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SANMARZANO
Certainly a Collezione
Cinquanta +2
750ml 14.5%

今回のワインは前回に引き続きイタリア・プーリア州から、1962年に創業したワイン製造者の協同組合カンティーネ・サン・マルツァーノが、創業50周年を記念してリリースしたブランド。価格は2000円台ですが、同社の中ではハイグレードのトップ・キュヴェに位置づけられています。
葡萄品種はプリミティーヴォとネグロアマーロ。樹齢は50年越えの古木に加え、イタリア南部で太陽をたっぷり浴びて作られるワインだけあって、しっかりと濃厚な味わいがウリ。
ファーストリリースの後は+1、+2と年数を加算する表記でリリースが行われており、2012年と2013年に醸造され、異なる熟成方法を経たワインがブレンドされているそうです。
と、WEBからの引用はこれくらいにして。。。

香りはハーブ香の混じるベリーやカシスの濃厚なアロマ、ツンとして乾いたような樽香、酸味にはまだ硬さがある。
口当たりは甘酸っぱく濃厚、フルボディ。ブルーベリー、ダークフルーツソース、どっしりとした葡萄エキス。奥には安寧芋のペーストのような蜜っぽい甘さ、そこから樽香、タンニンが尖った酸味と共に主張してくる。

濃厚は濃厚ですが、酸味を甘さと濃さで上塗りしたような味わい、樽香も浮ついていてフレーバーにバラツキがあるというか、統一感があまり感じられない。。。というのが開封直後のこのワインに対する印象。正直、買って失敗したとすら思いましたね(笑)。

   
例えば果実味に限定すると、序盤はジャムやソースのような、加工した果実の甘酸っぱさがあってこれはこれで良いのですが、後半にはまだ硬さが残る果実を食べた時のような主張の強い酸味に変わってしまう。2つ時系列の違うものがそれぞれ主張しあっていて、お互いいいものはあるのに交わっていない、そんな違和感からあまり杯が進みません。

このワインを開封したのは日曜日の夜で、半分ちょっと残してバキュバンから冷蔵庫へ。ま、平日飲めば良いか~と。しかしこういう時に限って平日の帰りが遅くなり。。。金曜深夜まで5日間丸々放置プレー。
いい加減飲まないと調理酒行きになってしまうので、18度くらいまで温度を戻して飲んでみると、「なにこれめっちゃ旨いじゃん!」というほど印象が変わっていました。


ふくよかで深い甘みと微かにハーブの漂うアロマ。硬さのないまろやかな舌触り、熟したぶどうやベリーを思わせる蜜っぽい甘酸っぱさ。余韻のタンニンもカドが取れ、濃厚な味わいにあって実にバランスがいい。
それぞれ主張しあっていたものが融和し、香りは熟した果実のように開いている。

ワインは2〜3日で飲みきるものという認識があり、2日目にカドが取れて美味しくなってることは何度かありましたが、大概は酸化が進んだり香味がぼやけたりする傾向がある中、5日経ってこうも美味しくなるとは衝撃的です。
そしてアテに買っていたパストラミビーフとの相性が激ヤバ。とろんとした甘みに黒胡椒のスパイシーさとビーフの旨味がマッチして、飲む食うの永久運動、一気に飲みきってしまいました。
(そして締めのコニャックを飲みながら、ソファーで寝落ち(笑))

この味で2500円程度なら、素晴らしいコストパフォーマンスです。
つまりそれだけポテンシャルがあるワインであり、現時点で美味しくするには今回のように時間をかけるか、あるいはデキャンタか、一手間必要と言えますが、単純に飲み頃はまだ先ということなのかもしれません。
今回はたまたまこういう形になりましたが、次は狙って開かせたものを飲んでみたいです。