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TEACHER'S
HIGHLAND CREAM
1970's
760ml 43%

グラス:SK2
時期:不明
場所:自宅@小瓶購入 Dornoch
暫定評価:★★★★★(5ー6)

香り:ザラメやべっこう飴のような甘いアロマ。表面的にはうっすらと熟成したエステリーなモルティーさを感じるが、枯れた草、奥には焦げたトースト、じわじわとスモーキーなニュアンスも感じられる。

味:古酒感を伴う乾煎りした麦芽風味、蜂蜜や鼈甲飴を思わせるコクのある口当たり、合わせて香り同様にピーティーなほろ苦さが土っぽさと合わせて広がってくる。
余韻はほろ苦くスモーキー、ピリッとした刺激を伴い、染み込むように長く続く。

適度な厚みがありながら、マイルドで負担なくスイスイとのめてしまうハイランドタイプのブレンデッド。ピートフレーバーもしっかり備わっていて、現行品に通じるスタイルを感じさせるが、酒質の違いは明確。ハイボールも無難に美味い。

通称「スコッチの教師」とも呼ばれるメジャーブランドの一つ。ティーチャーズ・ハイランドクリーム(以下、ティーチャーズ)のブランド名が登録されたのが1884年とのことで、100年以上を遡る歴史のある銘柄であり、現在はアードモアをベースとしたスモーキーなブレンデッドとして知られています。

1960年代以前に流通したティーチャーズは、トールボトルに自社で発明したとされる木の頭をつけたコルクキャップを用いていましたが、今回テイスティングした1970年代からは、現行品のルーツとなる平べったいボトルデザインとスクリューキャップになり、時代と共にアレンジされていくも現在まで使われ続けています。
また、1970年代はラベル中央にBOTTLED IN SCOTLAND と赤字で書かれているのも特徴。ラベルデザイン、キャップ形状などで流通時期のわかりやすいブランドでもあります。

1970年代のティーチャーズ・サンズ社は、1962年にグレンドロナック蒸留所を買収し、アードモアと共にキーモルトとしていた時代にあたります。グレンドロナックと言えばシェリー樽熟成のイメージが強いと思いますが、ブレンドに使われているのは複数回使われた樽によるプレーンなタイプの原酒でしょう。アードモアと合わせて、モルティーでスモーキーな風味が主体の構成となっています。
派手さはないですが、この手の味わいはオールドブレンデッドの良さをしみじみ感じさせてくれます。

一方、1960年代流通のティーチャーズと比較すると、グレーン感が強くなった印象も受けるのがこの時代からの特徴。1968年に上位グレードとなるティーチャーズ・ロイヤルハイランド12年のリリース、1976年にはアライドグループの一員となって国際的な販路と原酒供給のバックホーンを得るなど、拡張路線をとっていた時期でもあり、少なからず原酒の比率も変わっていたのではないかと推測しています。

teacher's1960
(ティーチャーズ 1960年代以前 アメリカ流通品。ラベルの裏面にはキーモルトかつティーチャーズ・サンズ社が創業のアードモア蒸留所が描かれている。)

今回のボトルは、これまでも何度か利用している50ml Whisky Shop Dornochさんで購入しました。
こちらのショップは現行品のみならず、オールドボトルの販売も50mlから行なっており、今回はブログ掲載用にテイスティングを載せていなかった銘柄を何種類か購入。以前飲んだけど、写真もテイスティングもとってないボトルって結構あるんですよね(笑)。
50mlあるとストレート飲んで、少量でハイボールも飲めて、復習や購入前の予習にはちょうど良い感じです。