竹鶴 ピュアモルト 12年 ニッカウイスキー 初期ボトル 43%

NIKKA WHISKY
TAKETSURU
PURE MALT
Aged 12 years
660ml(180ml) 43%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後
評価:★★★★★★(6)
香り:穏やかな樽香、ピーティーな香り立ち。スワリングするとほろ苦いウッディーさと林檎のカラメル煮を思わせる柔らかい甘み、乾いた麦芽のアロマが開いてくる。
味:柔らかいコク、香ばしさを感じる口当たり。燻したような麦芽風味、キャラメリゼを思わせる甘みとほろ苦さ、ほのかにオレンジピール。徐々に新樽原酒のウッディネス、樹皮を思わせる無骨な樽感がアクセントとして広がる。
余韻はウッディでビター、少し塩気を伴うドライ気味なフィニッシュ。
熟成感が適度にあり、樽感と奥行きも備わった秀逸なスタンダードボトル。少量加水すると香りが開き、個人的にはロックをゆったりと飲むのが好み。
ニッカウイスキー(ないしアサヒビール)が、低迷するウイスキー市場に一石を投じるべく2000年に発売した創業者の名を冠するウイスキー。
竹鶴政孝が理想とした「異なる環境で熟成された原酒」を使い、こだわりのスモーキーフレーバーの備わったそれは、モルトウイスキーではまさにその名にふさわしい構成だと感じます。
この当時の竹鶴シリーズは、コスパの良さで知られています。
モルトウイスキーでありながら"幅広い原酒を使える"という謎のロジックで、発売価格が同年代国産シングルモルトの半額程度からそれ以下の設定だったことも注目を集め、雑誌の特集記事や某漫画などで度々取り上げられました。
商品開発はそうした価格面との折り合いも含めかなり苦労したと思われますが、仮に今発売されるならまず当時の価格設定はない。ウイスキー冬の時代だからこそ誕生した商品と言えるかもしれません。
一方で、竹鶴ピュアモルトシリーズに対しては「国産より安い原酒使ってるんだろ」とか様々な意見も常にあったわけですが、12年から21年まで共通して余市らしいスモーキーさと樽香、宮城峡を思わせるフルーティーさが備わって味も良かったため、中身がどうとかぶっちゃけどうでも良かったのも事実。
今改めて飲んでも、これは良いウイスキーだと思えます。
ただ12年に関しては代を重ねるごとにそうした蒸留所の個性が薄くなり、後継である現行品NAは見る影もない状況。売れ筋商品とは言え、ユーザーサイドは複雑な気持ちも抱えてしまいます。
まあこうした変化は、ウイスキーにおいてありがちな話ではあるんですけどね。増産を始めた時期から効果が出るのはしばらく先、古き良き時代の竹鶴復活を気長に待ちたいと思います。
【Happy New Year 2018】
新年あけましておめでとうございます。
昨年は本業で大きな成果を上げることが出来たものの、体力的には年の後半に息切れ。病床の身となって更新はおろかウイスキーを飲むこともままならない状況に、歯がゆい想いをすることも度々ありました。
自分で言うのもなんですが、働きすぎました(笑)
そんな間でも、ブログ楽しみにしていますと言って頂けるウイスキー仲間、ブログ読者皆様の声に、何度もモチベーションを回復させて貰いました。
正直まだ本調子とは言い難いのですが、今年も1年公私共充実した時間となるようウイスキーを楽しんでいければと思っています。
今年はブログ開設から丸3年、順調に行けばレビューは1000以上、アクセス数も1000万の大台に乗る、節目を迎える年です。
その最初の更新は、初心に帰る意味も込めて、自分がウイスキーにハマるきっかけとなったボトルから竹鶴12年を選びました。先日のスーパーニッカを購入した際、偶々セットでついてきたものです。竹鶴は特にストックしてなかったので、ありがたい買い物でした。
当時はなんだかよくわからないけど良いウイスキーと思ってましたが、今はハッキリと「良いウイスキー」だと断言できますね。
コメント
コメント一覧 (3)
基本筆不精でめったにコメントしませんが、いつも楽しみに拝見しています
私はウイスキーにハマるきっかけになったのが余市12年だったのですが
終売になってからは代わりのウイスキーを探す中で、くりりんさんのウイスキー評を何かと参考とさせていただいています
その中で様々な、また新たなウイスキーの美味しさにめぐり逢わせていただいている訳で何とも感謝に堪えませんm(_ _)m
今年もどうか、お体に気を付けて
くりりんさんのご活躍と日々のブログをこれからも楽しみにしております
これからもお体を大事になさって良きウイスキーライフがおくれるよう願っております
この竹鶴12年はブレンデッドのように、飲みやすいピュアモルト(ヴァッテドモルト)…というのが
ひとつコンセプトであったかと記憶しており、
確かにそのとおり飲みやすくかつモルトウイスキーのコクを備えたウイスキーでした
ラベルが変わってもその方向性は変わらなかったとおもっていたのですがさすがにNASになってからは…
ただ、今でこそなかなか見かけることが少なくなってますが、この竹鶴は17年も21年も抜群のコスパ「だった」のは、
間違いなく、17年は一時期欠かさず常備してましたね
竹鶴17年21年を事実上、終売にして守った銘柄ですから普通に美味しく飲めるだけでよしとしないといけないのかな、と思います。
余市NAなんかは10年に比べて大分劣化し、ストリートではキツい出来でしたが竹鶴NAは飲めたので、個人的な体感で申し訳ないのですが、ニッカが一番守りたかった銘柄は竹鶴なのかな、と思います。
今思えば、竹鶴12年は激安でしたし、竹鶴17年は本当に凄まじいクオリティでした。原酒が今後回復傾向にもし転じたら、是非とも値段据え置きで復活してほしいものです。