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LAPHROAIG
CAIRDEAS 2017
Cask strength quarter cask
For the Friends of Laphroaig
700ml 57.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ナッティーでスモーキー、軽く香ばしさのあるピート香とシトラスを思わせる爽やかさ、ツンとしたアルコール感、ほのかに焦げたウッディネス。スワリングしているとゴムや樹脂のようなアロマも感じる。

味:スパイシーでスモーキー、ちくちくと荒さの残る口当たり。シトラス、グレープフルーツピール、香り同様に爽やかな柑橘感、徐々にウッディで荒さのあるピートフレーバーが主張。
余韻はピーティーでスパイシー、微かにに青みを帯びたドライなオーク香。ハイプルーフらしくヒリヒリとしたフィニッシュ。

クオーターカスク由来か、爽やかな樽香に加えて荒さのあるウッディネスとパンチのある香味が主体。若く強引さはあるがそれなりに仕上がっているラフロイグ。熟成感は飲んだ印象で10年程度。加水するとゴムのような香りが強くなり、味は薄く水っぽい、アンバランスさが目立つ。



ラフロイグが2008年から毎年リリースしているリミテッドエディション。友情の証、カーディス。バーボンバレルの王道的な構成から、フィニッシュ、加水、毎年様々なスタイルでリリースされているカーディスですが、今年はクォーターカスクのカスクストレングスでリリースされています。

クォーターカスクといえば、ラフロイグのオフィシャルリリースで長らく10年と2枚看板だったエントリーグレードです。
使われているのは約130リットル容量のアメリカンホワイトオーク樽。シェリーバットの1/4サイズであることからクォーターと名づけられていますが、ベースとなるのはシェリー樽ではなくバーボン樽の組みなおしで、樽とウイスキーの接触面積が増えることでオークの強い影響を引き出し、熟成のスピードを上げることを狙いの一つとしています。
まあ熟成のスピードが上がるといっても、クォーターカスクに限らずスモールサイズでの樽熟成は、全ての熟成の要素が加速するわけではなく、特にアルコール感や味わいのとげとげしさは時間を掛けないことにはどうにもなりません。そのため、樽感が強くなりつつも、早熟ゆえに酒質に荒さが残りやすく、ラフロイグ・クォーターカスクに限らず今回のカーディスもまた同様の傾向が見られます。

今回の1本はベースの樽がリフィルだったのか、あるいは短期間の熟成ゆえか、あまりバーボンオークバリバリという樽感には仕上がっていないように感じます。
柑橘のニュアンスは程よく爽やかに、そこにピリピリと荒さのある樽感。またポジティブではありませんが、ゴムっぽい樹脂感のあるウッディネスが特徴的で、なんとも仕上がりの荒さを感じる要素。ならばと、かといって加水してそれらを押さえようとすると、ある一点を越えてしまうと樽感と酒質が一気に乖離してしまうあたり、通常のクォーターカスクが48%でボトリングされていた理由がわかるようにも思います。
「これが若さか・・・。」

最近、オフィシャルスタンダードのクォーターカスクは国内終売となったようで、いよいよ店頭から姿を見かけなくなってきました。そのタイミングでのカーディス・クォーターカスクのリリースは、ファンにとっては思うところありつつも堪らないリリースだったのではないでしょうか。
個人的には、へたにワインカスクなどでフィニッシュされるよりもスタンダードの特別版的なリリースのほうが限定リリースとして受け入れやすく、しっかり楽しませてもらいました。