はどんどん若さやボディの軽さが目立つ状態にあるわけですが、かつてのモルト(ピアレスの60年代のグレングラントとかストラスアイラとか)にあった熟成感に近いニュアンスを備えているのは、樽材の種類は違えどオーク由来の香味と熟成がもたらすものに共通項があるからでしょう。それなりに値段のするボトルではありますが、飲む価値はあると思います。
なお、このコニャックをはじめカルヴァドスなど熟成したブラウンスピリッツは、お湯割りとの相性が素晴らしいのです。(上の写真の紅茶っぽい構図、あれはお湯割りですw)
50〜60度くらいの温度で割ってやると、香りは柔らかく芳醇に、口に含む味わいはドライさがこなれて、華やかさとジャムのような果実味、体の隅々に染み込むような美味しさ。。。ただしこれ、初見のBAR等で注文する場合はマークされる危険を伴う諸刃の剣、素人にはオススメ出来ない。
また飲みやすさから杯が進み、気がつけば記憶をなくすという副作用も報告されているので、合わせて注意が必要です。
コメント
コメント一覧 (3)
これ本当に美味しいですよね、、でもボトルで買うには少し高くて躊躇します。
くりりんさんの記事で高評価だとつい買いたくなります笑
ジャンフィユーのno.1飲まれたことありますか?あれも美味しいです、、
私は家にポールジローのトレゾール ド パラディがあるのでそれをいつ開けようか楽しみです。
ポールジローは86年頃、ラニョーサボランは88年頃と輸入洋酒もバブル景気でどんどん盛り上がっていた時期にお目見え。
ただレゼルヴファミリアルは89年まで正規輸入は無く、本国でいつからあったのかはわかりませんが私が最初に知ったのはポケットブックコニャックアンドアザーブランデーズ
という87年の英語本ででしたね。
私はラニョーサボランは2度ボトル買いしたこともあるのにジャンフィユーは味わったこともないんですよね。
ポールジローなんか店頭からパンフレットだけもらって購入はしなかった・・悪いやつですね~。
日本コニャック協会の鯉沼さんセレクトのジャンフィユー新シリーズは20年・25年・30年に続き35年・40年・50年もまもなく登場するようですよ。
麦のうまさが希薄で樽感ばかりのモルトが多くリリースされるようになった昨今ではコニャックのほうがよほど魅力的に写ってしまいますね。