カテゴリ:
YOICHI
SINGLE CASK
NIKKA WHISKY
Aged 10 years
Distilled 2006
Bottled 2016
Cask type New American Oak Cask #407776
700ml 60%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@エクリプスファースト
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(5ー6)

香り:ハイトーンで強い刺激を感じる香り立ち。ハッカ、スパイスの刺激、アーモンドナッツの香ばしさと、焦げたトーストのほろ苦さを感じるウッディネス。

味:うっすらとキャラメルの甘み、スパイシーでハーブや松の樹皮、ローストアーモンド。パワフルなアタックで攻撃的な飲み口。
余韻はドライでウッディなえぐみから、ハイトーンで口内がヒリヒリする強いフィニッシュが長く続く。

パワフルでやんちゃなシングルカスクだが、加水するとまろやかでキャラメルを思わせる甘みが増すように感じられる。10年という決められた熟成期間と個性を楽しむには面白いが、完成度としてはもう少し熟成期間か加水調整が必要と感じる。


余市マイウイスキーづくりで、10年の熟成を経てボトリングされた1本。先日、エクリプスで飲んでいたところ遭遇しました。(どうやらイベント絡みで入手した1本だった模様。)
当ブログでは、読者の方からご好意で交換していただいた余市10年を投稿したところで、ちょうどいい比較の機会となりました。

参考:シングルカスク余市10年 2004-2014 #406599 60%

先の記事では、マイウイスキーづくりは熟成期間が10年と決まっているため、良くも悪くも原酒の成長に関係なくボトリングされるという事例に触れました。そのため、モノによってはしっかりとした熟成感がある一方、全く逆で荒々しく強い味わいが残るモノもあります。
それが熟成の面白さであり、マイウイスキーづくりの"味"であるわけですが、この2本の余市はまさにその対極にあるボトルと言えます。

今回テイスティングした余市10年は、樽のチャーが控えめだったのか、あるいは置かれている場所が熟成庫の中でも温度変化の少ない場所だったのか。樽感が控えめで強いアタックがマスクされずにそのまま残っている、パワフルな香味が特徴。特に余韻にかけてのアタックは強烈です。
それこそテイスティングでも触れていますが、引き続き5年から10年くらい熟成させてみたい、カスクストレングスとして大器晩成型の傾向が感じられました。


かつて自分が初めて飲んだマイウイスキーづくりの余市10年が、ちょうどこんな感じの強く荒々しいタイプでした。
9年前、本格的にウイスキーを飲み始めたばかりの頃で、それこそこの手のタイプの刺激には耐性が弱かったこともあり、もっと荒々しかったような記憶もあります。
ストレートでちびりとやって、これは「強い男の強い酒だぜ!」なんて、どこかで聞いたことがあるキャッチコピーを呟いたりも(笑)。

懐かしくもある荒々しい余市。完成度で言えば10年の余市が目指すところは上記#406599系統だと思うのですが、同じ新樽を使いながらこうして明確に違う原酒が出来上がるのは、ある種神秘とも例えられるウイスキーの面白さ。まして自分が関わったものならなおのことですね。
そう考えると、当該イベントの参加抽選は初参加優先ですが、可能なら複数回参加して今年の出来は・・・なんてやるのは凄く贅沢な楽しみだなと思います。
あるいは複数本調達して他の回の参加者とも交換、それぞれの違いを楽しむのも楽しそうでワクワクします。
そしてその記録の共有として、このブログを使うことができたら更に良いですね。