カテゴリ:
GLENMORANGIE
LEGENDS
CADBOLL
Finished in Sweet French Wine Casks
1000ml 43%

グラス:グレンケアン
時期:開封後半年程度
場所:BAR Eclipse
暫定評価:★★★★★(5)

香り:ドライな香り立ち。干草、バニラやメレンゲクッキーを思わせる甘みと合わせて微かにセメダイン、溶剤的な刺激を伴う。

味:甘くスウィートだが平坦気味な口当たり。はちみつやバニラを思わせる甘みと、微かにグリーンレーズンのような酸味、ピリッとした刺激。余韻は干草やクラッカー、ウッディなタンニンが口内を引き締める。

シャープでドライな若めのグレンモーレンジの酒質に、妙に甘い樽感が混じっている。フィニッシュの樽感に圧殺されているような仕上がりではないが、この甘さは好みを分けそうな印象。


グレンモーレンジが今年の1月、免税店向けにリリースしたLEGENDSシリーズの1本。同シリーズとしては4作目でしょうか。
甘口のフランス白ワインの樽でフィニッシュしたという構成で、ベースの原酒はバーボン樽熟成。おそらくスタンダードと同様の10年程度のものだと感じます。

香りに混じるワインカスク熟成の原酒に度々見られる薬品系の要素に加え、味は甘口のワインという説明に嘘偽りなしの淡い酸味を伴う濃い甘み。これがグレンモーレンジのドライで干草や乾いた麦芽を思わせる風味の原酒に混じり、完全に一体となっていないような多少の分離感、ないし違和感をもって口内に広がってきます。
普段そこまで い方などは、逆にこの甘さが飲みやすさに繋がってちょうどいいのかもしれません。 元々グレンモーレンジはソーテルヌカスクなどをリリースして 同じベクトルにあるように感じます。

ただ個人的には、そのままではボソボソしてたいして味もない安価なコッペパンに、甘口のバニラソースをかけて食べるような感じ。
若い原酒の短期間でのフィニッシュなので、そういう感じになるのは仕方ないのかもしれませんが、厳しい言い方をすると、ちょっと誤魔化しているようにも感じますね。


日本国内ではあまり免税向けリリースは話題になりませんがが、グレンモーレンジは精力的に様々なリリースを行なっています。
それらは、先日記事にした19年のような王道系もあれば、シェリー樽やワイン樽のフィニッシュを駆使した意欲作もあります。

結果、単品で見た時、なんでこんなの作ったかな?と思うことはしばしばあるのですが、王道系だけ作っていても多種多様な消費者の趣向は満たせないですし、目先が変わることで王道系の良さも引き立ってくる。
次は何をリリースするのかな?と考えてしまうのは、グレンモーレンジの戦略に捕らえられている証拠なのかもしれません(笑)。