カリラ 15年 1974-1989 GM 40%

CAOLILA
Gordon & Macphail
Aged 15 years
Distilled 1974
Bottled 1989
750ml 43%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@KuMC
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★(7)
香り:柔らかい香り立ち。強い磯っぽさやヨード、塩素、乾いた麦芽とほのかな柑橘感がアクセントに。アイラ的な要素が強い存在感を保っているが、加水が効いてバランスがいい。
味:香り同様に柔らかい麦芽風味からピリッとした塩気、適度なコクと透明感。
徐々に魚介出汁、灰っぽさも。
余韻はグレープフルーツピールのアクセント、ほろ苦くスモーキーな麦芽風味を伴い染み込むように長く続く。
40%加水でありながら、しっかりとしたアイラモルトらしいフレーバーが備わっている。樽感はリフィル系であまり強くなく、柔らかさと個性の主張を両立したしみじみと旨いボトル。まるで穏やかな日の海辺に居るよう。
40%加水でありながら、しっかりとしたアイラモルトらしいフレーバーが備わっている。樽感はリフィル系であまり強くなく、柔らかさと個性の主張を両立したしみじみと旨いボトル。まるで穏やかな日の海辺に居るよう。

アイラ島とジュラ島の間、サウンドオブアイラことアイラ海峡に面した立地を持つカリラ蒸留所。上記写真にもあるように、スチルハウスの目の前に広がるそれが、蒸留所の特色の一つともなっています。
この近年のカリラ蒸留所の姿が作られることとなったのが、1972年から1974年の間に行われた、ポットスチル増設などの大規模拡張工事です。
導入されたポットスチルの形状などは、それまでのものと同じものという話でしたが、使い込まれたそれと異なり新しいものでは癖的な香味が出にくいのか、あるいは生産量が増えた事での影響か。1974年蒸留のカリラはクリアで雑味の少ないキャラクターのものが多く、樽次第でははっきりとした美味しさを得る一方、60年代に比べボディは軽い印象を受けます。
今回のボトルも、アイラ的な個性の存在感はしっかりあるものの、飲み口は柔らかく同様のベクトルと感じます。
そのため、人によってはいい意味での雑味やフルーティーさが強い1970年代後半から80年代前半のキャラクターを評価する声もあります。
ただ、カリラ蒸留所にとって、のちに起こる閉鎖の危機を生き抜くこととなった一つのターニングポイントがこの拡張工事であり、1974年蒸留のボトルは時代背景としても蒸留所のキャラクターとしても、飲んでおく価値のあるビンテージだと思います。
コメント
コメント一覧 (2)
アイラを訪問されたんですか!それだけで羨ましいですが、猫とのエピソードも貴重な体験ですね。自分は猫好きなので、猫と巡る蒸留所ツアーとか楽しそうで仕方ありません。
日本の話になりますが、漁港で竿を出していると、やはり人懐っこい猫が寄ってきて外道の小さい魚をあげたりしています。
カリラは海辺にありますし、居ついているのはそうした関係でしょうか。
それにしても二重に羨ましいエピソードです(笑)