グレンスコシア 30年 1969-1999 OMC 50%
GLEN SCOTIA
Old Malt Cask
Aged 30 years
Distilled 1969
Bottled 1999
700ml 50%
グラス:国際規格テイスティンググラス
場所:BAR飲み
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)
香り:柔らかい香り立ち。淡い麦芽香、品の良いリフィル系のオールドシェリー香は、サルタナレーズン、シフォンケーキ、ほのかにカラメルソースのニュアンスを伴い穏やかに広がる。
味:スムーズな口当たり。素朴な麦芽風味からじわじわと杏や煮た林檎のフルーティーさ、軽くナッツやキャラメリゼ。
余韻は染み込むようにウッディでトロピカル。ほのかなピートフレーバー、グレープフルーツのワタを思わせるほろ苦さを伴い長く続く。
古き良き時代を思わせるオールドテイストなモルトウイスキー。樽が過度に主張せず、そこにしっかりと存在感のある麦芽風味がバランス良く感じられる。突き抜けないがしみじみと美味い。
今となっては貴重なグレンスコシアの1960年代蒸留にして、1970年代後半の大規模改修工事前の素朴な味わいが楽しめる1本。近年蒸留所がロッホローモンド傘下となってからは、樽感も果実味も酸味や少し発酵したような癖のあるニュアンスが伴いますが、かつては素朴な麦芽風味に加えて灰っぽさや特徴的なほろ苦いピートフレーバーが感じられる、滋味系なモルトウイスキーでした。(この辺はブリタニア8年やグレンネヴィス12年のモルトを飲むと特徴がわかりやすいと思います。)
今となっては貴重なグレンスコシアの1960年代蒸留にして、1970年代後半の大規模改修工事前の素朴な味わいが楽しめる1本。近年蒸留所がロッホローモンド傘下となってからは、樽感も果実味も酸味や少し発酵したような癖のあるニュアンスが伴いますが、かつては素朴な麦芽風味に加えて灰っぽさや特徴的なほろ苦いピートフレーバーが感じられる、滋味系なモルトウイスキーでした。(この辺はブリタニア8年やグレンネヴィス12年のモルトを飲むと特徴がわかりやすいと思います。)
今回のボトルはその長期熟成品で、同様の麦感をベースとしつつ、熟成によるカドのとれた香味と60年代らしいトロピカルフレーバーも加わって、ハイプルーフでありながら何杯でも飲めてしまうような味わい。充分美味しいモルトですが、2000年前後のOMCはこの素晴らしいモルトが埋もれてしまうくらい60〜70年代蒸留の原酒をガンガンリリースしていたのですから、とんでもない時代でした。
さて、グレンスコシアは専門書などでキャンベルタウン衰退の歴史と共に語られることの多い蒸留所です。
同じ地域の代表的蒸留所であるスプリングバンクは、不況と悪評になんとか耐え抜きましたが、グレンスコシアは複数回の閉鎖と買収を経験していることが、その歴史にリンクしているように感じられるからかもしれません。
衰退の要因はいくつかありますが、中でも代表的なものがキャンベルタウンの各蒸留所が粗悪なウイスキーを量産してアメリカ市場に販売していたことで、結果同地域産のウイスキー全体に悪評としてダメージを与えたことが背景にあるわけですが。。。
なお、この歴史を近年のジャパニーズウイスキーに当てはめると、対岸の火事ではなく、同じ道をたどっているようにも思えてなりません。
願わくば、日本は同じ轍を踏むことが無ければ良いのですが。。。
コメント
コメント一覧 (8)
ううん、確かに対岸の火事ではありませんねぇ
売れているからといい加減なものを造ったりするとそういう落とし穴があるわけですね…
キャンベルタウン衰退の原因は他にもあるのですが、いまやどうにも他人事に思えてなりません。
特に近年は情報社会で、噂話以上に形に残って広がりますから・・・海外のサイトでその手のウイスキーが低評価されるのを見て、複雑な気持ちを持っています。
さて、キャンベルタウン産の品質良くなかった話って聞きますけど、自分はハズレ引いたことないです。興味本位ですがむしろハズレのほうを飲んでみたいです。
この頃のOMC、ちょっと安定しないものもありますが、平均してレベルが高いですよね。
うちは70年台後半のものくらいしかストックがないので、もうちょっと買っておくべきだったと後悔しています。
さて、キャンベルタウンの粗悪説ですが、流石に衰退したとされる1930年前後の頃のボトルには出会えたことがなく、書籍ベースでしか話は知りません。
ただ、1950〜60年代蒸留のスプリングバンクや、あるいは1990年台流通のオフィシャルボトルは、ロット差が激しかったり、出来が安定しないものがあったりしましたので、大手資本による安定した製造ではない環境であったのは事実なのかなとも感じています。
飲めるなら、自分もその当時のものを飲んでみたいですね。どの程度粗悪だったのか・・・。
2週間ほど経ってテイスティングしましたが、コルク臭もほぼ無く柑橘系の苦味を伴うピートがじわじわ来て大変好みでした。
記事のような改修工事前の長熟は飲んだことが無く、もしチャンスがあったら是非飲んでみたいと楽しみに思います。
記事ありがとうございました。
いつもコメントありがとうございます。
状態の良いオールドから感じられる、当時のスコシアなどの素朴なピーティーさ、良いですよね。
自分は本当に運が良く、今回のボトルを飲ませていただきました。stさんもどこかで出会えると良いですね!
これはどちらのバーで飲まれたのでしょうか。
これ飲みたくて探していたので可能であれば教えていただけると幸いです。
コメントありがとうございます。
こちらは立川のBARサンドリエさんでテイスティングしました。
ただ、1年程度前の記録なので、ひょっとするともうボトルがない可能性もあります。。。
もし訪問される際は事前に確認をしてみてください。(勿論、それ以外のボトルとしても、サンドリエさんは素晴らしいBARなので、きっと満足頂けると思いますが。)
よろしくお願いします。