ストラスアイラ 12年 ピュアモルト表記 1990年代流通 43%
STRATHISLA
PURE HIGHLAND MALT
Aged 12 years
1990's
750ml 43%
グラス:ルイジヴォルミオリ ヴィノテクスピリッツ
場所:BAR飲み@サンドリエ(立川)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)
香り:華やかで香ばしい麦感と共に品の良いリフィル系のシェリー香。バニラ、洋梨、ほのかな植物感を伴う柔らかい甘み。
余韻は軽い香ばしさのある麦芽風味から、ほろ苦く染み込むようなフィニッシュ。
加水で整えられた柔らかい口当たり、適度にコクのあるボディ。やや青みがかった植物感があるが、全体の中では一つのアクセントに過ぎず、むしろスペイサイドらしい熟成香を形成している。
1990年代(一説には1994年)からリリースが始まった、ストラスアイラ12年熟成オフィシャルボトル。その後、ラベルを変えながら現在まで続く同蒸留所唯一のスタンダードボトルであり、今回のボトルはその初期ボトルです。
ストラスアイラがシーバスブラザーズ社のブレンデッドウイスキーの主要原酒であることは、もはや説明不要と思います。現在はそのシーバス社を傘下とするペルノリカールグループに属しており、華やかでフルーティーでややドライな、同社のブレンデッドにみられるモルティーさは、今回のボトルをテイスティングしても感じられる共通の要素が多く。ロングモーンやグレンキースなどと合わせ、原酒の特徴がしっかりと現れていると感じます。
(スコットランドで最も絵のように美しい蒸留所とされるストラスアイラ蒸留所の外観。ラベルに描かれているのはここから更に引いた地点からの構図。Photo by K67)
ストラスアイラは、オフィシャルボトルこそ少ないものの、シーバスブラザース社以外の多くの企業に原酒が販売された蒸留所の一つであり、GM社の蒸留所ラベルシリーズを筆頭に、短熟から長期熟成まで多様なリリースが行われてきた蒸留所でもあります。
そのため、10年くらい前までにモルトにハマっていた人からすれば、オフィシャル12年よりもそうしたボトルがのほうが馴染みがあったのではないでしょうか。
私なんかはストラスアイラ=30年以上の長期熟成がいっぱいリリースされる蒸留所、なんて印象を持っていた時期があったほど。今思えば、なんとも贅沢な話です(汗)。
ボトラーズで多くみられた長期熟成でホグスヘッド系のオーク香、あるいはシェリー感全開のストラスアイラが、実に美味しいモルトであったことは間違いないわけですが、その酒質にはあまりフォーカスしていなかったようにも感じます。
改めてこうして12年のオフィシャルボトルを飲んでみると、樽感とのなじみが良く、加水でありながら柔らかいコクと麦芽風味がしっかり残っている。
現行品のオフィシャルは樽感が強い印象を受けますが、この時代のものは淡いシェリー感と共にバランスの整ったなんともしみじみ美味いモルトウイスキーだと感じます。
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