カテゴリ:
HAKUSYU
SUNTORY
Single Malt Whisky
Aged 25 years
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅@サンプル(萌木の村)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:古いウェアハウスの中にいるような落ち着いた香り立ち。香木感のあるウッディネス、燻したようなピートフレーバー、オレンジピールチョコレートやドライアプリコット、角の取れた穏やかで深いアロマ。少し湿ったような木のえぐみも伴う。

味:まろやかでコクのある口当たり。燻した麦芽風味、オールブラン、カステラの茶色い部分、中間から後半にかけていぶりがっこのようなスモーキーさとアプリコットや熟したオレンジの酸味。
余韻はどっしりとスモーキー、ウッディーでタンニンが染み込むよう。じわじわとスパイシーな刺激を伴い長く続く。

熟成による落ち着きのあるカドの取れた香味。複数の樽材が織り成す香木感を伴う高貴なウッディネスに加え、どっしりとしたピートフレーバーが個性を主張している。若干過熟気味なニュアンスもあるが、響同様にサントリーが目指しているブランドの方向性が伝わってくる味わい。加水するとボディが軽くなり、樽香が浮つくのでストレートで楽しみたい。

サントリー シングルモルト白州、オフィシャルラインナップの最高峰にして、ISCなど様々な国際コンテストで高い評価を得ているシングルモルト。日本時間でつい昨日発表されたWWA2018※の本審査では、世界各国の代表の中からワールドベストシングルモルトに輝いた1本でもあります。

WWAはウイスキーマガジンが主催する、ウイスキーを主体とした国際コンペ。審査基準は少々不透明な部分がありますが、今年は白州25年の受賞だけでなく、ブレンデッドウイスキー(限定リリース)部門でイチローズモルトが、ブレンデッドモルト部門ではもはや同部門における絶対王者、ニッカウイスキー竹鶴17年がそれぞれ戴冠。
ウイスキージャンルの主要部門とも言えるモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの区分で、それぞれ世界一を獲得するという、日本のウイスキーの評価がさらに高まる結果と成りました。

WWA2018
※World Whiskies Awards 2018 Winner
http://www.worldwhiskiesawards.com/winner/whisky/2018/taste

その知らせを受け、折角だし白州25年を飲みに行くかと探したものの、山崎25年同様に生産量が特に限られているため、サントリー系列に強い特定BARもここ数ヶ月入荷が無いのだとか。。。 
ただ幸運な事に、昨年萌木の村の舩木さんとのサンプル交換で白州25年を頂いておりましたので、掲載していなかったテイスティングノートを合わせて公開することにします。

さて、シングルモルト白州のスタンダードなキャラクターは、 切り出した木々を思わせるオークフレーバーとほのかなピート香で、爽やかなハイランドタイプと言える構成です。
ただし熟成年数が増えることで樽感がしっかり出てくるだけでなく、年数表記以上の長熟原酒やシェリー樽熟成の割合を増やして多層感を形成している傾向があり、その香味に負けないようピーティーな原酒の中でもヘビーピートタイプの割合を増やしていると感じます。

そのため、この25年は単に10年や12年の延長線上ではない、サントリーの長熟ラインナップに感じる独特の香木感と、重厚でスモーキーなハイランドパークなどのアイランズ寄りのキャラクターも併せ持っている。森は森でも、深く深遠な、深山幽谷、大森林のよう。
サントリーのブレンド技術と熟成環境、まさに日本だからこそ作り得るシングルモルトウイスキーの一つであると言えます。

休売の噂もある白州のエイジングシリーズ。都内では中々テイスティング出来る場所がないかもしれませんが、蒸留所の有料試飲ではラインナップにあることが多いと聞きます。(勿論、萌木の村のバックバーにもあるようです。)
今回の受賞をきっかけに、世界一のシングルモルトを飲みに蒸留所まで足を運んでみては如何でしょうか。