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SEIGNEURIE D'ARCELOT
COTE DE BEAUNE-VILLAGES
De Aureo Sprito Collection 
2014
750ml 12.5%

透明感のある色合い。ベリー系の酸味や加水柘榴ジュース、軽いタンニン、赤い花を思わせる繊細な香り立ち。
口当たりは軽め、中間は少々平坦で単調気味、ほのかに蜜っぽさ。序盤に感じたドライクランベリーなどの果実味が、余韻で葡萄の皮を思わせるタンニン、苦味へと繋がって重さが残る。

まるで皮ごと絞った葡萄ジュース。30分ほどの時間経過で酸味が強くなり、アンバランスに。
ベーコンや甘辛く味付けた肉類との相性が良く、むしろその手の食事と合わせることを前提としたようなワインで、単品では飲みやすいが少々飽きがくる味わい。


伊勢丹がギフト向けに展開している、ブルゴーニュワイン飲み比べセットのうちの1本。主要品種はおそらくピノ・ノワールで、ひょっとしてガメイも使ってませんか?というニュアンスも。

中身はアウレオ・スピリットという古典的な製法普及グループの一員であるダルセロ氏が選定しているワインの一つ。。。らしいのですが、私のようにウイスキー側の人間にして見れば聞いたこともなく、一般の方ならなおのこと。まあウイスキーでもこういう誰?(もしくは何?)ってブランドありますし、そういうものだと思って話を進めます。

赤ワインにおいて、ウイスキー好きの好みにヒットする要素にベリー系の香味があり、ベリー系と言えばブルゴーニュでピノ・ノワール種は避けられません。
今回のヴィラージュ表記のコートドボーヌは、ブルゴーニュ地方の同地区において2つ以上の村のワインをブレンドしているもので、格付けとしては単一ワイナリー→コートドボーヌ表記→ヴィラージュ表記で一番下なのですが、まあ単一だろうが混ぜてようが、問題は味です、味。

(伊勢丹のワインギフトセット。もう片方は村名ジュヴレ・シャンベルタン。重口のワインで異なる飲み口のワインを楽しむセットとのこと。)

それにソコソコのお値段がつけられている飲み比べセットなので、そう悪いものは混ぜてないだろうと、期待しないまでも警戒もしていない予想だったわけですが。 
他方で「近年のブルゴーニュは屍の広がる荒野、打率の悪さに殺意を覚える。特にセール品のボトルに安ウマなんて期待するな。」というのがワインにも明るいウイスキー仲間達の言葉にあり。
その点、今回のボトルは決定的に悪いわけではないものの、全体的にフレーバーの質が軽く単調気味で、それでいて飲み終わった後で妙な重さが口の中に残るので単品では飲み飽きてくる。ウイスキー好きに勧めるワインとも、想定される値段通りのレベルがあるとも言い難いボトルでした。

それにしても伊勢丹の担当者はなぜこのワインを選んだのか。万人向けの味といえばそこまでですが、単にシャンベルタンの方に予算を取られたのか、異なる飲み口という飲み比べに比重が置かれただけなのか。
テイスティングの通り食事と合わせると足りない中間部分の厚み、複雑さが補足されてそこそこ楽しめるので、これはそういうワインなのかもしれません。