ジョニーウォーカー ブルーラベル 1990年代流通 43%
JOHNNIE WALKER
Blue Label
A blend of our very rarest whisky
1990's
750ml 43%
グラス:テイスティンググラス
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(6)
味:滑らかな口当たり。香り同様熟成して華やかかつコクのあるモルティーさ。ナッツ、蜂蜜、リンゴのコンポートや洋梨のタルト。徐々にドライで乾いたウッディさと干草、微かなピーティーさを伴って余韻を引き締める。
ハイランドやスペイサイドモルトの熟成した華やかな香味を軸にした、バランスの良いブレンデッド。香味にそこまで勢いはないが、加水するとボディはそのままスムーズに伸びるだけでなく、おしろいを思わせる麦芽風味も開いてくる。
状態としてこの個体は微かにコルキーだが、概ね問題はない程度。箱入り横置きが多かったボトルであることは悔やまれる。
1986年、スコッチウイスキー業界に吹き荒ぶ不況の風の最中。ジョンウォーカー社が持てる原酒の中から文字通り"選りすぐり"をブレンドした、集大成にして理想形とも言えるハイエンドブレンデッドが、ジョンウォーカー・オールデスト。
そして下記の遍歴のように、数年間リリースの末、1992年にラベルチェンジしたのがブルーラベルです。
【ブルーラベルの遍歴】
1986年:John walker’s Oldest Scotch Whisky (Aged 15 to 60 Years) 43%
1980年代最後期頃:Johnnie Walker Oldest Scotch Whisky (Aged 15 to 60 Years) 43%
1990年頃:Johnnie Walker Oldest Scotch Whisky (No Aged) 43%
1992年頃〜:Johnnie Walker Blue Label Scotch Whisky (No Aged) 43% UD
1980年代最後期頃:Johnnie Walker Oldest Scotch Whisky (Aged 15 to 60 Years) 43%
1990年頃:Johnnie Walker Oldest Scotch Whisky (No Aged) 43%
1992年頃〜:Johnnie Walker Blue Label Scotch Whisky (No Aged) 43% UD
※この他、2014年頃にはカスクストレングス仕様もリリースされている。
今回はオールデストから切り替わった直後、1990年代流通のブルーラベルをレビューします。
ブルーラベルに切り替わってから20年近く大きなラベルチェンジがないため、2013年頃に大きなデザインチェンジがあるまで混同されがちな世代ですが、下記の通り2000年代前半にマイナーチェンジがあり、香味のベクトルにも変化が見られます。
(ほぼ同じデザインが採用されている1990年代流通と2000年代流通だが、トレードマークである紳士の柄、歩く向き、印刷の場所に変化がある。下ラベル右側に印刷されているのが1990年代流通。)
前身であるオールデストは、円熟味とも言える熟成感を感じる、華やかさと角の取れた甘酸っぱさ、多彩な内陸系のモルティーさが主体特徴です。
今回のブルーラベル1990年代流通もまた、オールデストの系譜を受け継ぐ味わい。流石に15 to 60 years 表記時代には及ばないものの、熟成年数表記のない1990年頃流通のオールデストと比較するなら遜色ないレベルとも感じます。(むしろ、近年高騰気味なオールデストに手を出すなら。。。とも。)
このモルティーな華やかさは、モートラック、カーデュー、リンクウッドあとはロッホナガーあたりを、アメリカンホワイトオークの2nd、3rdフィルシェリーホグスヘッドなどで長期熟成した原酒由来と推察。これが2000年代になると、UDからディアジオに切り替わったことで方向性が変わったのか、華やかさからタリスカーやカリラに見られる酸味を伴う樽感、ピーティーさへとシフトしており、はっきりとした違いに感じられます。
この手のボトルが家に一本あると、迷った時にとりあえずこれからと始められるのは強み。また、親戚などと集まって飲むときなんかも高級感があって使いやすいですね。後はどういうタイプのブレンドが好みか。。。で年代を選べば良いと思います。
コメント
コメント一覧 (4)
これまでジョニ青は近年のものしか飲んだことが無く、甘酸っぱい長熟モルト中心の味でスタイルの違いに驚きました。
近い年代のバランタイン30年と飲み比べしても驚きの価格!
ハイエンドのブレンデッドの面白さを再確認出来ました。
仕事柄15時ごろからフリーになる日もあり、陽の高いうちから通ってしまいそうなお店です。
素晴らしいお店をご紹介いただきありがとうございました。
いろんなオールドボトルを安価に楽しむことができるいいお店ですね
未開封ボトルもズバズバ開けてくれるのでありがたかったです
ご紹介ありがとうございました
感想共有、ありがとうございます!
おそらく同じ固体ですね。ちょっとコルク臭ありましたが、それ以上におっしゃるような熟成したモルトのフルーティーさがしっかりあって、現行とは全然スタイルが違う。その先祖であるオールデストの15 to 60 years表記はこれの強化版のようなブレンドですので、スタイルは90年代から2000年代の間に変わったんだなぁとも感じます。
そしてお酒の美術館さん、本当にお酒を気軽に楽しめるところで、中々出来ないような飲み比べも出来るのも魅力ですよね。
普通にBAR飲みしたらいくらになるかわからないものが、え、これでいいのというギャップ。既にだいぶ通わせて貰っています。
そのうちご一緒するかもしれませんが、その際はよろしくお願いいたします!
コメントありがとうございます。
今まで中々なかったお店で、我々ウイスキー好きにはありがたい限りですね。
今後も通ってずばずば開けちゃいましょうw