カテゴリ:
GLENMORANGIE
SIGNET
700ml 46%

グラス:テイスティンググラス
場所:BAR飲み@アポロニア
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ビターで焦げたようなアロマ、コーヒーチョコレート、ビターオレンジ、チャーオーク。やや溶剤的な刺激もあるが、スワリングしているとバニラやモンブランのような甘いアロマも感じられる。

味:とろりと粘性のある口当たり。ローストアーモンドやリンゴのカラメル煮、干草に通じるオークのウッディネス。じわじわとりんごの蜜の甘みが変化して積み重なるように広がる。
余韻はビターで香ばしい。ややスパイシーなウッディネスを伴い長く続く。

焦げたようにビターな香味が主体に感じられるが、その中にオーク由来の甘み、果実感も広がる多彩な香味。カラメルソースがかかったスイーツの一皿をイメージするような構成。熟成感は15〜20年程度を思わせるそれで若さは感じない。


2008年にリリースされた、グレンモーレンジはビル・ラムズデン博士の意欲作。
確か同氏が学生時代に持っていたアイディアである、深焙りしたチョコレートモルトを実際に使用していることに加え、この他にもグレンモーレンジ社の所有する農園で収穫した麦芽や、ファーストロットでは35から40年の間という長期熟成の原酒を少量用いるなど、気合の入ったリリースだったと記憶しています。

シグネットは、この深焙りしたチョコレートモルトに由来するという、コーヒーのようにビターな味わいを売りの一つにしています。
ただ、個人的にはチョコレートモルトよりも、チャーオーク系の甘くビターな香味にデザイナーカスク由来と思しきオーキーな華やかさが混じるなど、複数種類の樽感と熟成感がグレンモーレンジのライトでスパイシーな香味をベースに複雑な香味を構成しているように感じます。
別蒸留所の話ですが、以前黒ビール用のローストモルトで仕込んだニューメイクを飲んだ際は、若さの中に香ばしいニュアンスと柔らかいコクは混じるものの、そこまでビターという感じではなかったんですよね。

今回、10年間リリースが続くグレンモーレンジのオフィシャルラインナップの代表的な銘柄になりながら、長らくテイスティングしてなかったなという経緯と、ウイスキー仲間が最近のロットは一万円で買えるならオススメだと推していたので、久々に飲んでみるかとテイスティング。
最初に飲んだお店は、開封後結構時間が経ったロットだったようなので、別なBARで仕切り直し。確かに多彩な香味と、フルーティーさや甘みが、スパイシーな味わいと混じり合う。家飲みでもじっくり楽しめそうなボトルだと感じました。確かに、1万円で買えるなら、あってもいいなあ。