カテゴリ:
STRATHISLA
Gordon & Macphail
Connoisseur's Choice
Over 35 years old
Distilled 1937
Bottled 1972-1973
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:KUMC
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★★★(9)

香り:ウェアハウスを思わせる古く落ち着いた香り立ち、キャラメルナッツ、熟したオレンジ、燻した麦芽から土っぽいピート香、存在感のあるスモーキーさ。ほのかに貴醸酒のような古酒感や、陶酔感を感じる。グラスの残り香も素晴らしい。

味:まろやかでコクがあり、どっしりとした麦芽風味主体の口当たり。サルタナレーズン、林檎のカラメル煮。後半にかけてじわじわとピーティーでスモーキーなフレーバーが開き、鼻腔にも抜けていく。
余韻はカラメルソースやローストした麦芽風味、染み込むようなほろ苦さが長く続く。

ピートと麦芽風味の素晴らしい一体感。そこにリフィル系の枯れたオールドシェリー樽のアクセント。アルコールも立っており、状態は素晴らしい。少量加水するとスモーキーさが穏やかになる一方、陶酔感あるシェリー香、麦芽香が主体的になり、うっとりとするようなアロマが広がる。ただし味は水っぽさが強くなり、加減が難しい。


エドワード&エドワード表記、ジャッコーネ向けのコニッサーズチョイス。これはもう時代と経年がもたらした贈り物と言える、オールドモルトの良さが結実したようなボトルです。
懐古厨と言われようと、ラベル酔いと言われようと、良いものは良い。やはりスコッチモルトは麦とピートの酒なのだという、そのものの本質と、格の違いを感じさせられてしまう1本でした。

ストラスアイラは1950年にシーバスリーガル社の傘下となり、現在はペルノリカールグループにおける文字通り"キーモルト"を提供する、主要蒸留所であり続けています。
今回はその買収遥か前、当然設備や製法なども旧式だったと思われる時代の作。1940年代、30年代のモルトは平均して語れるほど多くの蒸留所を飲めていませんが、これまで飲んだモノに共通してあるのは分厚い麦感、そして内陸とは思えないほど存在感のあるピートの層。
おそらくボトリング当初はもっと強い主調があったものの、経年によってまとまった香味の形が、この時代のウイスキーを飲む醍醐味だと感じています。

また、コニッサーズチョイスは単一ビンテージで複数樽バッティングがあるのもポイント。バッティングによる香味の複雑さと安定化、今の原酒はそうでもしないとってのはありますが、香味の強いこの時代でそれをやってたらもう反則ですよ。
それをオフィシャルではなくボトラーズ1社が定常的にリリースしている点が、GM社が様々な蒸留所の準オフィシャルとして機能する、圧倒的な原酒保有量を垣間見る要素とも言えます。
いやはや、本当にスケールが違うメーカーです。

(今回のヤッテヤッタデス事例。主犯は自分では無いが、結局一口便乗したので同罪か。美味い、美味いがこれじゃなくても。。。あまりの罪深さに手が震えて、写真のピント合わせもままならない(笑))

なお、GM社は今年から既存ラインナップの全面的な見直し、リニューアルを始めています。
この動きは、GM社の100年を越える歴史の中で初めてのこと。近年のGM社は物凄い勢いでラインナップを拡充してきましたので、差別化がわかりにくいものや、継続しているのかもわからないシリーズもちらほら。ここで一気に整理して、選択と集中を行うのもアリだと思う一方、こういうのは大概値上げとセットになりがちですから消費者としては一抹の不安が。。。(JISさんの発表ではディスカバリーなるシリーズも誕生するようですし。)

既にリニューアルが発表されたのが、今回の記事でもあるコニッサーズチョイス。1968年にリリースが開始され、今年で半世紀、節目の年のリニューアル。
ラインナップにおける基本的な方針はこれまでと変わらずですが、カスクストレングスとウッドフィニッシュが正式の加わる模様。ラベル下部の色でラインナップを分けており、ゴールド:従来通り46%加水、シングルカスク並びにスモールバッチ含む。グレー:カスクストレングス。レッド:カスクフィニッシュタイプ。と整理されるようです。

気になる店頭価格は70ドルから500ドルの間くらいとのことですが、日本だと諸々込みで1万円弱くらい〜でしょうか。
後はどんな中身で来るか、続報を待ちたいです。