あかし 10年 60% オールドシェリーバット#5164 江井ヶ嶋酒造

WHITE OAK
AKASHI
Shingle Malt Whisky
Aged 10 Years
Old Sherry Butt #5164
500ml 60%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅@サンプル購入
時期:不明
暫定評価:★★★★(4-5)
香り:焼けたゴムのようなビターなウッディネス。カカオ、焦げたキャラメル、度数らしく鼻腔への刺激も伴う。奥からハーブを思わせる薬草香と、発酵したような酸味もほのかに感じられる。
味:香りよりもスウィートで粘性を伴う一方、舌の上を刺激する強いアタックも感じる。ブラウンシュガー、ゴム感、ウッディなえぐみ。
余韻はハイトーンでヒリヒリとした刺激が非常に強く。あわせてサルファリー、カカオ90%チョコレートを食べた後のような粉っぽさや苦味を感じるウッディネスが長く続く。
それほど支配的ではない樽感に、あかしらしいアルコール感の強いアタックや薬草感。加えてクラフト的な熟成感とも言えるえぐみ、ウッディーさを伴う"地"的な個性豊富な1本。1:1程度まで加水すると、サルファリーさや刺激がある程度収まり、スムーズでシロップの甘みを伴ってバランスが一気に改善する。ストレートで一口飲んだ後は、加水しながら調整していくのがオススメ。
江井ヶ嶋酒造が久しぶりにリリースした、二桁熟成年数のシングルカスクウイスキー。中身についてはテイスティングを参照いただくとして、話のメインは樽についてです。
それほど支配的ではない樽感に、あかしらしいアルコール感の強いアタックや薬草感。加えてクラフト的な熟成感とも言えるえぐみ、ウッディーさを伴う"地"的な個性豊富な1本。1:1程度まで加水すると、サルファリーさや刺激がある程度収まり、スムーズでシロップの甘みを伴ってバランスが一気に改善する。ストレートで一口飲んだ後は、加水しながら調整していくのがオススメ。


江井ヶ嶋酒造が久しぶりにリリースした、二桁熟成年数のシングルカスクウイスキー。中身についてはテイスティングを参照いただくとして、話のメインは樽についてです。
今回のスペックはオールドシェリーバットなる表記で、濃厚なシェリー感を期待してしまいますが、香味からシェリー酒の熟成が長い樽とも、あるいは1st fillとも言いがたく、オールドの意味は単に古いか、何度か使った古樽なのかなと推測。
江井ヶ嶋では単一樽で15年以上熟成させたシングルモルトがリリースされたことはなく、そのローテーションと樽感から、今回の樽は2回目か3回目の使用ではないかと考えられます。
この点については、ウイスキーテイスターの山岡さんが蒸留所で調べられた情報をFacebookで公開されています。
それによると、この樽はシェリー樽ではなくスパニッシュオークのブランデー樽。かつて江井ヶ嶋酒造がスペインからブランデーを輸入した際、入れ物としてセットで届いた樽で、少なくとも1度ウイスキーの熟成に使ったリフィルカスクとのこと。
ではなぜシェリー樽を名乗っているのかというと、考えられることは一つ。このスペインのブランデーが"シェリーブランデー"であり、シェリー(ブランデー)バットでの熟成だからと思われます。
シェリーブランデーは酒精強化前のワインを蒸留するため、香味はブランデー寄りですが、熟成はシェリー酒同様にソレラで行われる銘柄もあり、樽としての魅力は非常に感じます。
しかし仮に上記の通りとしても、表記の適正さについて新たな疑問が生まれるわけで。。。現在ジャパニーズウイスキーの基準について議論が進められているという話を聞きますが、輸入原酒の使用可否以上に表記の統一についてこそ、整備が必要と感じる次第です。
ちなみに、今回の樽と同じスパニッシュブランデー樽が使われたとされるボトルが、2010年に発売されたあかし12年です。
当時の説明文には「スパニッシュオークでの熟成」が記載されており、シェリーとは書かれていなかったものの、自分を含めて結構な人がスパニッシュオークシェリー樽と勘違い(汗)。
ピーティーでキャラメルのような甘みと熟成感、これまでリリースされてきたシングルモルトあかしの中で一番旨いボトルだと思うのですが、このボトルは硫黄感がなく今回とは異なる仕上がり。
ここで空いた樽もまた、今回のように10年以上熟成の原酒を育んでいる最中なのでしょうか。
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