ワッセンズ シングルバレル ケンタッキーバーボン 47%
- カテゴリ:
- ★6
- アメリカンウイスキー(バーボンなど)
Kentucky Bourbon
Single Barrel
Barrel No,5239
Hand Bottled 2013.10.31
750ml 47%
グラス:グレンケアン
場所:自宅
時期:開封後1年程度
評価:★★★★★★(6)
香り:ややドライな香り立ちだが甘みには艶がある。メープルシロップ、ビスケット、冷めたトーストのような酵母香と焦げ感、ウッディなえぐみも少し感じられる。
味:マイルドでメローな口当たり。シュガートーストやビスケット、薄めたメープルシロップ。香り同様えぐみも少々ある。余韻は甘い樽香が鼻腔に抜け、スパイシーで適度にドライ。胡桃や焦げたようなほろ苦さを伴うがすっきりとしている。
華やかな果実味、感嘆するような奥行きや複雑さはないが、ベーシックな作りの中で甘みに「艶」があるバーボン。派手さはないが、しみじみ楽しませてくれる普段飲み用。少量加水するとえぐみが軽減され、さらに親しみやすくなる。ロックも悪くない。
近年ライト化が著しく、かつてのコクや奥深さを失いつつあるバーボン全般。もちろん高価格帯のものはそれなりに美味しいものが多いのは言うまでもありませんが、しかし普段飲みに使うような5000円未満で美味しいバーボンを探そうとすると、随分ハードルが上がってしまいました。
今回紹介するワッセンズは5000円以内で買えるバーボンの中で、オススメしたい銘柄の一つ。知名度こそ低く、知る人ぞ知るというレベルですが、派手さのないベーシックな作りの中で、かつてのバーボンにあった甘みの艶を多少なりに備えている。現行のバーボンから失われつつある要素があるのです。
特にオールドバーボンの魅力を知っている人ほど、感じやすいのではないかなと思います。

ワッセンズはかつては独自の蒸留所で少量生産されていましたが、その後統廃合をへて現在はワッセンズ蒸留所(O.Z.TYLER Distillery)で作られているとされています。
ただこの蒸留所は2016年に新設されたもので、ボトリング時期で考えると計算が合わず。。。調べてみると現行の中身はバッファロートレース蒸留所での生産で、創業者から伝えられた酵母を用いたワッセンズオリジナル仕様の蒸留で作られているそうです。
バーボンの美味しさは酵母の歴史、良し悪しにあると言う説を聞いたことがありますが、樽で苦労する現行品にあってこの味わいがあるなら、酵母の効果は無視できないのかも知れません。
ちなみにラベルに書かれたEightは、作り手の8世代に渡る歴史を書いたもの。その歴史が生み出した酵母が結実した味わいは、バーボンに琴線のある方は新しい蒸留所に生産が切り替わる前に飲んでおくべき1本とも思います。
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