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MACALLAN
Fine Oak
8 Years old
Carefully matured in a unique combination of Bourbon & Sherry oak Casks
700ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅@借り物
時期:不明
評価:★★★★★(5)

香り:スパイシーでやや青さの残るオーク香。メレンゲクッキーのような甘み、柑橘や白粉系の麦芽香。時間経過でほのかにシェリー香も感じられる。

味:スムーズな口当たりからピリッとした刺激、薄めた蜂蜜、りんごジャムを塗ったパン、ほのかに青っぽさが鼻腔に抜ける。
余韻は乾いたウッディネスを感じつつ、スパイスの刺激とほろ苦いフィニッシュ。

とても40%加水とは思えないピリッとした刺激のある味わいが、いかにも現行マッカランらしい。樽感はバーボン樽主体、ほのかにシェリー樽。嫌味の少ない樽感に素直なモルティーさが、オールドになって化けるボトルとして期待できる。現状は1杯目のモルトとしてストレートで。ハイボールも中々。


ウイスキー仲間のHPさんから、意外と旨いから飲んでみ?と言われてお借りしている2010年ごろ流通の短熟マッカラン。
HPさんはコッテコテのどシェリー系は苦手で、このような華やかな樽感、バランス系のモルトを好む傾向があり、確かにこれは案外。。。というか、今はまだ刺々しさはあるのですが、全体を通しては将来性の高いボトルだと感じられました。

マッカランはご存知の通りロールスロイスなんて売り文句があって、滑らかで上質なウイスキーであるかの如く宣伝されていますが、実際はフルボディでパンチの強い酒質であることは、このブログでも度々触れてきたところです。
10〜20年くらいのバーボン樽熟成のシングルカスクなんて、舌の上でバッチバチですから。
他方、それがシェリー樽を受け止め、長期熟成に耐え、加水されて初めてバランスが取れる訳で、今回のボトルもまた40%まで加水されているとは思えないニュアンスや、飲みごたえも残っていました。

現状はストレート以外にブレンドのベースとしてグレーンを加えても過度に軽くならず、他のモルトともよく馴染みそうな素直さが魅力。20年くらい瓶熟させると、今オールドボトルとして評価されてる80-90年代流通の一部のハイランドモルトに近い素朴なキャラクターが得られるのではないかとも感じます。
考えてみると、40%加水のスペイサイドでこういうキャラクターは、現行品には中々ないですね。


以下は雑談。マッカランと言えば、数ヶ月前にスイスのホテルBARで1ショット100万円というマッカラン1878がオーダーされ、それがフェイクなのではないかと話題になったのは記憶に新しいと思います。
Swiss hotel's £7,000-a-dram Macallan turns out to be fake

このマッカラン、オックスフォード大学のラボでの検査の結果、やはり真っ赤なフェイク。
ラベルが作られたのは25年ほど前。中身は1970〜1972年に蒸留されたモルト60%、グレーン40%程度のブレンデッドウイスキーだったのだそうです。
まあそりゃそうですよ、多くの愛好家が疑問視したように、ラベルが綺麗すぎますし、何より100年以上経過していてここまでコルクが原型を留めているのはおかしいですから。せいぜい20〜30年くらい前だろうと感じていた、まさにその通りの結果でした。

確かフェイクだったらオーダーしたお客に返金するという話だったと記憶していますが、ホテル側はたまったものじゃないですね。
せめてラベルは本物だったらオブジェくらいにはなったかもしれませんが、どちらもフェイクとあっては救いようがない。。。

現在、中国市場においてオールドマッカランの人気がとてつもないことになっているそうで、今後さらにフェイクが量産されていくことは間違いありません。
中国国内にとどまるぶんには我々に被害はないですが、それが放出され始めたらどうなるか。
一部銘柄に関して、オールドボトルは自分で育てる時代が来ているのかもしれません。