マクダフ 19年 1963 GM コニッサーズチョイス 40%

MACDUFF
Gordon & Macphail
Connoisseurs Choice
Aged 19 years
Distilled 1963
750ml 40%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR Black Heart @KuMC
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★★(7)
香り:濃厚な香り立ち。ベリーや熟した葡萄、デラウェアのような果実香を思わせる妖艶なシェリー香。古いウェアハウス、カラメルソースや腐葉土が混じるウッディネスのほろ苦さ。
味:まろやかだがややベタつきがある口当たり。ベリーシロップ、キャラメルラテ、中間からは濃く入れた紅茶を思わせるほろ苦いタンニンを伴うウッディネス。奥からはおしろいっぽい麦芽風味も感じられる。余韻はビターでドライ、張り付くように長く続く。
今やウイスキーの絶滅危惧種とも言えるオールド系のシェリー香。しかし加水の影響か味は少々ゆるく、濃厚だが平坦で起伏が少ないまま余韻へと繋がるコシの足りない味わい。
香りだけならさらにもうワンランク上の評価をつけたいボトルだが。。。
マクダフ蒸留所における、おそらく最初期のビンテージである1963年蒸留の1本。飲んでる時は気づいてませんでしたが、中々飲むことが出来ないマクダフのビンテージを経験させて貰いました。
1962年設立と解説される本蒸留所ですが、同年蒸留のボトルは確認できておらず。1962年建設完了、1963年蒸留開始というのが実際の流れかなと。海外サイトによってはそのように解説するケースも見られます。
ブレンデッドがまだ全盛だった80年代。日本において各蒸留所のモルトを飲もうとするためには、オフィシャルがないもの、流通の少ないものはGMのコニッサーズチョイス、蒸留所シリーズを頼るしかなかったと聞きます。
このマクダフも同様で、基本はブレンド向け路線。1972年に蒸留所を買収したウィリアムローソン社がシングルモルト・グレンデヴェロンをリリースしましたが、数が出回っていたとは言えない銘柄だったようです。
今回のボトルはまさにその時期の流通。
GMらしいゆるい加水シェリーで、シェリー香には熟したベリーや葡萄の果実香を含むオールド系統の一つがあり、香りは文句なく素晴らしいのですが味はそのゆるさがもどかしくもあります。
であれば家で杯を重ねて楽しめそうなタイプかと言うと、余韻にかけては割とウッディなタンニン、苦味が残り、1ショットをゆったりと飲むとちょうどいいくらいのように感じます。
おそらくカスクストレングスでは、とんでもないくらいのタンニン丸な樽が混じっていたのでしょう。19年熟成の40%加水にしては色合いもかなり濃厚で、樽感と加水が酒質由来の香味を圧殺気味。。。ですが、味の奥にはグレンデヴェロン時代のマクダフに通じる麦感があり、ギリギリ個性があると言えるのも印象的でした。
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