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I.W.HARPER
Kentucky Straight Bourbon Whisky
Aged 15 years
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
場所:個人宅持ち寄り会&BAR飲み等
時期:開封直後〜半年程度
評価:★★★★★★(6-7)

香り:ややドライだが熟成感のあるメローなチャーオーク香。チョコレートクッキー、メープルシロップのかかったホットケーキ、ほのかにオレンジママレードのアクセント。

味:コクのある柔らかい口当たり。メープルシロップやキャラメルクッキー、干草に通じるウッディネス。余韻はドライ気味でひりつく刺激はあるが、チャーオークのカステラを思わせる甘味が滞留するように長く続く。

加水で整ったマイルドな飲み口。熟成感はあるが樽由来のえぐみや、過度なウッディさもないバランスのとれたバーボン。果実系の甘酸っぱさというよりは、焼き菓子系の香味構成。やればできる子バーンハイム。疲れた時にゆったりと飲みたい。


2015年ごろにリリースされた、IWハーパー最上位グレードの15年熟成品。近年、スコッチに限らずバーボンであってもライト化、ノンエイジ化が進む中で、敢えて熟成年数を上げたリリースに興味が湧き、日本に早く入ってこないかなーと(あるいは友人に現地で買ってきてもらうかと)思っていたところ。昨年あたりから田地商店さんを筆頭に、並行品が市場に展開されはじめていました。

価格は店によってばらつきがあるものの11〜15k。現地が100ドル弱なんで、特にふっかけてる印象もないですが、現在12年が5000円程度であることを考えると、熟成年数3年差で2〜3倍って「どういうことなの・・・」と感じてしまうのはきっと自分だけではないはず。
しかし飲んでみるとなかなかどうして、強気もある程度は納得のクオリティ。12年よりも一段上の上質さに、ヘブンヒル・バーンハイムの本気見るようなリリースなのです。

IWハーパーの特徴はコーン比率の高いマッシュビルにあるとされ、この15年も例外なくコーン86%、ライ麦6%、大麦8%という構成。12年にも共通する飲み口の柔らかさが、熟成によってさらに磨かれ、程よいコクも感じられます。
そして一番は熟成の質と全体のバランスですね。近年の10年熟成クラスのバーボンに度々見られる、樽材のえぐみ的なものがほぼなく、チャーオーク由来のメローな香味が、加水によって実にバランスよく整っているのがポイントです。

ウイスキーに求める香味のタイプは人によって様々と思いますが、IWハーパーに求める味わいに限定するなら、コレが一つの指針だと思います。
面白みがない?派手さがない?いやいや、オフィシャルとしては、こういうのもいいモンです。

さて、以下IWハーパーとは全く無関係な雑談。
最近ボジョレーワインよりも酒好きの間で定着しはじめた感のある、"キリン一番搾り・とれたてホップ"。かくいう自分も楽しみにしている1人で、今年のが出回りはじめたので早速飲んでみました。
2018は軽くてスッキリな感じですね。
香りはホップの華やかさがふわりと感じますが、味はライトで苦味もそこまでじゃない。単品だとちょっと物足りないか・・・。
鍋料理や和食系に合わせるなら良さそうですが、案外こってりやB級系は苦手としそうなビールだなと感じました。