ジョンベッグ ブルーキャップ 43% 1950年代流通 雑酒特級
JOHN BEGGBlue Cap
Old scotch whisky
1950's
760ml 43%
グラス:木村硝子テイスティング
場所:KuMC@NSさん
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★(7)
香り:灰っぽさを伴う穏やかなスモーキーさ。乾いた麦芽、土っぽさ。スワリングすると蜂蜜やリンゴのコンポートを思わせる甘み、エステリーなアロマ。
味:マイルドでコクのある口当たり。こなれた麦芽風味、ナッツやポン菓子の品のいい甘みや香ばしさ。徐々に存在感のあるオールドピートが柔らかく染み込むように広がる。余韻はピーティーでほろ苦い。しっかりとスモーキーで長く続く。
オールドブレンドの醍醐味とも言える柔らかい口当たり、こなれたモルティーさとどっしりと染み込むようなピートフレーバーを堪能出来る。灰っぽさを伴うこれらの風味は、個人的にオールドのロッホナガーの個性。少量加水するとピーティーさが全体に馴染むように感じられる。
ロイヤルロッホナガー蒸留所の創業者ジョンベッグ氏が設立した、ブレンデッドウイスキーメーカー・ジョンベッグ社のスタンダード。ブレンドに使用する原酒の中核は勿論、自らが創業したロッホナガーです。
1800〜1900年代当時、ブレンデッドウイスキーが市場を拡大したとされる時代にあって、蒸留所とブレンドメーカーという体制構築は規模のある企業では自然な流れ。徐々に現在の雛形となる大規模グループ化が業界として進んでいくことになります。
同社はその流れの中で、デュワーズ社の傘下となった後、最大勢力たるDCL傘下に入り。最終的にはロッホナガー蒸留所を残して銘柄そのものは消滅してしまう訳ですが。。。日本における第一次ウイスキーブームの折には、美味いウイスキー銘柄の一つとしてウイスキー通の間で知られていたようで、今尚ファンの間で人気のあるブランドです。
近年、リユース市場で見られるロッホナガー関連のブレンドはVAT69が中心です。ジョンベッグは写真左の紺色のラベルに、エリザベス紋章(1970年代流通)か、チェック柄紋章の1980年代流通のモノがたまに見られる程度。アメリカ向けには2000年代くらいまでブルーキャップがあったようですが、日本国内では中々手に入らないブレンデッドの一つになりつつあります。
今回はそのエリザベス紋章のさらに前。恐れ多くもキングジョージ5世の紋章が光る、オールドラヴァー垂涎のボトル。
ただ、キングジョージ5世の在位は1936年までで、本来このボトルの流通時期である特級区分が設定された旧酒税法施行時、つまり1950年代のイギリス国王はジョージ6世か、戴冠直後のエリザベス2世。
これはジョージ5世のスコッチウイスキーに与えた影響の大きさからか、ジョージ6世のワラントはウイスキーで見ることはなく、1960年代にエリザベス紋章に切り替わるまでキングジョージ5世の紋章が使われ続けるケースが多かったようです。
今回のボトルはロイヤルロッホナガーそのもの、あるいはそれが使われたとされる銘柄に備わった、独特の麦芽風味とピートフレーバーがメイン。ですがその個性は70〜80年代流通と比べて遥かに強い存在感で、半世紀を超える経年からオールド特有のこなれた味わいも堪能出来る、まさしく通好みの逸品でした。
コメント
コメント一覧 (2)
50'sのジョンベックなんてヨダレだらだらものですね!
80年代ですら持ち合わせてないのですが、毎回くりりんさんの記事を見る度に刺激されて同系統を飲みたくなるので、今夜はオールドブレンデッドで攻める事にしました♬
先ずはグレンフィデックの派手なUSラベルのピュアモルトハイボールでスタートして、今は写真の真ん中の特級バット69をやっぱりハイボールでやってます。
80年代までのブレンデッドはストレートはもちろんハイボールにしても本当にダレないですよね!
バッドのスモーキーさはタリスカーソーダにも負けず特に病みつきになります。
この後ホワイト&マッカイ15年の角ボトルとバーバリー20年でオールドブレンデッドナイトは締めたいと思います♬
その後は。。。^_^;
こちらこそ、いつもコメントありがとうございます。
素晴らしい機会をいただけてオールドファン垂涎のボトルを飲むことが出来ました。
記事更新では香味のバランスというか、ボトルのバランスを考えて、偏らないように気をつけています。なので、今日はこの系統かぁという感じで釣られていただいているとしたら、これもブロガー冥利に尽きる話です(笑)
フィディックのオールドは手に入りやすく、かつ美味しいボトルですよね。自分もハイボールに合うボトルだと思います。またVAT69の70年代は、ロッホナガーらしさも感じられる素晴らしいブレンドですし、ホントこの頃のボトルが安定して手に入る日本って素晴らしい!
そういえばバーバリーシリーズってほとんど飲んだことが無く、20年も同様。確かディーンストンがキーモルトだったと記憶していますが、ボトルと縁があったら是非飲んでみたいです。