ブラック&ホワイト 8年 1940年代流通 43.4% アメリカ向け
BLACK & WHITE
Blended Scotch Whisky
8 Years old
1940's
4/5Quart 86.8proof
グラス:木村硝子テイスティング
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6ー7)
味:マイルドな口当たりから厚みのあるボディ。麦パフっぽい麦芽風味、ほのかに干し草、後半はどっしりとしたピートフレーバーが広がる。
余韻はしっかりピーティー。スモーキーで長く染み込むよう。
香りは多少警戒させられるも、味には目立ったオフフレーバーはなく、経年を考えれば状態はいい。麦とピートを味わうウイスキー。さながらピートが黒、麦が白か。
ブラック&ホワイト(B&W)のアメリカ向けボトル。
肩ラベルに書かれた「By Appointment to His Majesty the King」表記は、1936年から1952年まで在位したキングジョージ6世を指すものと考えられ、流通時期を推定する要素の一つとなっています。
(前後世代となる、キングジョージ5世並びにクイーンエリザベス2世の時代は独自のワラントがあり、それぞれの世代のB&Wにプリントされている。)
また、表ラベルの下に貼られた「Britain Drivers the goods」表記のシールは1945年に開催された英国展のものという話もあり、1940年代の流通が濃厚なボトルと言えます。
素朴な麦芽風味に加え、どっしりとしたピートフレーバーは、内陸系の原酒でピートが強かった時代の特徴。これぞオールドボトルの魅力です。
B&Wで言えば、1960年代以前のボトルにこうしたピートフレーバーが見られますが、今回のボトルは特にしっかりと感じられます。
キーモルトは、ダルウィニー、グレントファース、コンバルモア。また、B&Wを作るブキャナン社はDCL傘下であったため、グレンダラン、クライヌリッシュ、アバフェルディという、かつてブレンド向けだった蒸留所も歴代の構成原酒に名を連ねています。
今回のボトルの蒸留時期は1930年代以前。先にも記載したように、ピートフレーバーにしてもスコッチモルト全体で現在と異なるキャラクターがあり、どの蒸留所という指定は難しいですが、厚いボディと麦芽風味は旧世代のダルウィニーがいい仕事をしてそうなイメージです。
なお、B&Wのフレーバーの変化を追うと、華やかでマイルドな1970年代を挟み、1980年代以降のそれは市場のニーズに合わせた結果か香味のライト化が進んでいきます。特に2匹の犬が表ラベルに描かれるようになる頃はピーティーさも少なく、1980年代後以降もはや別物レベルの構成となっています。
コンセプトが入門者や若者でも楽しめるマイルドな酒だったそうで、癖のあるピートフレーバーを削る方向にシフトしていったのかもしれません。
今回のボトルは、昨年12月にIANで開催された、「ウイスキーラバーズ名古屋2018・出展用ボトル先行テイスティング会」での1本。ウイスキーラバーズ名古屋の開催まであと2週間少々。今日からラバーズ名古屋開催まで、テイスティングしたボトルを紹介していきます。
今年のウイスキーラバーズ名古屋はコアユーザー向けの愛好家出展ブースを拡張していて、さらに凄い事になりそうな予感。当然、当日はIANブースに限らずオールドブレンドが少なからずあるものと思います。
目玉のボトルは多くありますが、古き良き時代のスコッチは、スターターとしても箸休めとしてもオススメです。
コメント