ロングロウ 19年 1998-2017 シングルカスク ウィスク・イー向け 56%

LONGLOW
SINGLE CASK
Aged 19 years
Distilled 1998
Bottled 2017
Cask type Refill Sherry Butt
An Exclusive Bottled for Whisky-e
700ml 56%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:持ち寄り会
時期:開封後1ヶ月以内
暫定評価:★★★★★★(6)
香り:甘くどっしりとしたシェリー香、焦げたカラメルソースやみたらし醤油、コーヒーチョコレート。ピーティーなスモーキーさに加え、サルファリーな要素も混じっている。
味:パワフルでリッチな口当たり。キャラメルソースの甘みと焦げ感、ローストした麦芽風味。合わせてサルファリーなニュアンスも混じるが、全体的な濃さゆえすぐにかき消される。
余韻はドライでソルティ、ダシっぽさとピーティーなモルトスナックの香ばしさ、ほろ苦さを伴う複雑な余韻。
樽感が強いが、それ以上に酒質として際立った個性のあるヘビーな構成。今すぐ飲んでもロングロウとして愛好家から求められる要素はあると感じるが、10年、20年瓶熟させても面白そう。少量加水すると独特の麦系の風味に加えソルティな要素が判りやすくなるものの、硫黄要素も表面に出てくる。
それにしても、飲んでいて妙に食欲をそそられるのは自分だけだろうか。

スプリングバンクのヘビーピーテッドタイプであり、コアな愛好者の多い銘柄でもあるロングロウ。
今回のリリースは、一言でアメリカンなグルメ。BBQのように大味でワイルドで、しっかりとしたタレ系の味付けの中に、素材由来の味わいも潜んでいる。そんな印象を持つシングルモルトです。
近年のロングロウでシェリーカスクというと、こうしたどっしりとした味付けのものが目立つようにも思います。
直近で近い熟成年数のリリースで、比較的色の薄かった18年にしてもやはりシェリー感が独特。出汁の混ざったカラメルというか、薄口醤油ダレというか。合わせて感じるサルファリーさが自分にとっては苦手な要素なので、毎日これを飲みたいとは思わないのですが、ハマる人はトコトンハマる、アイラとは違う中毒性があるのもわかります。
(スプリングバンク蒸留所はフロアモルティングを100%行う数少ない蒸留所。キルニングで使われるピートは写真奥の乾燥したタイプと手前の湿り気のあるタイプ、産地も異なる2種類が使われている。Photo by K67)
スプリングバンクとロングロウ、特にロングロウではその位置付け上ピートの個性が強く出ています。
かつてスプリングバンク蒸留所では、キャンベルタウン産の石炭やピートを用いた仕込みが行われていましたが、現在使われているピートは写真の乾燥タイプはトミントール、湿っているタイプはインヴァネス地区産という話。ただキャンベルタウンにもPeat bogはあるようなので、全く供給していないワケではないと思うのですが、需要と供給に対して他の地方のものも使わなければ生産が追いつかないということなのかもしれません。
ちなみに乾燥したピートに比べ、湿ったピートの方が強く煙が出る性質があります。つまりより強く燻すことが出来るということで、ピートを混ぜることで香味への影響を調整していると考えられます。
ロングロウは湿ったピートを多めに炊いて強く風味をつけているとか、スプリングバンクの方は乾燥タイプが多めとか、一口にピートと言っても色々あって、飲みながら考える楽しさがさらに増えますね。
コメント
コメント一覧 (1)
長期の瓶熟が面白いそうとの事ですが、新品のままの保存なのか、肩辺りまで飲んでパラフィルム巻いての保存なのか、どちらの意味でしょうか??